トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
リスクイベントに備えよう
今夜28:00のFOMCに始まり、明日12日は英総選挙、さらには15日に発動期限を迎える対中報復関税第4弾とリスクイベントを控えて神経質な展開です。
まず、今夜のFOMCですが、政策金利は据え置きが確実視されているため、注目は金利見通しを示す「ドットプロット」となります。前回の発表時点で来年の金利見通しの中心値は追加利下げなしでしたが、FOMCメンバーの見通しは分かれており、中心値が利下げに傾くようであれば、米長期金利の低下からドル売りが強まる場面が考えられます。また、パウエルFRB議長の記者会見も同様に来年の追加利下げが示唆されるか否かが焦点となりそうです。
一方、15日が期限の対中制裁関税第4弾ですが、ヘッドラインが二転三転しており、予断を許さない展開です。昨夜も米中交渉担当者は「米国が15日に予定している対中制裁関税第4弾の発動を見送る計画」との報道を受けてドル円は上昇しています。取り急ぎ対中制裁関税「発動延期」というヘッドラインがあればマーケットは好感しますが、延期はマーケットのコンセンサスでもありますので上昇トレンドを形成するような材料ではないでしょう。一方、仮に対中制裁関税「発動」となればネガティブサプライズとなり、ダウンサイドを大きく掘っていくことになります。
英総選挙は再び不透明感が
明日12日~13日にかけて実施される英総選挙は再び不透明感が漂い始めました。今朝発表されたユーガブの世論調査では保守党が前回調査の359議席から339議席と20議席減少しており、確実視されていた過半数の320議席獲得には疑問が残る結果となっています。
シナリオとしてはざっくりですが以下が考えられ、
保守党圧勝 → ポンド暴騰
保守党辛勝 → ポンド上昇後下落?
保守党敗北 → ポンド暴落
予想通り、保守党が過半数を獲得するにしても薄氷の勝利ではマーケットの織り込み具合を考えると、セルザファクト的な値動きが予想されます。また、テールリスクはダウンサイドにあり、今回の選挙でハング・パーラメント(どの政党も過半数を獲得していない状態)となれば3~400PIPS程度の下落があることも頭の片隅には入れておきたいところです(2016年の英国民投票と何となく似ている気がします)
どちらにせよ米中関税や、英総選挙といったボラティリティが上昇するイベントを控えており、資金管理、ポジションサイズには細心の注意を払っていきましょう。
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