痛い目に遭わないと心底分からない
人間って実際に痛い目に遭わないと心底分からないというのを、FXで痛切に感じるのは「損切りをしないこと」です。評価損(含み損)は実損じゃないし〜、損切りをしなくても相場が回復したりすることもあるし〜、なんて希望的観測だけでは、いつか大きな損失が出てしまう可能性があります。
私は初心者のころ、損切りしなくて(できなくて)、評価損190万円まで抱えたことがあります。相場が戻るまで耐えに耐えた1年半は、いくら最終的に利益に転じたとはいえ、精神的なしんどさの面から全然割に合わないことを知りました。人間我慢が大事なのかもしれませんが、FXでは我慢は逆効果のような気がします。
投資ではどうしても儲けてやろうという気持ちが先に立ってしまいます。最初から損するためにFXをやろうなんて人はいるはずもありませんが、FXをやっていく上で損失を出すのは誰にとっても避けられない事実です。避けられない損失ならば、それが小さくて済むように心がけるしか方法はありません。
損切りは資金を守ってくれるもの
でもさ〜、「損切り」は損を切って実際の損失を計上するわけだから、やっぱり躊躇しちゃうんだよね、と思っているあなた。違うんです、発想を変えましょう! 小さい損失で終わらせて、余力を残してまたトレードできる“セーフティガード”なんですよ、損切りは。
損切りはやったことがないからやれないということもあると思います。つまり慣れていないから。以前取材した、ある個人投資家さんは、損切りの壁を乗り越えるために荒療治したそうです。自分の弱い心に挑むような感じで、あえてマウスをクリックして実行したら、“ああ、自分でもできるんだ”とホッとしたそうです。
別の個人投資家さんは、ポジションごとに口座をいくつも持っていて、強制ロスカットまで放っておいて、底をついたらその時点でゲームオーバーという形にしているのだそうです。強制ロスカットが究極の損切りなんですね。まあ、やり方はその人なりにいろいろありますから。
ロスカットの位置は自分の胆力で決める
初心者時代の原体験(トラウマ)が、損切りをしないとFXが続けられないことを学ばせてくれたおかげで、私の損切りルールは確立しました。現在はデイトレを中心にしていますので、その日のうちに損切りするという時間ルールにしていますが、最初はワントレードあたり定額(3万円以内)や総資金の2%で損切りということもやっていました。そして、エントリー後にOCO注文で機械的に利食いと損切りを入れていました。
私が損切りルールを決める際に考えたのは、自分の胆力。自分がどれくらいの損失だったら受け入れられるかです。まず再考したのは、取引金額。それまでは10万通貨単位の取引をしていたので、ダウンサイズしてトレードは1万通貨ですることにしました。
自分サイズの取引金額を導き出す方法として、レバレッジをかけた取引金額(円換算して100万円なのか1000万円なのか1億円なのかなど)を実際の金額(現金感覚)で使えるかどうかを目安にしてみるとピンと来やすいと思います。
例えば、自分は100万円だったら現金として使えるぞ。そして1万円の損失だったら許容できるけど、10万円はちょっとカンベンと思ったら、取引単位を1万通貨にすれば良いのです。自分の日常生活や金銭感覚を尺度にして考えると己の身の丈が分かります。
また、取引金額を小さくすると損切りが実行しやすいというメリットもあります。今では1、100、1000通貨単位でトレードできるFX会社もありますから、損切りに慣れるという意味でも小さい取引金額で最初はトレードしてみたらいかがでしょう。
人生と同じようにFXも続いていく
私はデイトレですから、損をしても得をしても、その日のうちに片を付けています。ですから損切りはそれで実行できてしまうのですが、自分は肝っ玉が小粒なのでオーバーナイトでポジションを持てないこともあり、デイトレに落ち着いたのです。
前述したように1年半大きな評価損を抱えていたときは、胆力云々以前に無知の強さ(?)みたいなものがあったようで、今考えると空恐ろしい…。今は、とにかく十分な睡眠も含めてFXで抱え込むストレスは最小限にするように心がけています。
損切りをやらないでいると損は膨らみます。本当にどうしようもないところに来て損切ったときには、損は大きなものになっていますし、精神的なダメージもそれに比例して大きくなります。その1回が致命傷でFXから退場という憂き目に遭わないとも限りません。それよりも余力を残して、ハイ次、と気持ちを切り替えた方がトレードには有利に働くと思います。相場は1回こっきりではありません。Life goes on(人生は続いていく)のみならずFX goes on(FXは続いていく)でもあります。
※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです
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