2009年にギリシャ債務危機が発覚してから、早6年。その間、ギリシャ財政を巡る「ギリシャ危機」は、出ては消え出ては消えを繰り返してきました。今年1月のギリシャ総選挙では、金融支援を受け取る交換条件として、欧州側から要求された緊縮財政策を国民に押しつけてきた2大政党が大敗し、その代わりに、反緊縮財政策を支持するSYRIZA党が与党となりました。ここから「2015年版ギリシャ危機」がスタートしてしまったのです。
Xデーは、6月5日
ギリシャ向け第2次金融支援の期限は、昨年12月末に設定されておりましたが、年明け早々に総選挙が待っていたこともあり、何度かの延長を繰り返し、今年6月30日が「本当の最終期限」に決定されました。反緊縮政権の誕生と同時に、交換条件の内容を緊縮度のやや弱いものに変更するため、内容の合意期限を4月末に設定しておりました。しかし、結局何も決定できず、ズルズルと現在に至っています。
連日ギリシャ関連の報道を目にしますので読者の皆さまもご存知でしょうが、ギリシャ政府の資金枯渇問題を受け、5月20日にギリシャ議会のフィリス議長が、「IMF向けの最初の償還金支払いが控えている6月5日までに、EU側との交渉が合意に終わらなければ、6月に予定されている4回にわたるIMF向け償還の返済をしない」と警告を出しました。この瞬間から、条件内容の合意期限がいつの間にか「6月5日」となってきたのです。
IMFへの返済が出来なかった場合
IMFへの返済については、猶予期間(グレイス・ピリオド)がついておりますので、これについて簡単に説明いたします。
もし、ギリシャ政府が6月5日に返済を行わなかった場合は、30日間の猶予期間がスタートします。2週間経って、それでも返済が行われない場合には、ワシントン(IMFの所在地)からギリシャ政府に対して、「即刻返済せよ。この返済が滞った場合、返済義務の不履行という深刻な事態に陥る」という伝達が入ります。そして、それからさらに2週間経っても返済がない場合は、専務理事が履行期限が過ぎたことを理事会に報告します。つまり、ギリシャの場合、このグレイスピリオドが終わっても返済できなかったときに、本当の意味で「深刻な状況」となります。
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どのくらいの深刻さかということを、図に表わしてみました。
耳慣れない「クロス・デフォルト」という言葉の意味ですが、これは債務者の借り入れのひとつが満期になっても返済されず、デフォルト(債務不履行:債務者が正当な事由がないにもかかわらず債務の本旨に従った履行を行わないこと)となった場合、債務者が抱える残りのすべての借り入れについても、返済期日が到来していないにもかかわらず、デフォルトになったものと見なされ、債権者は債務者に返済を要求できるというものです。
つまり、IMF向けの返済が猶予期間を過ぎても返済されなかったことを受け、ギリシャへの最大の債権者である欧州金融安定ファシリティ(EFSF)も、返済期日がきていないのにもかかわらず、すべての借金の返済を迫ることが考えられます。
ここからのユーロ
先週の「ユーロ/米ドル」の動きは、ドル高がメインでした。しかし、今週に入ってからというもの、ドル高に加え、ユーロ安も加わってきたので、下げ幅が大きくなってきています。
まず最初に、ドルの動きを先物のチャートで調べてみると、先週から上昇に転じているのが確認できます。この原稿を書いている時点では、97台での推移となっておりますが、目先のレジスタンスは、99台となりそうです。
チャート:インターコンティネンタル取引所
現物の動きを見ると、黄緑色で囲んだボックス圏を上に抜け始めており、目先のターゲットとして、緑のラインを引いた99台が視野に入ってきます。先物とほぼ同じレベルですね。
次に、ユーロの実効レートを見ると、先週までは「ユーロ/米ドル」が下がっても、実効レートは91.8641より上で動いていましたが、今週に入ってから下落に転じています。本当はここから、ギリシャ問題の展開によっては、実効レートも急落する可能性があるのですが、全体的にユーロ加盟国の国債利回りが上昇しているので、それを考慮すると、ユーロ実効レートは、90~92の間での推移になるようなイメージをもっています。
チャート: ECBホームページ
今週は水曜日から金曜日にかけて、ドイツで7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開催されます。そこでは、ギリシャ問題に加えて、最近の為替マーケットについても協議される模様です。最近の急激なドル高進行に対して、とくに、にアメリカから何らかの発言が出るのか? その辺りにも注目したいと考えています。
とりあえず、短期的な「ユーロ/米ドル」のイメージとしては、1.07台~1.10台のレンジでみています。
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