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月足トレードで生きてます|第5回 豪ドル円・NZドル円のスワップポイントと月足トレード[ゆったり為替]

前回に続き、月足トレードを実践する際に「経済指標分析がいかに効果的であるか」ということを、ゆったり為替さんに分かりやすく解説してもらいます。今回取り上げるのは、豪ドル円とNZドル円のスワップポイントです。

ニュース5分に、チャート5分。トレード時間は計10分。
「月足トレードで生きてます」第5回目、さっそくご覧ください!

 ※この記事は、FX攻略.com2017年9月号の記事を転載・再編集したものです

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スワップ派は現在も機能しているかどうか

豪ドル円、NZドル円と聞いて思いつくことは何でしょうか? いくつかあるでしょうが、「買いの側のスワップポイントが大きい」という特徴を挙げられるでしょう。

2008年のリーマンショック後、各国の短期金利は大きく下がってしまいました。そのため、「円を売って外貨を買うことにより、毎日のスワップポイントを稼ぐというトレード手法(スワップ派)」は人気がなくなってしまったように見えます。

では、スワップポイント狙いのトレード手法はもう駄目になってしまったのでしょうか。ここで事実を確認しましょう。月足トレードにおいては特に、「過去どうだったか」という事実確認がとても大切です。

なお、スワップポイントの大きさはFX各社で異なります。そこで、公的な性質を有するFX取引所「くりっく365」が公開している数字で確認しましょう。

豪ドル円の毎年のスワップ獲得額は?

図①は、くりっく365で豪ドル円を1万通貨買って持ち続けた場合の、毎年のスワップポイント獲得額をグラフ化したものです。2008年のリーマンショック後に各国の金利は大きく低下しました。それを受けて、スワップポイント獲得額も次第に低下している様子が分かります。しかし、マイナスになった年がないことに注目できるでしょう。

年間合計でマイナスになったことはなくても、1日単位で確認したら、さすがにマイナスになった日があるかもしれません。ドル円やユーロ円では、しばしばマイナスになりました。

確認しましたところ、豪ドル円のスワップポイントがマイナスになった日はありませんでした。買って持つ、それだけで毎日のスワップポイントはプラスだったのです。

2006年~2008年に比べれば金額はかなり小さくなりましたが、スワップポイントを狙うトレードは完全に駄目になったというわけではないようです。

日豪政策金利の推移

では、将来のスワップポイントはどうなるでしょうか。これを確実に知る方法はありませんが、日本と豪州の政策金利を比較すれば、何となくでも見えてくるかもしれません。

というのは、スワップポイントは各国の短期金利差を基にして決められます。政策金利は短期金利に多大な影響を与えますので、政策金利の推移を概観すれば、スワップポイントのおおよその傾向把握に役立つでしょう。

図②を見て明らかなのは、豪州の政策金利の方が高いということでしょう。日本は0%近辺に張り付いています。このため、このデータから判断できる範囲においては、今後も豪ドル円を買えばスワップポイントがプラスになるだろうと期待できます。

ただ、豪州の政策金利が徐々に低下傾向にあるのが気になります。このまま低下傾向になるでしょうか、それとも反転するでしょうか。豪州の景気次第の面があるでしょうから、景気動向にも注意を払いましょう。

NZドル円のスワップポイントと政策金利

次に、NZドル円についても同様に確認しましょう。最初に、1万通貨買って持ち続けた場合のスワップポイント獲得額です。  

図③を見ると分かるように、豪ドル円以上に2008年までと2009年以降の差がはっきりしています。しかし、毎年プラスになっています。そして、毎日のスワップポイントを確認しても、マイナスに転落した日が1日もありませんでした。

そして、政策金利差も豪ドル円と同じような感じに見えます(図④)。ニュージーランドの政策金利が低下傾向にあるのが気になりますが、このデータから予測できる範囲においては、NZドル円を買うとスワップポイントは毎日プラスになると予想可能です。

