NY市場ではアグレッシブなスタンスが有効
私は、もともと、相場が下がれば売り、上がれば買うといったトレンドフォロー(トレンド追随型)のエントリーとか、あるいは、ストップエントリー(逆指値エントリー)で入るといったエントリー法を好んでいました。
なぜなら、相場に入る場合、やはり、アグレッシブ(積極的)なスタンスが大事だと思っていたからです。
こうした、アグレッシブなやり方は、ニューヨークマーケットのように、下げればさらに売り、上がればさらに買い上げるといったスタイルのマーケットでは、結構ワークします。
また、そのやり方でないと、流れに乗り遅れてしまうことも事実です。
なぜなら、ニューヨークは、ドルが基軸通貨のため、実需取引はほとんどドル建てのため、実需による為替が発生せず、為替取引の中心は投機であり、投機的にレンジブレイクを狙うことが多かったからです。
つまり、海外から高い水準でニューヨークに相場が戻ってきたら買い上げ、低く戻ってきたらさらに売るという、値幅を広げる方向に動こうとするマーケットでした。
トレンド相場かレンジ相場かを見極める
しかし、戻り売り、押し目買いでエントリーするのが一般的な東京マーケットでは、ニューヨークスタイルのアグレッシブなエントリー法ではうまくいくことは稀でした。
ただし、戻り売り、押し目買いも中途半端なところでエントリーすると、想定レンジよりもはるかにアゲンスト(不利)なところまで、相場がいってしまうことがあります。
そして、いつかまた想定レンジ内に戻ってくるだろうという、願いともいえる気持ちでポジションを抱え込んでいる場合がかなり多いように思われます。
こうしたことから、まず、いえることは、今の相場がトレンド相場か、レンジ相場かということを見極めることが必要です。
トレンド相場やレンジ相場でのエントリーの注意点
トレンド相場では、戻り売り、買い下がりは危険です。
ニューヨークスタイルのトレンドフォロー、あるいはストップエントリーで入ると、流れに乗りやすいといえます。
そのためには、ド底で売る、ド天井で買うことに躊躇してはなりません。トレンドに追随することで、チャンスが出てきます。
一方、ある一定のレンジのなかで上下動するレンジ相場では、戻り売り、押し目買いが有効と一般的にはいわれていると思います。
しかし、レンジ相場の期間のなかでも大きな部分を占めるのは、トレンド相場の後にやってくる、乱高下の時期です。
この時期に、中途半端なところから逆張りでエントリーすると突き抜けてしまい、思わぬ損失を被ることになります。
そこで、私がやっているエントリー方法を、お話ししましょう。
私のエントリー方法
まず、複数の移動平均線(5、10、25、90、120、200)でレジスタンスなり、サポートなりをチェックします。
たとえば、現状、「ユーロ/円」が134.30円近辺として、下げを狙おうとしているとします。
そのとき、たとえば、1時間足のチャートを見てみて、現状レベルより上にある、とくに、下向きの強い移動平均線を探します。
このとき、135.32円近辺に200時間移動平均線が下向きにあったとします(図)。
そしたら、このギリギリつくかつかないかわからない135.35円に売りの指値をして、待つことです。
現状水準では、つくのは難しいように思えますが、だいたいの場合、チャートの重要ポイントまで相場が近づいてくることは多いです。
そして、気持ちとしては、つかなくてもいいぐらいのつもりでやることが大切です。
そして、この指値がついたとしたら、確率高く、そのあたりが高値になることが多いですし、また延伸したとしても、もち値が良い分、耐えられるということです。
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移動平均線を正しく読む
このやり方で大事なことは、それほど難しいことではありませんが、正しく移動平均線を読むことです。
たとえば、レジスタンスとして見るのであれば、下降してきている移動平均線が強い上値抵抗線であり、また、サポートとして見るのであれば、上昇してきている移動平均線が強い下値抵抗線です。
そして、だいたいの場合、抵抗線を若干超すことが多いですから、抵抗線の手前でなく、少し後ろに置くことがコツです。
ただし、絶対にその抵抗線あたりで止まるという保証はありませんので、上げ局面で買いが引かない、下げ局面で売りが引かないときは、いったんポジションを手仕舞って、様子を見るということも大事です。
相場には、絶対に止まる、絶対に抜けるといった「絶対」はありませんので、執着せず、柔軟に対応することが大切です。
相場は、勝っても負けても、後悔は絶えないものです。気持ちを切り替えて、「相場はこれ一回限りじゃない」と思うことです。
※この記事は、FX攻略.com2016年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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