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ニューヨーク市場での取引方法を公開|現役為替ディーラーが本音で語る 第42回[井口喜雄]

ニューヨーク市場での取引方法を公開|現役為替ディーラーが本音で語る 第42回 [井口喜雄]

日本での生活を基準にすると、ちょうど就寝前〜就寝時間と重なってしまうNY市場。そんな関係から、あまり詳しく知らない、トレードはしないという人も多いようです。しかし、基軸通貨である米ドルが中心となる市場ですから、その動向を知ることは重要です。果たして、どんなポイントに着目すれば良いのでしょうか?

NY市場の特徴とは?

突然ですが、ウェリントン、東京、シンガポール、ロンドン、ニューヨーク(NY)の順番は何を意味するか分かりますでしょうか。正解は為替マーケットの1日の流れです。

為替ディーラーは月曜のウェリントンオープンから土曜のニューヨーククローズまで24時間、マーケットと対峙しています。この24時間眠らないマーケットの中で、日本時間が真夜中となるNY市場については、皆さまの馴染みも薄いのではないでしょうか。今回はこのNY市場を攻略するため、時間帯ごとの特徴や取引方法についてお話ししてみようと思います。

読者の皆さまはNY市場にどのような印象をお持ちでしょうか。世界的にも影響力の高い経済指標が発表される他、世界一の規模を誇るNYダウ、債券、商品、金利がさまざまな要因でダイナミックな値動きをします。

ボラティリティが高く、材料も豊富なため、何を見て取引をして良いのか分からなくなることもあるかと思います。このNY市場ではどのようなポイントに気をつけて、取引に臨めば良いのか考えていきましょう。

経済指標を攻略(21時〜0時)

NY市場で最も値動きの激しい時間帯が21時〜0時です。この時間帯は米系ファンドなどの巨大プレイヤーが参入してくる他、欧米の経済指標が多く発表されます。中でも米国の雇用統計などは有名で、皆さまもご存じかと思います。その他にも国内総生産(GDP)、消費者物価指数、小売売上高など数多くの経済指標の発表があり、値動きが活発になります。

ただし、これら経済指標の発表前にポジションを持つことはあまりお勧めできません。発表前にエントリーして思惑通りに反応すれば大きな利益を得ることができますが、一方で思惑が外れた場合の損失が大きく、投機性の高い勝負となってしまうからです。

経済指標の数字を予想することよりも、発表後のシナリオをイメージしておいて、慌てずに対応しても遅くはありません。マーケットは発表された指標結果を基に現在のレートを徐々に修正していくため、指標発表後からでも十分に利益を取りにいけるのです。

つまり、経済指標発表前に情報やシナリオをどれだけ持っているかが、勝負の分かれ目となるのです。勝負は指標発表後です。

また、大手ヘッジファンドでは、経済指標内容の結果を瞬時に読み取って注文を出すアルゴリズムが組み込まれています。個人投資家の皆さまが内容を判断して注文を出したころに、アルゴは2歩も3歩も先に進んでいます。指標発表直後のスピード勝負ではアルゴに勝つことはできないということも、覚えておかなくてはなりません。

ロンドンフィックスは相場の転換(0時〜3時)

日本時間の0時を回ってくると指標発表も少なくなり、NYオプションカットや債券入札など、NY市場は新しいステージに入ります。この時間帯で一番のイベントはロンドンフィックスです。

ロンドンフィックスとは、対顧客向けの基準レートを決める時間で、東京市場でいうところの仲値にあたります。その日の両替のレートや、多くの企業が採用する決済取引レートとなるため、さまざまな思惑から値動きが活発になります。大きなニュースや経済指標がなくても動きやすく、特に月末や期末などは大口の売買が入るためチェックをしておかなくてはなりません。

ロンドンフィックスは日本時間1時(夏時間0時)に価格が決まりますが、その前後1時間くらいは値動きが活発になります。もちろんロンドンフィックスでは買われるか売られるかは分かりませんが、特徴としてその日のNY時間の流れを決めることがとても多いです。

私はロンドンフィックスをNY市場の相場転換点と捉えています。ポジションを持っていればその日の決済タイミングとして、ポジションを保有していなければエントリーポイントとして最適な時間帯となるのです。

ポジション調整を見極めよう(3時〜6時)

日本時間3時を回るとNY市場の取引参加者は減少し始め、流動性が極端に低下していきます。低い流動性を狙った仕掛け的な値動きが散見されることもありますが、基本的には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催でもない限り穏やかな相場になります。

また、この時間帯の特徴として「ポジション調整」という動きがあり、市場参加者が1日の中で積み上げたポジションを決済することで、相場が反発(あるいは反落)します。例えば上昇トレンドであれば買いポジションがたまっているわけですが、このポジションが調整(決済)されれば下落するというものです。そしてこのポジション調整が1日の終わりであるこの時間帯に行われやすいという考えです。

しかし、実際のNY市場ではクローズまで同一方向の動きとなる傾向があり、高値引けや安値引けをよく見かけます。もちろんポジション調整の値動きはあるのですが、使える局面は割と限定的です。土日にポジションを持ち越したくないので金曜日に調整が入る他、翌日にビッグイベントを控えているときなどに限定されます。

アナリストのレポートなどでは「ポジション調整で反発(あるいは反落)」といった記事をよく見ますが、他にこれといった材料が見当たらないときなどに使われることが多く、真意の程は確かではないのです。安易にポジション調整を狙った取引は危険だということは覚えておいてください。

 

駆け足でNY市場の特徴と取引方法についてお話しをさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。NY市場は高い流動性を背景に厳しくも大きな利益を見込める魅力的な市場です。たまに夜更かししてNY市場で取引してみてはどうでしょうか。

※この記事は、FX攻略.com2017年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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