トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
エルドアン大統領に振り回されるトルコリラ
本日の早朝6時にエルドアン・トルコ大統領が「我々は金利を引き下げる必要がある」と発言したことでトルコリラ円は12.80円から12.40円まで急落しました。エルドアン大統領の政策金利引き下げに関しては今に始まったことではありませんが、ニューヨークの取引終了後という流動性の低い時間帯だったため、瞬間的にクラッシュが起きてしまいました。
エルドアン大統領の中央銀行総裁人事には自身の金融政策を行うハト派を適用しており、総裁も数か月単位で解任を行っています。エルドアン大統領は政策金利を下げることでインフレ率上昇にも歯止めがかかるという理論を固持しており、市場はそれに振り回されています。再来週17日にトルコは中銀の政策金利発表を控えますが、今回のエルドアン大統領の発言からトルコリラは利下げを意識した展開は避けられないでしょう。
クロス円を物色するのが合理的
重要指標では昨日米ISM製造業景気指数が発表され結果は61.2と市場予想を上回ったものの、ドル円の方向感は定まっていません。今週末のパウエルFRB議長の発言や、米雇用統計を控えてやや様子見ムードもあるのでしょう。
米重要イベントを控え、無理にポジションを傾ける必要はありませんが、テーパリング(量的緩和策や金融資産の買い入れを減らしていくこと)の進捗具合で見るとクロス円を物色するのが合理的な考え方です。テーパリングは、カナダが一歩抜け出しているのですが、カナダドル円は既に500pips近く上昇しており、高値で突っ込みたくはありませんので、深く押す場面を待って拾っていきます。また、テーパリング競争で2番手につけるニュージーランドドルやポンドの堅調地合いは維持されており、上値余地は無視できない状況と考えられます。対円でのロングを検討できるのではないでしょうか。
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