小誌でもすっかりおなじみのカリスマトレーダー鳥居万友美さん。そして、豪ドルつかいのスーパーママさんトレーダーののりたまさんが対談。FXの世界へ入るきっかけからトレードの自分史、そして、取引手法までを熱く、濃く語り合った。
2人に共通するのは、女性の感性で自分の手法を発見し、チャートに美を感じることでトレードが上達したこと。会話を楽しみながら読み進むうち、知らず知らずにトレードの勉強になってしまうのが不思議だ。
写真:右が鳥居万友美さん、左がのりたまさん
最初はキャッシュバックにひかれて
鳥居 FXを始めた時期ときっかけを教えてください。
のりたま 2009年6月です。リーマンショック後の相場回復の時期ですが、何もわからないので、とりあえず買いから始めたんです。そのころ、FX会社がキャッシュバックをやっていて、専業主婦だった私には1万円でも嬉しいので、キャッシュバック狙いで口座をつくって、初取引しました。最初はパソコン画面でちかちか光るレート表を見ながら、どこをどうすればいいかわかりませんでしたね。
鳥居 最初は「米ドル/円」からですか。
のりたま 叔母がニュージーランドに住んでいたことと、NZドルが59円ぐらいで安いと感じたので、とりあえず「NZドル/円」を買いました。
鳥居 そのポジションはどうなりました?
のりたま 4日後に見たら80pipsのっていたんですよ。あれえ、増えているって(笑)。元金6万円で8000円の利がのっているので、恐る恐る決済して、儲かってからもうやみつきに……。
鳥居 私も最初は「米ドル/円」とクロス円のロングから入って、何もわからず、下がってきたらとりあえず買って放置というカンジでした。06年にFXを始めたんですが、当時はそんな取引をしている人が多くて、一気に円高になったときに、強制決済で大損……みたいな人が多かったですね。そういう経験はありますか?
のりたま そういう経験ばっかりでした(笑)。適当に買って放っておくと、ロスカットになっちゃって、資金を追加してなんとかしのいでも、余裕がないから身動きがとれない。だから、1000通貨とか3000通貨とかに減らして、毎日楽しくやっていました。
鳥居 そのころはデイトレですか。
のりたま デイトレです。デイトレかスキャルかもしっかり把握してなくて、チャートも見ないでプライスだけで取引していました。
最初は損切もしなかった
鳥居 損切りはしなかったんですか。
のりたま 損切りはしなかったですね。しかも、ショートの意味がよくわからず、ひたすら買うだけの繰り返し。
鳥居 そのままのスタイルだったら、今まで生き残ってこれなかったと思うので、どこかの時点で変化のきっかけがあったと思うんですが、それはいつ、どんなタイミングで訪れたんですか?
縛下げのなかで自分の意思で初めて売りをかける
のりたま その後、ドバイショック(注:09年11月のドバイ政府の信用不安で急激なドル安となった)で真っ青になりました。娘とディズニーランドでご飯食べていたら、ガラ携でチャートを見るたびに、NZドルがどんどん落ちていって、ご飯の味もしませんでした。これで初めてお金をなくすかと思って、怖かったです。ちょうど20万通貨ぐらいロングをしていたんです。
家に帰ってきて、チャートを見たら、まだ落ち続けていて。マイナスになっているので、必死で両建てをしたんです。初めて自分の意志をもってショートをしたんです。結局、明け方ぐらいまでショートをしては利確をして、というのを繰り返して、落ち着いたのが明け方4時で、気づいたらその日42万円のプラスになったんです。
のりたま さすがに身体も精神もへとへとになって、もうこんなのはごめんだと思いましたね。この経験から、損切りの大事さを知って、ロングの持ち放しはだめだということを痛感しました。
鳥居 大変な経験だったと思いますが、そのことがあって、ちゃんと勉強しようと意識が変わったわけですね。
のりたま その頃から、鳥居さんのFXノートとかを参考にするようになりました。ディズニーランドへいくときでも持参するほどで、記録もつけながらFXをすごくやっていました。こんな華麗なトレードしている人がいると思い、自分だけではだめだと、鳥居さんの「美女の会」に登録し、勉強会に参加させていたきました。
負けた理由を考えるとルールができる
鳥居 ルールがないってことは、その場、その場の思いつきとか感覚でトレードしているわけだから、なかなか厳しいですよね。私は勝ったときも負けたときも、記録をつけていますけど、継続して記録をとっていると、案外同じような失敗を繰り返していることがわかるので、同じ失敗を繰り返さないためにどうすればいいか考えますよね。逆に、うまくいったときは何が良かったのかを見直すと、このケースって確か前もうまくいったっけ……などと、いろいろ気がつくんです。それが自分のルール構築に繋がっていく。記録がないとだめですね。
