トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
米金利主導のマーケットが続く
米長期金利上昇は落ち着きを取り戻しつつありますが、米金利主導のマーケットはもう少し続きそうです。昨日2日のブレイナードFRB理事は「債券市場(米長期金利)に注意を払っている」と発言するなど金利上昇へ牽制を入れており、今後の当局者発言は神経質にならざるを得ません。そうした中、本日3日はアトランタ、フィラデルフィア、シカゴの米連銀総裁発言が予定されているほか、明日4日もパウエルFRB議長の発言が予定されており、米金利は敏感に反応しそうです。
また、今週は多数の米指標発表が予定されております。本日3日はADP全国雇用者数とISM非製造業景況指数があり、明後日5日には米雇用統計とビックイベントが続きます。米インフレ懸念も高まっているだけにこれら米経済指標も米金利に直結しており、目が離せません。
先週のように米長期金利が1.5%を超えてくる場面では、欧州や資源国といったリスク通貨は売られる可能性は高く、その準備だけはしておかなければなりません。
米金利次第だが安定してくれば
米金利が安定してくるようであれば、クロス円の買い意欲は強いとみています。特にワクチン接種で頭一つ抜けているポンドや、他国に比べて経済指標が改善している豪ドルは買っていくオペレーションを考えています。
一方の円は今月19日に日銀金融政策決定会合ではマイナス金利の深堀の可能性が示唆されているほか、日本はコロナウイルスのワクチン接種が他国に出遅れていることが円安要因となります。割高ではありますので、高値を掴みたくない場合は押し目を待つ戦略でもよさそうです。
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