雨夜恒一郎

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    2014年11月17日
    増税先送り・解散総選挙なら120円が視野に入る![雨夜恒一郎]
    前回の当コラムでは、米国雇用統計の弱めの結果を受けて、「米ドル/円」は調整局面に入ると予想した。 確かに、翌月曜日に「米ドル/円」は113円台まで下押ししたが、すぐに切り返し、金曜日には一気に116円台後半と、2007年10月以来の水準まで急騰。 調整局面は最短・最小限で終了した形となった。材料となったのはいうまでもなく、消費税増税先送りと衆院解散・年内総選挙の観測だ。 主要メディアの報道によれば、安倍首相は、景気の回復に足踏みが見られることから、来年10月に予定される消費税率の10%への引き上げを先送りし、国民に信を問うため衆院を解散する意向を固めたようだ。 消費税引き上げの是非については、月曜日に発表される7-9月期GDP速報値の結果と、火曜日に開催される有識者会合(消費増税の影響に関する点検会合)最終回の答申を踏まえて判断することになっているが、GDPの予想コンセンサスは前期比+0.5%程度と、消費税増税で落ち込んだ4-6月期のマイナス分(-1.8%)を補えない見通しで、増税の先送りを決断するに十分な材料となる。 「増税が先送りされれば財政再建路線の後退と受け止められ国債が暴落す…
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    2014年11月10日
    米国雇用統計で高値づかみのジンクス再び?[雨夜恒一郎]
    先週は、米国中間選挙で(株式市場に優しい)野党共和党が上下両院を制したことや、米国10月の雇用統計に対する期待が高まったことから、「米ドル/円」は一時、115.59円と7年ぶりの高値を示現した。 しかし、金曜日に発表された雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)が+21.4万人と予想の+23.5万人を下回ったことから、114.26円まで反落した。 もっとも、NFPは8月分と9月分が合計3.1万人上方修正されており、トータルすれば+24.5万人と予想を上回っている。 また、失業率が5.8%と前月から0.1%改善する一方、労働参加率が62.8%と前月から0.1%上昇するなど、評価すべき点もいくつかある。 しかし、事前の上振れ期待が大きかったため、ドルがさらに上昇するためのハードルが高くなっていたようだ。 過去の経験則では、「米ドル/円」は米国雇用統計前後に当面の高値をつけることが多く、今年は先月までの10回のうち実に8回が高値づかみとなっている。 雇用改善に対する期待が先回りしすぎる結果、強い数字が出てもインパクトが弱くなってしまうためだ。逆に、弱い数字が出た時の失望感が大きくなることはい…
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    2014年11月3日
    ドル高と円安の歯車が噛み合い115円を目指す展開へ[雨夜恒一郎]
    先週は劇的な一週間だった。まずFOMC声明が労働市場をめぐる判断を引き上げ、景気回復への自信を示すなど予想よりタカ派的な内容となったことを受けて109円台を回復。 次に日本のGPIFが運用比率の見直しを発表するとの報道を受けて株高・円安の展開となり、109円台ミドルへ上昇した。さらに金曜日には、日銀金融政策決定会合が質的・量的緩和の拡大を決定したことを受けて円売りが殺到し、一気に112.48円まで急騰した。 「米ドル/円」は2008年のリーマンショック直前の高値をついに突破し、NYダウは17390ドルと史上最高値を更新。シカゴ日経平均先物は7年ぶりの1万7千円台をつけている。リーマンショックの呪縛から解放され、市場全体が新たな強気サイクルに突入した可能性が高い。 とくに、「米ドル/円」は、米国の金融政策正常化を背景としたドルの信認回復と、株高を背景としたリスク選好型の円売りの二つの歯車がガッチリ噛み合うことにより、上昇が加速する可能性が出てきた。 FRBが予定通りQEを完全終了し、出口戦略を一歩推し進めるのに対し、日銀は資産購入額を従来の年間60〜70兆円から80兆円に拡大し、バランス…
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    2014年10月27日
    FOMCはどちらに転んでもドル上昇か[雨夜恒一郎]
    前回述べたとおり、先々週の米国株とドルの急落はいわゆるセリングクライマックスだったようだ。先週NYダウは史上最高値からの下落幅の半分以上を取り戻し、「米ドル/円」も105円台から108円台まで回復した。101円から110円までの上昇の半値押しにあたる105円で下げ止まったことで、チャート上もきれいな着地となった。 もともと今回の株式市場の急落にはこれという原因はなく(エボラショックと名づけたコメントもあったが)、テクニカル主導のポジション調整だった。米国景気は緩やかな回復過程にあり、米国企業の業績も好調だ。こうして値幅調整を終え、積み上がっていたポジションも切らされたことにより、新たな株買いの余地が発生している。 さて、今週はいよいよ米国の金融政策を決定するFOMCが開催される。政策金利(FF金利誘導目標)ゼロ〜0.25%は据え置きがほぼ確実で、今回の注目ポイントは、資産購入額を150億ドルからゼロにしてQE3を終了するかどうか、「QE終了後も“相当期間”実質ゼロ金利を継続する」というフォワードガイダンスを変更し、利上げに向けた第一歩を踏み出すかどうか、の2点と…
