エントリーと決済はトレードの核心です。トレーダーは誰もが「どこでエントリーすればいいのか」、「どこで決済すればいいのか」をいつも考えています。トレードが上手くいけば、次はさらに欲が出て利幅を広げたくなりますし、損をすれば理由を検証します。これをずっと続けるのがトレーダーという仕事だと思います。
わかりやすい相場
相場は素人でも勝ちやすい場面を提供してくれることがあります。これはトレンドが明確な上昇相場と下落相場で、昨年からのアベノミクス相場ではドル円が明確な上昇相場で取引しやすい相場でした(図1参照)。
上昇相場は誰もが買っているから上がり、下落相場は誰もが売っています。この波にうまく乗って順バリし、欲張らなければ、素人でも確率高く利益を上げることができます。ただ、上昇相場のなかにも押し目があり、押し目と思ったら下げてしまうことがあるので、そうした場面の見極めと資金管理が重要となります。私はマーケットの流れを見つけるために、7本の移動平均線を表示していて、この7本が虹のように描かれるときは、トレンドが視覚的になります。
しかし、トレンドは永久に続くわけではありません。「ドル/円」でいえば、5月以降は7本線の虹が乱れて方向性が弱くなっています(図1参照)。損をしやすいのがこうしたトレンドが乱れた相場です。トレンドの勢いが弱まり、方向感がなくなりつつある動きのなかでは、これまでのトレンド方向では値が伸びず利益が乗りにくくなってきますし、かといって逆方向も上手くいきません。こうした場面で手を出すことを控えるためにも、7本のラインとロウソク足でマーケットの動きを細かく見ることが大事だと思っています。
なお、虹色FXの設定やエントリー、損切り、利確など基本的な使い方などの詳細は、本誌2010年1月号から2011年1月号で詳しく掲載していますので、ご興味のある方はバックナンバーをご覧ください。
エントリーがすべて
トレードの成否はエントリーにあります。エントリーと決済のどちらが重要かと問われれば、エントリーと即答します。決済のポイントは、利確でも損切りでも状況に合わせて変更ができますが、一度エントリーした建値は変更できません。ポジションに利益が乗れば損切り注文を建値以上に移動して損失を回避しつつ、利益だけを追求できますが、建値は動かせません。いいタイミングでエントリーすれば、すべてが上手くいきますが、ここを間違えると、後からどうすることもできません。
私はエントリーの目安として5EMAを使っています。これは虹色の7本の移動平均線のひとつですが、マーケットは通常この5EMAに沿って動く傾向があります。このため、急に相場が動くと、ロウソク足は5EMAから離れてしまい、この勢いに釣られてエントリーすると、高値買いや、安値売りになりかねません。5EMAでは、こうした飛び乗りを防止することができると思います(図2参照)。
また、7本の移動平均は設定順に並ぶ必要があります。順番が違って、虹が乱れてきた押し目や戻りから、再び虹が現れるタイミングがトレンドの再開になりやすく、エントリーの好機です。この場合は、押し目や戻りで損切り位置も明確になっていて、マーケットに入りやすいですし、大きな方向がわかっているので、利益を取り易い場面だと思います(図3参照)。
ただし、より長い時間軸できれいな虹がでて、強いトレンドがあることが前提になります。もし、上位の時間軸も虹が乱れているようなら、大きな転換の可能性があるので、注意しなくてはなりません。
決済はどうする
場は損小利大といいますが、損をしたときにその理由を検証することが大事です。「勝に不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」といいますから、負けたときこそ何が悪かったのかを厳密に見つめなおすことが大事です。「不思議の勝ち」はどうでもいいですし、利確は贅沢な悩みなので何とでもなります。問題は損切をどうするか、いかに損を少なくして決済するかが、収益アップのコツではないでしょうか。
その意味でも、大きな流れの押し目や戻りを越えた場合の損切りは、相場が転換する可能性を示しており、合理的な損切りポイントだと思っています。また、利確も同様に虹が乱れ始めれば、トレンドが続かなくなる可能性が出てくるので、もっとも短い5EMAが次の10EMAをクロスするようなら利確を考え始めてもいいと思います。
もし、もっと伸びると思うなら、一度利確したうえで、再び虹が現れてから改めてエントリーしてポジションをつくればいいわけで、リスクを減らし、目の前の利益を確実に取ることが大事だと思っています。(月刊FX攻略.com 2013年11月号掲載)
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