トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
9月米利上げの可能性は剥落
ファンダメンタルはここにきて大きく変化してきました。FOMCメンバーの相次ぐタカ派発言に9月利上げが意識されるなか、ブラックアウト入り直前で講演したブレイナードFRB理事の発言に注目が集まりましたが、結果はかなりハト派的な内容となりました。FRBが本気で9月利上げを織り込ませるにはここしかないというタイミングでしたが、失敗に終わっています。
FOMCまでに小売売上高や消費者物価指数などの米経済指標も控えておりますが、ここで良い数字が出ても9月利上げを正当化するまでにはならないでしょう。事実上、9月米利上げの可能性はないと考えられ、ドルは上値の重い展開が予測されます。
トランプリスクから円高を警戒
ここ数日、ワシントンポストやフィナンシャルタイムでも大きく取り上げられているのがヒラリー大統領候補の病状で、熱中症から脳梗塞まで色々な憶測が飛び交っています。真意のほどはわかりませんが、トランプ氏との支持率が再び拮抗してきており、トランプリスクが再燃する可能性が出てきました。
今のところマーケットではトランプ氏が大統領になることを織り込んでいません。当然トランプリスクが意識されれば、リスク回避の円買いが進むことは確実です。引き続きこの報道は継続すると思われるため、米ドル/円や他のクロス円では下値警戒姿勢を幾分強めておくのが賢明でしょう。
日銀次の一手はあるのか
現在米ドル/円の下値を支えているのは、来週20日から21日にかけて開かれる日銀金融政策決定会合での追加緩和期待です。今回は金融緩和策に対して「総括的な検証」を行うと宣言して注目されており、黒田日銀総裁も「量、質、金利」のいずれも追加緩和の余地は十分にあるというスタンスをとっています。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
まず量ですが、現在年間80兆円の国債買い入れをしています。どこかのタイミングでテーパリング(金融緩和縮小)を視野に入れなくてはなりませんので、これ以上の増額は副作用も強く、限界に近い状態だと思っています。
また、質に関してもETF増額の影響から、日経平均が下げるべき時に下げ渋るなど弊害も確認できています。最後に残ったマイナス金利深掘りが現実的な選択肢かと思います。しかし、マイナス金利を深掘りしても効果は限定的かもしれません。マイナス金利発表後に一時的な円売りが出ますが、前回のマイナス金利発表の時を考えると戻り売りのチャンスとなりそうです。
米早期利上げの後退と日銀追加緩和期待の剥落によって米ドル/円は値崩れを起こし、100円をターゲットとしたトレードをメインシナリオとしています。
強力なレジスタンスで戻り売りスタンス
引続き日足のトレンドライン(白)、75日移動平均線(黄)、一目均衡表の雲下限が強力なレジスタンスとなっているため、戻りを丁寧に拾っていければと思います。また、徐々に三角持ち合いを形成しておりこちらも教科書通りにいけば、下方向にブレイクしていくでしょう。
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