人それぞれ生活リズムはまちまちであり、トレードできる曜日や時間帯は異なります。また、自身のトレードスタイルがスキャルピングなのかデイトレードなのかスイングトレードなのかによっても、1日のスケジュールは大きく変わってくるでしょう。ここでは専業トレーダーの齊藤トモラニさんに、トレードの時間割を教えてもらいます。
週末にトレードの履歴を精査
私のトレードの時間割を紹介します。まず一週間の流れとしては、土日から仕事が始まると考えていますので、週末にやっていることからお話しします。
土曜日は、その週のトレードの履歴を全てチャート上にプロットします。「ルール通り入れているか」「戦略は間違っていなかったのか」などを確認し、そして良かった点と悪かった点を洗い出していくのです。そのときに、個人的に重視している1スイングの幅や、どの時間足の20EMA(指数平滑移動平均線)が効いていたかを確認します。
加えて、その週のざっくりとしたファンダメンタルズ情報や、経済指標後の値動き、どのような情報でどんな動きになったのか、という事を再確認しておきます。
日曜日は、明くる月曜からの戦略を立てます。私は基本的に日足、4時間足、1時間足のチャートを見て、ラインを引くことから始めます。そしてトレードできそうなチャートを4〜5通貨ぺアに絞り込みます。
このとき、チャート上には想定される値動きを波線で書くようにしています。そして「その通りに動いてきたら、どんなトレードができるか?」というところまで、シナリオを描いておきます。また、経済指標や要人発言の日時を確認し、これをノートに書いておきます。
トレードが多いのはロンドンタイム
週明けの月曜日は、まず当日の経済指標や要人発言のスケジュールをチェックをします。続いて相場が始まったら、ラインを確認し、引き直す場所があれば引き直しをします。とはいえ、基本的に月曜日は、よほど良いパターンにならない限りエントリーは控えています。入る場合でも、短期時間足でのトレードがメインとなっています。
続く火曜日から金曜日は、大体同じ時間割で行動します。朝の8時〜10時に、その日の経済指標や要人発言のチェック。そしてラインを引き直す作業を行います。4時間足か1時間足のどちらがチャートの形がきれいかを確認し、5分足でトレードするか、15分足でトレードするかを決めます。その後、トレードストーリーを描き、どうなったらどうエントリーするかというところまで落とし込んでおきます。
トレードは午後になってからで、逆指値でエントリーを入れ始めます。これはチャートの形にもよりますが、大体ロンドン時間が始まる1時間くらい前になることが多いです。そして実際にエントリーされるのは、ロンドンタイムに入ってからが多いです。ちなみに、もちろんクロス円で良いタイミングがあれば、午前中に入るときもあります。こちらも逆指値でトレードしています。
ロンドンタイムが進んで20時くらいになり、まだエントリーされていなければ、チャートの動きから「エントリーをキャンセルするか、それともそのまま生かしておくか」を決めます。そして、その日のその後の指標もチェックしておきます。一方、既にエントリーされているポジションについては、利確したり、損切りの位置を変更したりと考える時間でもあります。
NYタイムは、よほどチャートの形が良いとき以外はエントリーを行いません。チャートをちらりと確認する程度です。そして基本的に深夜0時までには、全てのポジションをクローズすることにしています。
年間スケジュールは?
月単位の時間割もざっくりと紹介します。1年間で本格的にトレードするのは、1月の10日前後から11月のサンクスギビングの日までです。11月のサンクスギビングの日以降はチャートの確認をしながら、トレードするにしても通常のエントリーのロットよりも3分の1以下でトレードすることにしています。
スケジュールを決めるコツ
最後に、トレードの時間割やスケジュールが定まっていないという人へのアドバイスをまとめたいと思います。
まずは自分がどんなトレードをしているのかを確認してみてください。例えば1分足や5分足でのスキャルピングなのか、1時間足や15分足を使ったデイトレか、それとも4時間足や日足を使ったスイングか、などですね。それによって、週にやること、日々にやることが違ってきます。
例えば、スキャルの人が1週間もトレードの記録を溜めてしまったら、それだけで見返すのも大変なので、一日単位で振り返りをしないといけないですね。またスイングだとすると、1週間では振り返りもできません。
そのため、自分のトレードの時間足とスタイルによってもスケジュールは変わってくると思います。まずはどんなトレードをしたいのか? そしてどんなトレードができるのか? から確認してみると良いと思います。
※この記事は、FX攻略.com2017年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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