トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ブラックアウト前の要人発言は如何に
マーケットは米中通商協議の部分合意を好感してリスクオンとなっており、昨日はドル円も108.90円付近まで上値を拡大しています。しかし、米中通商協議も米国側では中国が米国産農産品を500億ドル相当購入するとの報道をしていますが、中国側では米国に対する報復関税を維持する限り、年間500億ドル相当の米国産農産物の購入は難しいとの報道もあり、引き続きヘッドラインに振らされる展開となりそうです。
そうしたなか、10月30日のFOMCを控えて本日は米小売売上高の発表が予定されています。月末のFOMCまでに発表される米重要指標は少なく、米小売売上高の結果は利下げの有無を決める材料として注目度は高いと言えるでしょう。また、本日は複数のFOMCメンバー発言も予定されており、ブラックアウト期間(政策決定に関与する者の発言を禁じる期間)を来週に控えて利下げをめぐるヒントを探ることになります。CMEのFedwatchが示す次回FOMCでの政策金利に対する市場の期待度は0.25%引き下げが約77%、据え置きが約23%となっており、現在のところ連続利下げを織り込みつつありますが、本日の結果や発言次第では大きく変わってくるだけに注視したいところです。
合意なき離脱は回避!?
ポンドはEU離脱協議の合意を巡り神経質な展開です。本日も17から18日に開催されるEU首脳会議を控えてブレグジットに関連する要人発言に大きく振らされる展開が予想されます。マーケットはEU首脳会議でブレグジット案が合意するのではないかとの期待感が漂っていて「合意なき離脱」の可能性が剥落している状況下でポンドは押し目買いに優位性がありそうです。ただし、今年5月以来の高値水準まで急ピッチで上昇している状況であることから、期待感が後退した場合の急落も頭に入れておかなければなりません。
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