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FX力を鍛える有名人コラム

私が得意な時間帯[高野まよ]

私が得意な時間帯[高野まよ]

FXは24時間世界中で取引されているからこそ、開いている市場による時間帯ごとの特徴が出てきます。得意な時間帯を見つけて取引することが大きな利益を得ることへの近道になります。今回はトレーダーの高野まよさんに、時間帯ごとの特徴と共に実際のトレード例を紹介していただきました。

得意な時間帯で取引を

 FXにかかわらず、何事においても人にはそれぞれ得意・不得意があり、得意なことにおける努力は不得意なことにおける努力よりも容易に行うことができ、良い結果に早くたどり着く可能性が高いといえます。FXにおいてトレーダーは「自分はこの通貨ペアとの相性が良い」「この市場だと勝率が高い」などの感情を漠然とでも持つと思います。今回は、主に取引の時間帯についての話をします。

各市場の特徴を知る

 私はスキャルピングにおいても、トレンドフォロー(順張り)をすることが多いです。「トレンド・イズ・フレンド」というジョージ・ソロス氏の言葉もあるぐらい、相場の世界ではトレンドに乗ることが推奨されています。順張りをするにあたっては、ドル円、ユーロドル、ユーロ円などのメジャーな通貨ペアが、取引量が豊富でチャート分析において正しいトレンドを把握することが容易です。

 次に、各市場の簡単な特徴を挙げます。冬時間で日本時間午前7時からの2時間はオセアニア市場のみの時間帯で取引量が他市場に比べて少ない、つまり流動性の低い市場です。そのため、少しの買いが出るとレートは大きく上昇し、逆もまた然りで値動きが荒くなることがあります。午前9時からの東京市場は仲値の決まる9時55分前後までは値動きが出やすいですが、その後11時以降は動きが穏やかになることが多いです。午後3時から4時にかけては、ロンドン市場のオープンに伴い、ポジション調整の動きが出てくるため、東京市場の動きとは逆方向で取引が始まることが多く見られます。例えば、東京市場でドル買いの動きが強かった日は、その日にできたドルロングポジションをいったん、ロンドン市場のオープンの時間で調整すべく、逆にドルが売られるという流れです。

 午後10時からのニューヨーク市場では、売買が最も活発になり、米国の経済指標発表や米株の値動きを受けた相場展開になったりします。また、オプション取引が活性化し、大きな値動きになることもあります。深夜1時ごろまでは短期的なトレンドが出やすい傾向にあります。

具体的な取引例

 私はどの時間帯でも取引をすることがありますが、午後10時から深夜1時ごろまでのニューヨーク市場が一番得意です。理由は5分足チャートにトレンドラインを引いて短期トレンドに乗る順張りトレードの手法が1番ワークする時間帯だからです。また、ボラティリティが他市場よりも高いことが多いので、時間あたりで考えてもより大きな収益機会につなげることができます。

ニューヨーク市場において上昇トレンドが続いた日のチャート

 具体的な取引例を紹介します。チャート①は、ニューヨーク市場において上昇トレンドが続いた日です。この日はニューヨーク市場開始後にロンドン市場後半からの上昇トレンドを引き継いでいるので、ニューヨーク市場が開いてから最初の下落後の反発箇所に上昇のトレンドラインを引きます。そして、そのトレンドラインにタッチしたところでロングエントリー。直近安値を損切りライン、直近高値を利確ラインとする取引ができました。

深夜0時の夏時間ロンドンフィキシングまでの上昇トレンドチャート

 また、チャート②は深夜0時の夏時間ロンドンフィキシングまでの上昇トレンド、その後の下落、再上昇、と三つの短期トレンドに分けることができ、それぞれにトレンドラインを引いた順張りトレードが可能です。トレンドライン入りのチャートに加えて、テクニカル、時間帯の特徴をつかむことで、さらに細かなエントリー、イグジットをすることが可能です。

東京市場のチャート一例

 一方、チャート③は東京市場の一例ですが、仲値後に下降三角もち合いを形成しており、方向感に欠ける状態です。東京市場の特徴として、値動きがチャート③のような形になることが多くありますので、仲値以降はロンドン市場までトレードをしないことが多いです。

生活スタイルに合った時間帯で取引をする

 デイトレ、スキャルピングをする場合は、各時間帯の特徴とご自身の生活スタイルを考慮して、取引時間を決めるのが良いです。また、逆張りが得意であれば、レンジ相場となりやすい東京市場で取引するなど、取引スタイルも考慮するのが良いでしょう。ずっとチャートを見続けることができない時間帯でも、事前にチャート分析を行い、戦略を立てれば、IFD注文を使って取引することができます。

※この記事は、FX攻略.com2019年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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