のりたま 負けたケースと同じことしないようにするためということですよね。なるべく資金を減らさないようにするという考え方ですね。
鳥居 記録をとっていないと、気づきが遅れますよね。その後、具体的にどんな勉強を始めたんですか。
のりたま 最初は、FXをやるにはテクニカル、経済ニュース、MT4とかすべてを知らなければわからないと思いました。しかし、勉強しても経済指標が市場にどう影響して、それをどうトレードに生かすかがわからない。
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RCIと出合って好きになって
のりたま そのころ、買われすぎ売られすぎを判断するRCI指標が注目されていたので、それを見てやるようになったら楽になって。
鳥居 RCIは今も使っていますか。
のりたま 今も使っています。いろいろな指標があって、全然わからなかったし、指標がきれいとも思いませんでした。でも、鳥居さんとこで見たRCIがすごいきれいだったので、そこからRCIを見続けて、今もすごい好きです。
鳥居 私もRCIが大好きで、RCIなしではトレードできないというぐらいなんです。
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見続けたNZドルから豪ドルに絞る
鳥居 今もNZドルで取引してますか。
のりたま 今はNZドルよりスプレッドが狭くて、値動きも大きいし、約定しやすい豪ドルだけに絞っているんですが、相性がよかったのか、短期でとったり、長期でとったりです。
鳥居 「豪ドル/円」一本に絞ったのは何時ごろからですか。
のりたま 東日本震災の暴落(注:2011年3月11日)のあとの夏ぐらいからです。あの暴落で、一時期、やる気が出なかったんですね。そこで、NZドルに近い豪ドルに絞ってみようと。NZドルよりスプレッドが狭かったし、NZドルを見続けてきたから共通点が多いし、しかも、値動きも大きいんです。あるとき介入があって、ドーンと久しぶりに取れたのが本当に楽しくて、肩の力が抜けたんです。結果的に相性がよかったですね。
鳥居 チャートはローソク足とほかに何を使っていますか。
のりたま 移動平均線を3本です。
鳥居 パラメータは?
のりたま 21、75、200で、RCIが9、26、52です。週足と日足はほとんど頭に入っている状態です。エントリーするかしないかは値段で決めるんです。自分の期待する価格に近づくと、チャートを見てエントリーのタイミングを決めるんですね。
鳥居 価格重視なんですね! ロットはどれくらいですか。
のりたま 2枚から始めて、動きが出たら積んでいって、最大10枚まで積みます。今は動きがないので、大きく積めません。
鳥居 のりたまさんの典型的な1日の過ごし方をお聞かせください。トレードをどのように生活に取り入れていますか?
のりたま 朝9時に「米ドル/円」が動くと豪ドルが動くので、見ます。オーストラリアは10時半とかに指標が出て動きます。午前中は注目です、中国の指標とかも出るので。上がれば下げを狙うとか。うまくいけば午前中にトレードが終わることが多いですよ。ポジションをもったままになると、夕方のロンドンの動きを見て、トレードするかどうか決めます。夜はまずやりません。
鳥居 子育て中にはピッタリのスタイルですね! チャートで一番先に見るのはどの足ですか?
のりたま だいたい60分足ですね。そこから時間足を切り替えたりしながら見るんです。4時間とか2時間とか。50を基準にして動きを見て、売りか買いか決めていく。時間的には9時、9時半、10時、10時半というように、節目を見ながらです。
FXに出合えた幸せ
鳥居 私は「自分で自分を雇用するチカラ」を身につけるのが、これからの時代を不安なく生きるために必要だと感じているのですが、のりたまさんは、女性の経済的自立についてどう思われますか? FXに出合えてよかったですか。
のりたま 本当によかったです。家庭ではシングルマザーとして小学生の娘を育て、トレードだけではなく、FXの講師とてセミナーをさせていただくようになったり、好きな料理で皆さんと交流したりして、たくさんの方と出会い、世界が広がりましたから。FXに限らず、自分でお金を生み出すことができれば、世界が広がると思います。
鳥居 本日はありがとうございました。
(収録日:2014年7月9日)月刊「FX攻略.com」2014年10月号掲載
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
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