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FX力を鍛える有名人コラム

私がトレードする通貨ペア[不動修太郎]

私がトレードする通貨ペア[不動修太郎]

FXはたくさんの通貨ペアで売買ができますが、それゆえにどの通貨ペアが良いのか悩みの種になってしまうことも往々にしてあります。ここでは不動修太郎さんに、通貨ペアの中で値動きが予想しやすく、利益を出しやすい通貨の選び方を教えてもらいましょう。

ドル円の通貨ペア

テレビの報道番組の中で「為替と株の値動き」として報じられるのは、いつも米ドルと日本円の為替レートと日経平均株価ですね。このように日本で単に「為替」というと、ドルと円の為替レートを意味します。そのためかFXの初心者は、まずは普段からなじみがあるドル円の為替売買を始めるケースが圧倒的に多いです。

日本円は、報道で金融政策をきめ細かく知ることができますし、限られたFX業者しか扱わないトルコリラなどのいわゆるマイナー・カレンシーと呼ばれている通貨と比べると経済規模が大きく、国際的に為替の売買が行われているため、平均的な動きが穏やかです。ですから、為替投資でまず手始めにドル円の取引をするのは、良い戦略と言えるでしょう。

一方で、日本円は次に述べるような値動きをするので注意しましょう。

日本円の特徴

私は初心者だった2006年ごろから、ポンドなどの外貨買い/日本円売り中心のトレードをしていました。しかし、リーマンショック以降の急激な円高で、大きな損を出してしまいました。米国同時多発テロ以降は、世界のどこかで紛争、金融不安が起きると、決まって日本円が買われ、円高に動きます。

この原稿を執筆している時点では、米国が軍事行動をとり、日本の周辺国との緊張が高まっていますが、日本の地政学的なリスクが高くなっているにもかかわらず、円高になっています。このように世界各地でテロ、紛争が心配される状況では、安全資産とされる円が買われ、円高に動くことが多いので、外貨売り/円買いを中心に売買戦略を組み立てましょう。

取引を避けるべき通貨

政策金利など各国の金融政策は、雇用統計などの経済指標からある程度は事前に予想することができますが、戦争、紛争やテロは、将来の予想が非常に難しいです。国際的な政治問題が起きたらその影響を強く受ける通貨の取引は避ける方が良いでしょう。また、国際情勢が不安定なときは売買数量を小さくし、平常時よりも慎重な売買を心がけてください。

選挙では、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票と、米国の大統領選のように事前予想と違う結果が出ることがあり、そうなった場合には為替が大きく動きます。為替に大きく影響する選挙の日程は、新聞、FX業者からのメルマガ、ホームページなどから知ることができますので、確認しておきましょう。

南アフリカランド、トルコリラなどのマイナー通貨は、ちょっとした経済不安、周辺国のテロなどの事件、関係国の選挙のような政治イベントの影響で大きく下がることが多いです。一方で急落の後に少し反発して高くなることもあり、為替の予想が難しくなります。国際情勢が不安定なときは、どのような通貨でも普段よりも売買ポジションを少なくし、慎重に取引しましょう。また、ロシア、南アフリカ、オーストラリアなど資源国の通貨の為替は、その国の資源の価格に大きく左右されるので注意が必要です。

通貨ペアの選び方

日本では、為替が大きく円高、円安に動く時期や100円、120円などの切りの良い節目の数字を超えるとテレビ、新聞で為替が大きく報じられます。とはいえ日本円は長期的にみるとボックス相場とも呼ばれる、狭い値幅の中で行ったり来たりの方向性が少ない値動きをしている時間の方が長いのです。

特に選挙前や米国の利上げ前には、その結果を見極めるために様子見をする投資家が多くなり、為替が動かなくなるものです。そのような時期に大きなポジションを持ち、相場が思わぬ方向に動くと短時間で大きな損失につながってしまいます。ですから相場の動きが小さいのは、相場が大きく動く前兆と考えてください。ほとんど動かない相場、またはその逆に激しくもみ合う相場ではテクニカルの予想が外れる恐れが高いので、その時期を避け、他の通貨ペアを選んで取引をするか、相場を休みましょう。

ドル円チャートとNZドル円チャート

さて、ここで2015年11月から最近までの長期チャートを見てください。チャート①の上はドル円、下はNZドル円です。上下のチャートを見比べると、二つの通貨ペアの値動きは似ていますが、チャートの右端のようにかなり違う所もありますね。

長期的に上昇、下落している時期を、チャート上にオレンジの楕円で記しました。このようなハッキリとした上昇、あるいは下落している通貨ペアを選んで売買することが、FXで儲けるコツです。

※この記事は、FX攻略.com2017年7月号の記事を転載・再編集したものです。この記事に記載されている情報は原稿執筆時のものであり、現在のものとは異なる場合がありますのでご注意ください。

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