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市場の関心はFRBトップ人事へ パウエル+テイラーでドル一段高も[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年10月23日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、日米の株高や米国債利回りの上昇を背景にじり高の展開となり、113.57円と7月以来の高値を示現した。NYダウは連日の史上最高値更新。日経平均は14営業日連続で上昇し、高度成長期の1960-61年以来56年9か月ぶりの最長記録に並んだ。前回の当コラムでは「これまでの日経平均とドル円の連動性を考えれば、ドル円は114円に迫っていても不思議はない」と述べたが、おおむねそのような展開となった。

日本株上昇の背景には衆院選での与党勝利・アベノミクス継続を先取りする動きがあったはずだ。本稿執筆時点(21日午前)では選挙の結果はわからないが、与党勝利はまず動くまい。予想通りの安倍首相続投となれば、一旦は好材料出尽くしの動きが考えられるため、今週は株高・円安の好循環もひとまず一服と見るのが無難だ。

市場の関心はFRBトップ人事へ

一方市場の関心はFRBトップの人事に移り始めた。イエレンFRB議長は来年2月で任期切れを迎える。副議長はスタンレー・フィッシャー氏の辞任により現在空席だ。トランプ大統領は来月3日からのアジア歴訪前に人事を決めることを示唆しており、今週中にも決断を下す可能性がある。

トランプ大統領が絞り込んだ候補は、パウエルFRB理事とテイラー・スタンフォード大教授、ウォーシュ元FRB理事、コーン国家経済会議(NEC)委員長、そしてイエレン議長の5人で、このうちパウエル氏とテイラー氏が最有力。パウエル氏はFRB理事として長年イエレン議長を支えてきた実績があり、政策の継続性という面から言えば議長昇格の可能性が最も高いと言えよう。

一方のテイラー氏は、厳格なルールに基づく金融政策を標榜するタカ派であり、共和党保守層の受けが良い。ただし外部からの人物をいきなりFRB議長に招くことには一定のリスクがあるため、過去のブラインダー氏やフィッシャー氏の事例のように副議長に据えるほうがしっくりくるであろう。

ホワイトハウスのサンダース報道官は、トランプ大統領がパウエル氏とテイラー氏を次期FRBトップに検討していることを確認し、一方が議長に、もう一方が副議長に指名される可能性があると述べている。もし中道派のパウエル氏が議長に、タカ派のテイラー氏が副議長に指名されれば、各市場にとっては「いいとこ取り」となる、つまり株式市場・債券市場では穏健的利上げ路線継続で安堵感と受け止められ、為替市場ではテイラー氏の指導部入りでこれまでよりタカ派色がやや強まると受け止められる可能性が高い。

筆者は、パウエル+テイラーの組み合わせは米国株高・債券高・ドル高のトリプル高につながるとみており、今週も強気スタンスを継続したい。

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