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豪ドル円とNZドル円をいつ買うべきか

FXで利益を獲得するのは大変なことです。しかし、「過去の実績では」という条件付きながら、豪ドル円やNZドル円を買えば、スワップポイントが毎日プラスになると分かりました。では、今すぐに買ってもOKでしょうか。ここで、月足チャートの出番です。豪ドル円のチャート①を見ながら考えましょう。

 

2005年~2007年ごろ、スワップポイント狙いのトレードが人気を博していたと記憶しています。獲得できるスワップポイントがとても大きかったからです。

そして、2008年~2009年ごろ、そのトレード手法は大きなダメージを受けたようです。それはなぜでしょうか。チャートを見れば簡単に分かります。「急激に大きく円高になったから」です。

円高になると含み損になりますから、基本的には円安の方が望ましいです。しかし、相場は上昇することもあれば下落することもあります。どちらになるか、事前には分かりません。そこで、円高になっても大丈夫なように証拠金を入金して取引するのが基本でしょう。そうすれば仮に円高傾向になっても、強制ロスカットにならずに済むでしょう。また、毎日もらえるスワップポイントが積み重なれば、それが証拠金として働いてくれるので、円高への耐久力が上昇します。

しかし、2008年のリーマンショックほどの急落下があると、どうしようもないかもしれません。では、どうしましょうか。容易に見つけられる解決策は二つでしょう。

解決策① 月足チャートを見て円高のときに買う

円安のときに買うから、その後の円高で大変な目に遭うのかもしれません。ならば、円高のときに買えばいいのでは? ということです。円高になったときに買って、その後円安になれば、含み益とスワップポイント益の両方を得られます。この分析をするために、月足チャートは必須アイテムです。

解決策② レバレッジ設定を2倍以内にする

レバレッジを高くすると、円高になったときに一気に資金が目減りしてしまいます。それは強制ロスカットの危険を招くため、レバレッジは少しでも低い方が良いでしょう。しかし、レバレッジを1倍よりも小さくすると、何だか面白くないかもしれません。

そこで、最大でも2倍までの範囲で取引するのが良いのでは? と考えています(ただし、2倍ならば強制ロスカットにならないという意味ではありません)。

ローソク足の形はあまり気にせずOK

今回のスワップ派の場合、月足トレードの使い方は「現在値は過去数十年の中でどれくらいの位置にあるか」を確認するだけです。陽線だから、あるいは陰線だから…という話ではありません。

月足トレードをする際のチャート分析方法は、かなり大ざっぱにできるのが特徴です。そして、取引開始時期も大ざっぱ、決済時期も大ざっぱです。何しろ一つの足ができるのに1か月もかかりますからね。

ゆったり為替さんの月足トレードスタイル

売買スタイル

長期トレードとリピート系注文に力を入れています。週足から月足を使うトレードが中心です。

トレードのスケジュール

【午前6時〜7時ごろ】
NYクローズ後のニュースを流し読み(5分くらい)。その後チャートを確認(5分〜10分)し、スプレッドが狭くなってきたところで売買。トレードに要する時間は、1日10分〜15分くらいです。

【日中】
日中は、バックテストをしたり、経済指標の分析やFX各社のツールの研究をしたりします(時間は決めず、満足できるまで没頭)。これをトレードに含めるならば、かなり長い時間FXをしているということになります。

取引しているFX会社

用途に応じて多数。最も資金を投入しているのはセントラル短資FXで、スワップ狙いをしたり、実験的なトレードをしたりしています。

チャート分析の環境

セントラル短資FX「クイック・チャート・トレード・プラス」を使用しています。


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主にトレードする通貨ペア

20通貨ペア以上を取引対象としています。週足〜月足のトレードの場合、通貨ペアを幅広く確認しないと取引機会が少なくなるためです。

トレードスタイルのポイント

キーワードは「老後」「年金不安」。年老いて働けなくなり判断力が衰えてもなお、FXを収益源にできるか、ということに重きを置いています。

 ※この記事は、FX攻略.com2017年9月号の記事を転載・再編集したものです

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