FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年6月19日号
先週のドル円相場
先週のドル円相場は、FOMCが予想通り0.25%の利上げを決定したことを受けて材料出尽くしのドル売りとなり、一時108.83円と4月以来の安値を示現。しかし声明と議長会見が緩やかな利上げと年内のバランスシート縮小に言及したことから急速に買い戻され、一時111.42円と2週間ぶりの水準まで反発した。
111円台まで反発する予想外の展開
ほぼ100%織り込まれている利上げが実現すれば材料出尽くしのドル売りとなるというところまでは筆者の読み通りだったが、その後「年内あと1回の利上げ見通し」を頼りに111円台まで反発する展開は予想外だった。FOMCメンバーの金利見通し、いわゆるドットチャートによると、今年末までにあと1回の利上げ予想(1.25~1.50%)が最多の8票を集めた。
6月FOMCのドットチャート 出所:FRB
FOMC声明には、今回初めて「バランスシートの正常化計画」が盛り込まれた。「予測通りに経済が広く進展するならば、今年中にバランスシートの正常化計画の実施に着手する」とのことだ。年内あと1回の利上げに加えてバランスシートの縮小の方針が示されたのだから、米長短金利にはさぞかし上昇圧力が高まったと思うだろう。
※今回と前回のFOMC声明全文は以下のリンクを参照(ロイター)
http://bit.ly/2tbZtPc
絶好の売り場となる可能性も
しかし現実にはそうはなっていない。FOMC前の2年債と10年債利回りはそれぞれ1.36%、2.21%程度だったが、金曜日の終値は1.31%、2.15%とむしろ低下している。FOMCメンバーの強気な見通しにもかかわらず、市場はそう簡単に金利は上げられないと読んでいることになる。先週金曜日時点で、FF金利先物が織り込む9月の利上げ確率はわずか16%、12月の利上げ確率も45%と5割以下にとどまっている。
メディアは「FRBが年内にもう一度利上げに踏み切る場合、現時点で最も有力とされるのが9月だ」(17日付日経マーケット欄)と報じているが、市場ではそのようなコンセンサスはできていない。FOMCが年内のバランスシート縮小方針を明確に打ち出したことを受けて、むしろ「次の利上げは来年に持ち越しとなる」との見方が強まっているのだ。バランスシート縮小と利上げを同時に行えば、景気に対するオーバーキル(引き締め過ぎ)となるおそれがあるからだ。
もともと FOMCメンバーには物価重視のタカ派がほとんどおらず、賃金やインフレが伸び悩むなかで予防的に利上げを急ぐ空気はない。またこれまでもそうだったが、FRBの利上げはドットチャートで示したペースを下回る傾向にある。「殴ってからさする」(利上げするぞと言っておいて利上げしない)ほうが資産市場に優しいことを経験則的に知っているからだ。米利上げ期待を材料としたドル高は短命に終わる公算が大きく、むしろ絶好の売り場となる可能性もある。今週は戻り売りスタンスで臨みたい。
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