兼業トレーダーは一日中相場にはりつけないため、専業に比べるとどうしても不利なように思われがちです。しかし、それは大きな誤解であり、兼業トレーダーでもやり方さえ工夫すれば十分勝負になります。ここでは、不動修太郎さんに兼業トレーダーとして成功するためのポイントを解説してもらいます。
株式相場とは異なり、FX相場は平日24時間動きます。そのため、日中に8時間以上働くサラリーマンや、家事に忙しい主婦でも、リアルタイムでFXの相場に参加でき、兼業投資家になることが多いのです。そんな兼業投資家のライフスタイルと、投資に勝つための戦略を考えてみましょう。
収入源は?
FXを含めて投資は時には損失が出てしまうので、収入は不安定になりがちです。それに比べると給与をもらうサラリーマンの方がおしなべて収入は安定します。
とはいえ、ずっと給与所得だけに頼り、投資を全くしないとどうでしょうか? サラリーマンは当面は安定した収入がありますが、会社などの組織に依存するので、会社をリストラされ収入を失う、あるいは給料が下がってしまうおそれがありますね。またサラリーマンとして成功して、地位と収入が上がっても、いずれは定年や病気で若いころのようにバリバリ働けなくなってしまいます。
だからこそ、自営業やサラリーマンとして働いている人が、FXなどで兼業投資家として収入源を増やしておけば、収入がなくなるリスクを減らすことができ、生活に余裕ができますね。
兼業投資家の投資スタイル
さて、兼業投資家は、投資以外の仕事の都合でずっと相場を見られず、専業投資家のようにじっくりと相場にはりついて売買のチャンスを狙うことはできないでしょう。
ですから、FXの兼業投資家はその日のうちに、できれば1時間以内に小さい利益を狙う短期売買が良いといえます。あるいはその逆に、数日以上の時間をかけて大きな利益を狙うスイングトレードも勧めます。
為替は日本時間の日中と、夕方から朝方にかけての欧米市場の時間帯とでは値動きが異なり、平均的に欧米時間の方が大きく動きます。ですから私は、基本的には日本時間の夕方から深夜2時までしかトレードをしないと決めています。
フルタイムで働くサラリーマンの方は、通勤時間など細切れの時間をうまく利用しスマホなどで小まめにFX業者からのメルマガをチェックし、チャートを見ましょう。チャートで為替の値動きを見る機会を増やすと、テクニカルに頼らずに値動きが予想できるようになります。
週に1回は投資戦略を練る
兼業投資家は投資以外の仕事を持っているので、長期的な相場の動きを見る余裕が乏しいですね。私は週に1日、土曜か日曜にそれまでの相場を振り返り、翌週の指標発表のスケジュールを確認し、相場を長期的に予想しています。
ここで私が具体的にどのように長期的に相場を考えているのかを説明しましょう。チャートは2015年11月から最近までの「米ドル/円」の値動きです。赤い直線は安値を結ぶ支持線で、その支持線が引ける時期は相場の流れが上昇、下降している期間なので、相場の流れが予想しやすい時期です。
このチャートに水色の破線を引いた1ドル100円ちょうどと、112.5円(黄色の破線)が何度も相場が転換する節目となっていることが分ります。この原稿を執筆しているのは、1月の米大統領就任式の直後です。チャートの中でピンクの丸で囲んだ時期は、ローソク足の形からして円高方向に動く可能性が高いですが、円安に振れるかもしれません。
このように相場の流れが不透明になっている時期はFXの取引は控える、あるいは少額に止める方が、勝率が上がり、トータルの利益が大きくなることが多いです。専業投資家は、投資の収入だけで生活を支えていますから、相当な貯金を作らない限りは長く相場を休めませんし、じっくり時間をかけて投資の勉強をすることもできません。一方で、兼業投資家は投資以外に給与所得など別の収入源を持っているので、投資だけで生活費を稼ぐ必要がありません。
ですから、兼業投資家は、チャートの中にピンクの丸印で示したような予想が難しい相場で、相場を休むことができます。これは兼業投資家が、機関投資家や専業投資家よりも有利な点です。兼業投資家は、今が相場が難しい時期なのかを見極めるためにも、相場が動いていない土日に長期の相場を読みましょう。
余裕を持つ
兼業投資家として投資以外の職業を持っていると毎日が忙しく、運動不足に陥る恐れがあります。ですから相場への集中力を高め、体力を維持するためにも週に1、2回はジョギング、ウェイトトレーニングなどをすることをお勧めします。
体力を鍛えることにより、精神面を充実させることができます。FXで勝ち続けるには、体力と精神面の余裕が大切です。
※この記事は、FX攻略.com2017年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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