トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
今年最大のイベントを来週に控えてマーケットはBrexit一色になっています。また、今夜はFOMC、明日は日銀政策金利発表と今週もイベントが多く、マーケットから目が離せない日が続きます。
イエレン議長は米雇用統計の結果をどのように表現するか
まず、今夜のFOMCですが、政策金利の変更は九分九厘ないと思っています。したがってイエレンFRB議長の声明文に大幅悪化した米雇用統計の結果についてどう表現するかが焦点となります。
ここ最近のイエレン議長や、その他FOMCメンバーの発言を聞いていると、米大統領選が本格化する秋口を前に何としても利上げしておきたいとの思惑が感じられます。
そのため、声明文では「今後の指標の数字次第」「世界経済のリスクを鑑みて」としながらも7月利上げの可能性は残す内容となるでしょう。ただし、余程7月の利上げが意識される内容でない限りは今回のFOMCはあまり動かないのかもしれません。
サプライズ好きの黒田総裁はどう動く?
一方、日銀金融政策決定会合はどうでしょうか。
基本的にはBrexit前の追加緩和は難しいと思っています。しかし、ここ最近急激な円高が進んでいることもあり、このまま何もしないで円高株安は避けたいでしょう。
マーケットでは現状維持のコンセンサスとなっているだけに、サプライズ好きの黒田総裁がこのタイミングで緩和に踏み切る可能性は低くはないような気がしています。
では緩和に舵を取った場合に日銀にはどのような戦略があるのでしょうか。
①マイナス金利
②量的緩和
③ETF買付
このあたりが予想されますが、まず、①のマイナス金利に関しては長期金利の低下から三菱東京UFJ銀行がプライマリーディーラーの資格返上を検討するなど副作用が大きいので拡大は難しいです。
②の量的緩和拡大もこれ以上のスピードで突き進むと取り返しがつかなくなると感じているはずです。そうすると残りは③のETFの買い付けとなり、現在の年間3兆円の買い付けから倍額の6兆円、もしくは3倍の9兆円まで拡大すればそれなりのインパクトはあるでしょう。
ただし、こちらも小規模拡充で終わるようであれば、日銀は金融政策の限界が意識されます。結論として現状維持ではもちろん円高に進みますが、大規模な緩和策がない場合も円高要因となる可能性も否めません。
英国の脱EUで、ポンド絡みは15〜20%下落か
さて、来週23日に迫ったBrexitですが、直近の世論調査は、離脱派が残留派を上回っており、マーケットは離脱に傾きつつあります。ロンドンのブローカーに話を聞いても離脱のモメンタムらしく、ディーリングルームでも離脱派が増えてきました。
仮に離脱した場合のシミュレーションですがポンド絡みでは15%~20%の下落が予想されます。
ポンド/円であれば120円~130円、ポンドドルであれば、1.1~1.2前後の下落は想定しておくべきです。
また、AI(人工知能)による大量の売り注文が出てくればポンド/円で110円、ポンド/ドルで1.0レベルもないとは言い切れません。そしてスパイク後は半値戻しのようなイメージを持っており、中期的にも不安材料通過でリスクオンとなり、円安株高からそれなりに値は戻すと予想しています。
また、残留・離脱に関しては予想はかなり難しいのですが、私は今のところ残留で決着すると思っています。
離脱した場合には再考の余地はなく、後戻りはできません。痛みが伴うとわかっていて離脱に1票を投じるリスクを鑑み、投票日には残留に投票する国民が増えるのではないかと考えているからです。
いずれにせよ23日の投票日に向けて世論調査に一喜一憂するボラタイルな相場が続くため、しっかりとしたポジション管理、リスク管理をしていきましょう。
ビッグイベント前はテクニカルポイントが機能しないことが多い
米ドル/円の短期的なサポートとしては先月の安値105.55円になります。しかし、ビックイベント前にテクニカルポイントは機能しないことが多く、参考程度にしておくべきでしょう。ボラタイルな相場の時は、チャートを見ながらプライスアクションになれることのほうが重要になってきます。
【ご注意】
※記載の内容は投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではございません。
※投資に関する最終判断は、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
※掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性、完全性を保証するものではございません。
※当サービスに基づいて被ったいかなる損害についても、トレイダーズ証券及び情報提供元、関連会社は一切の責任を負いかねます。
※いかなる目的を問わず本情報の複製、転送及び販売を固く禁じます。
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
---|---|
約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |