トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
2017年度が始まりました。本年度もより良いトレードの年で有りますようにお祈り申し上げます。
さてマーケットについてですが、トランプ政権への不透明感VS好調な米ファンダメンタル”といったアメリカの好悪材料が交錯してドル円の方向感が出せない状況が続いています。週末のイベントに備えて戦略を立てておきましょう。
米中首脳会談の値動きは限定的か
今週最大の注目は6日と7日に行われる米中首脳会談になります。
トランプ政権は先制パンチとして貿易赤字の原因を究明するとして中国側を牽制していますが、実際に会談の場では関税の引き上げなどは議題には上げず、友好的に終わるのではないかとの見方が多いようです。
ダウンサイドリスクも捨てきれず軸足はやや下向きにはなりますが、私も多くのアナリスト同様に大きな混乱にはならないのではないかと考えています。
また、金曜日に行われる米雇用統計も米6月利上げを意識するにはあと2回の雇用統計を消化する必要があり、今回の雇用統計が与えるインパクトは軽微で値動きは限定的になる可能性が高いのではないかと思っています。
世界的なリスクオフ地合いにドル円は下値を模索か
米中首脳会談などイベントに関しての値動きはある程度限定されるかもしれませんが、世界的なリスクオフムードからドル円、クロス円の上値は重くなりそうです。
まず、4月23日のフランス大統領選挙です。今のところサプライズはなさそうに思えますが、正直わかりません(Breixt,米大統領選も同じ空気でした)。不透明感がくすぶる中、選挙が近づくに連れてリスクへの警戒は高まるので瞬間的に円が買われる地合いは続きそうです。
加えて今朝も北朝鮮が弾道ミサイルを発射するなどアジアの地政学的リスクも無視できないほか、ロシアのサンクトペテルブルクでの爆発事件など現在がリスクオフであることは間違いないと思います。このモメンタムではドル円を積極的に買う雰囲気でもなく、戻りがあれば売っていくというスタンスに優位性がありそうです。
しかし、売りで突っ込みすぎるのも危険です。下値では良好な米ファンダメンタルがサポートする可能性が高く、米中首脳会談が終わるとリリーフラリー的なドルの買い戻しも予想されます。短期的に売り一辺倒とは考えにくく利益を細かく確定していきながら上昇余地の見極めがつけば再び売り場を探すのが得策と考えます。
FOMCメンバーのスタンスにも変化が
こちらは中期的な戦略ですが、FOMCメンバーのスタンスに変化がみられています。
NYのダドリー連銀総裁は3月30日に「インフレリスクは上振れしている」とのタカ派発言しておりましたが、翌日の3月31日には「引き締めを急ぐ必要がない」と一転ハト派的な発言をしています。一瞬同じ人物かと疑いたくなるほどの方向転換です。
また、セントルイスのブラード連銀総裁も「米経済が活発化しているように思えず、低成長モードにあり、予防的な利上げは必要ない」と述べるなどここにきてハト派発言が目立ち、3月の利上げから大きくトーンダウンしていることがわかります。
おそらく、FOMCメンバーも現状のトランプ政権の行方を計りかねているのだと思います。勝手な憶測ですが、上がりすぎたマーケットの米利上げ予想を少し修正する目的があるのかもしれなません。
一時は年4回の利上げを織り込みましたが、現在のコンセンサスは3回です。ここから年2回に修正されれば中期の下落トレンドは加速していくでしょう。
今週のテクニカル
トランプラリーの半値戻しが約110円付近(黄点線)にあり、当然ながら参加者から意識される価格となります。事実、先週はこの110円割れを2回、昨日も1回と計3回の110円割れをトライするもことごとく跳ね返すなど強固なサポートとして機能しています。下値で長いヒゲが3回も出ていることからも抵抗の強さがうかがえます。
ショートのプレイヤーであれば110円あたりは一旦利益確定の買いポイントになるでしょうか。ここから更に売りで突っ込むにはややリスクが高いようにみえます。仮に明確な110円割れがあれば追随でもよさそうですが、その場合は200日移動平均線(赤線)のさしかかる108.50円あたりまで意識はしておきます。
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