トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ドル円は米中貿易摩に収束が見られないほか、昨夜トランプ大統領が「FRBがやっていることは好きではない」と発言したことからリスクオフの展開となり、112.87円まで下落しました。また、11月6日に米議会の中間選挙を控えてトランプ節が加速する可能性もあります。さらにはイタリアの来年度予算案の行方、英国のブレグジット交渉など波乱材料は多く、週末に向けてニュースヘッドラインには警戒が必要になります。
米ファンダメンタルは盤石!ドル円は底堅い展開を予想
11月6日に米議会の中間選挙を控えており、下院では民主党優勢の報道が多くなってきました。こうなるとトランプ大統領が選挙に向けて保護主義的な発言を加速する可能性は否定できず、その都度リスクオフにさらされるかもしれません。また、来週にも米財務省が議会に提出する為替政策報告書で中国が為替操作国と認定される可能性もあり、米中貿易戦争のほか、米中通貨安戦争も勃発すればこちらもドル円にとってネガティブな材料となります。
とはいえ、安全通貨のドルと円は同じ方向に動くため、方向感は出にくくなるので、このまま一方的に下げ続けるとは思えません。短期的には明日のNYオプションカット113.00円を軸に50PIP前後のレンジを想定しています。また、米ファンダメンタルは盤石で米独り勝ち時代であることは疑いようもなく、中期的にみれば上昇余地は十分残されていると見ています。
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ユーロ、ポンドは引き続き警戒を
毎年恒例ではあるものの、イタリアとEUの財政問題をめぐる非難の応酬は激しさを増しております。今は終息を待つしかありませんが、当面はイタリア関連の材料には大きく反応するため、引き続きヘッドラインに警戒するしかないでしょう。
また、ポンドは昨日「EUと英国は15日までに離脱条件が決着する可能性」との報道から買われましたが、この2週間ほど報道によって一進一退の状況が続いており、まったく先が読めない状況です。どのようなブレグジットになるかはわかりませんが、期限が迫るなか、どちらにしても急展開が予測され、マーケットは都度振らされることになります。現段階では予測が困難であり、どちらにでも動けるように柔軟姿勢で臨むべきだと思っています。ただ、ポンドのチャートを見ると8月半ばから買戻しが優勢となっており、マーケットは何らかの合意を取り付けるとみているようで、逆にノーディール(合意なき離脱)となった場合のダウンサイドは相当深くなると考えておくべきでしょう。
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