トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ドル円は速度調整?
足もとの米経済指標をみると先週末の米雇用統計、今週月曜日のISM非製造業景気指数といい数字が並んでおり、米景気回復の力強さが確認できます。しかし、マーケットは良好な米指標にドル高では反応しておらず、逆にドル高のエンジンとなっていた米長期金利が1.7%台を天井に軟化するとドル円もつられて109円台まで反落する形となっています。また、ドル円は年初来、急ピッチで上昇していただけにテクニカル的にも速調整が入りやすい局面になっていたのかもしれません。目下のところドル円はどこまで下値を拡大するか確認する作業が必要になりそうです。
今夜のメインイベントはFOMC議事要旨
そうしたなか、本日27時にFOMC議事録が公開されます。本日発表分は3月16-17日開催分で、FOMCが経済見通しの大幅上昇修正を行った回となります。可能性は低いですが、万が一テーパリング(資産購入の段階的縮小)をにおわせる展開があれば、ドルは急騰しますので警戒は怠れません。しかし、特段サプライズがなければ今のドルを取り巻く環境を考えると参加者の目線はダウンサイドに行きやすいように思います。
買い場を探しとなるか
米長期金利次第のところはありますが、ドル円は調整色が強くなっており、積極的に買い進む場面ではなさそうです。ポンド円を見てもワクチン接種が進んでいたことが好感され一時153円台まで買われていましたが、昨日は特別な材料もなく、利益確定の売りに押され151円台迄下落しています。あしもとは速度調整の局面であることは間違いなさそうです。
しかし、全体的に見ればリスクオンの地合いのなか、ドル円、クロス円をショートしていくにも少し抵抗があり、一旦ポジションはスクエアにして様子を見ます。そしてここからさらに深い押しが入る展開があれば、買い場を探しても悪くないように思います。
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