FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年8月7日号
先週のドル円相場
先週のドル円相場は、トランプ大統領の指導力やロシア疑惑をめぐる不透明感が漂う中、一時110円台を割り込み109.85円まで下落。しかし金曜日に発表された米7月の雇用統計が予想を上回ったことを受けてドル買いが入り、一時111.05円まで反発した。
米雇用統計の結果、ドル円は?
米国雇用統計では、失業率が4.3%と金融危機後の最低に並び、非農業部門雇用者数は+20.9万人と予想の+18.0万人を上回った。労働参加率は62.9%と前月から0.1%改善し、平均賃金も前月比+0.3%、前年比+2.5%と予想の+0.2%、+2.4%を上回った。これらを受けて米国債利回りは上昇し、米国株は最高値を更新し、ドルは全般に上昇した。
ただしドル円の上昇は発表後のきっかり2時間で頭打ちとなり、その後は110.60円近辺まで押し戻されて週の取引を終えた。金曜日のNY市場終値は、週の締めくくりとして折り合いがついた水準であり非常に重要であるが、これだけよい数字が出ているにもかかわらずドル買いが尻すぼみで終わっているのである。買われるべき材料が出たにもかかわらず想定以上に上昇しない……これも筆者が重視している「相場の息吹」の一つであり、「潜在的な売り圧力」の存在を示唆している。
市場は追加利上げに懐疑的
またこの雇用統計の結果を受けて年内の利上げ確率が大幅に高まったかというと、そこまでは言えない。平均賃金は予想を上回ったとはいえ、年初に記録した金融危機後のピーク+2.8%を大幅に下回る水準で低迷している。完全雇用状態が続いているにもかかわらず賃金が伸び悩んでおり、インフレを2%に押し上げる勢いに欠けるのである。FF金利先物が織り込む12月までの利上げ確率は金曜日時点で48%と依然5割を下回っており、市場は追加利上げに懐疑的であることが見て取れる。
平均賃金の伸び(前年比%)は頭打ち 出所:米国労働統計局
利上げ期待が高まらないもう一つの理由は、9月FOMCで決定が予想されている「バランスシートの正常化計画」であろう。バランスシート正常化とは、FRBが保有する資産のうち満期が来た債券の償還元本を再投資しなくなることを意味しており、長期金利の上昇要因となることはもちろん、株式市場に対しても負荷がかかる政策である。つまり市場は「9月バランスシート正常化開始、12月追加利上げ」では引き締めすぎになると危惧しているのではないか。バランスシートの正常化はFRBの悲願であり、インフレリスクが顕在化しない限り、利上げより優先される公算が大きい。9月FOMCでのバランスシート正常化決定なら、利上げは来年に先送りされる可能性も小さくないのである。
雇用統計後のドル買いは一過性の動きにとどまる公算が大きい。今週は日本が盆休みを控えて市場が一段と薄くなる中、引き続き下値警戒を怠らないようにしたい。
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