FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2020年3月23日号
先週のドル円相場は
新型コロナウイルスの感染が欧米に蔓延し社会不安が高まる中、FRBは月曜日早朝の異例のタイミングで、1%の緊急利下げと合計7000億ドルの資産買い入れを発表。これを受けてドル円は一旦105.15円まで下落した。しかし世界的な株安連鎖に歯止めがかからず、NYダウが2万ドルを割り込み一時は1万9千ドルも割り込む事態となると、流動性危機に備えて基軸通貨であるドルを確保する動きが強まり、ドルが全面高の展開に。ドル円は一時111.51円まで上昇し、コロナショック前の高値に迫る動きとなった。
先週のNYダウ(右目盛)とドル円(赤線・左目盛) 出所:NetDania
米国もリセッション不可避
イタリアでは感染者が4万人を超え、3400人以上が死亡。すでに絶対的な設備・人員数が不足し医療崩壊が起こっている。米国も感染者数が1万人を突破し、ついにカリフォルニア州やニューヨーク州では不要不急の外出が禁止となった。今後は世界的規模で人の移動が制限され、経済活動が著しく落ち込み、投資縮小とリストラが歴史的な速度で進行する。米国でも第2四半期はマイナス成長に陥ることがほぼ確実となり、通年でもマイナスとの見方も出ている。企業倒産やレイオフが激増し、失業率も大幅に上昇するだろう。
キャッシュ・イズ・キング
こうした極限状態に直面した時、金融市場で起こることはたった一つしかない。それは「現金化」だ。株や商品などリスク資産はもちろんのこと、平時には安全資産とされる国債や金までもが売られ、キャッシュ、それも国際基軸通貨であり決済手段であるドルのキャッシュに買いが殺到する。
為替市場でも、ドル円だけでなく、ユーロドルは1.06ドル台と2017年4月以来ほぼ3年ぶりのドル高値をつけており、ポンドや豪ドル、新興国通貨に対しても歴史的なドル高となっている。FRBが各国中銀とのスワップ協定を通じてドルの供給を行っているが、ドルの調達コストは高騰の一途で、市場でのドル逼迫は終息する気配がない。極端なリスクオフムードとハイボラティリティーの中で、これからドル円を積極的に買いに行くべきかどうかは判断が難しいが、少なくともドルをショートすべきではないことは明白だろう。
シカゴ投機筋はドル売りで大やけど
IMM通貨先物市場の投機ポジションの推移を見ると、3月10日にドルショートに転じ、先週3月17日の時点で3万枚超までポジションが大きく拡大したことがわかる。しかし同期間中のドル円はまさに101円台から108円台への暴騰の真っ只中であり、シカゴ投機筋がドルショート・円ロングへの途転(どてん)返しで大損害を被ったことがうかがえる。先週後半の111円台までの急騰はその損切りの動きと考えるとわかりやすい。
常に動き回る投機筋が次に仕掛けてくるとすれば、この現金化の流れに乗じたドルロング戦略と見て間違いない。今週は経済の先行き悲観、リスク回避、レバレッジ解消、現金化の動きがピークに達し、ドル円は年初来高値の112.23円を突破すると予想する。
シカゴ投機筋のポジションとドル円 出所:Quick Money World
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