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    2014年10月20日
    米国株の調整一巡で「米ドル/円」も買い場到来か[雨夜恒一郎]
    先週水曜日は、NYダウが一時460ドル安の暴落を演じ、1万6000ドル割れとなったことを受けて、「米ドル/円」も105.23円と9月8日以来の安値まで売り込まれた。 中国や欧州の景気失速懸念が強まるなか、米国9月の小売売上高が今年1月以来のマイナスとなるなど、頼みの米国景気にも減速懸念が浮上したことが背景だ。 FRBの早期の利上げ観測はほぼ一掃され、金利先物市場は利上げ開始が再来年に先送りされることを織り込み始めた。 一部では、今月のFOMCで予定されているQE終了の先送りや、「QE4」まで唱える向きも出始めた。米国10年債利回りは大幅に低下し、一時は2%を割り込んだ。 利上げ観測の後退はドルにとってはもちろん売り材料だが、株式市場にとってはサポート要因となる。債券利回りが大きく低下することで、株式の相対的な投資妙味が高まるという面もある。 金利低下に支えられ、NYダウは先週金曜日には1万6400ドル台まで反発し、一週間の下げ幅の大半を取り戻した。米国企業の業績はもともと悪くなく、景気も緩やかな回復が続く見通しであることから、割高感さえ解消されれば株式市場は上昇軌道に戻るはずだ。 NY…
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    2014年10月13日
    110円突破に失敗し、目先は調整深まる[雨夜恒一郎]
    先週の当コラムでは、米国雇用統計の改善で金利上昇と株高が同時進行する「いいとこ取り相場」が再開し、「米ドル/円」は110円を再び上抜けると予想した。 しかし、実際の「米ドル/円」相場は107円台半ばまで大幅に下落し、まったくの予想外の動きとなってしまった。雇用統計の上振れにもかかわらず、米国10年債利回りは2.2%台まで低下し、米国株も大幅に下落した。一体なぜこうなってしまったのか? 雇用統計のヘッドラインといえる非農業部門雇用者数と失業率は確かに予想以上に改善したが、詳細を見てみると、労働参加率が62.7%と1970年代以降最低を更新し、長期失業者の割合がなお3割を上回っているなど、質的な弱さが残っていることがわかる。 雇用が増えているものの、その多くが低賃金のパートタイマーであり、平均賃金はほとんど伸びていない。つまり金利市場は、雇用は表面上の数字ほど強くはなく、賃金インフレの懸念もないため、FRBは利上げを急ぐ必要がない、と受け取ったのだ。 この雇用統計の結果をもってしても金利が上がらないとなると、米国の金融正常化→金利上昇→ドル高というシナリオも危うくなって…
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    2014年10月6日
    米国雇用統計改善で「いいとこ取り相場」再び?[雨夜恒一郎]
    先週金曜日に発表された米9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+24.8万人と予想の+21.5万人を上回り、さえなかった前回8月分も+14.2万人から+18万人へ大幅上方修正された。また失業率は5.9%と、リーマンショック直前の2008年7月以来6年2か月ぶりに6%台を下回った。 この結果を受けて、「米ドル/円」は109.90円と再び110円の大台に接近、「ユーロ/米ドル」は1.2501ドルと2年1か月ぶりの安値を示現した。 米国の労働市場が失速を回避し、安定的増加ペースに戻ったことで、今月28・29日に開催されるFOMCでは早期利上げを含む出口戦略をめぐる議論が活発となりそうだ。「相当期間実質ゼロ金利政策を維持する」というフォワードガイダンスは、何らかの変更が加えられる可能性が高い。 米国の金融政策の正常化期待を背景に、当面はドル全面高の展開となりそうだ。ドルの広範な強さを示すドルインデックスは86.70ポイント付近まで上昇し、2010年6月以来の高値をつけている。ドルの価値の裏返しである金相場は1200ドル台を割り込み、ドルの信認が回復しつつあることを示している。 一方、…
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    2014年9月29日
    トレンドに逆らうな!ドル買いと円売りの歯車が噛み合う強気局面へ[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は一時109.53円と6年ぶりの高値を示現。米国の金融政策正常化期待を背景としたドル買いと、株高を受けたリスク選好型の円売りががっちりと噛み合い、いよいよ上昇に弾みがついてきた。 今週は水曜日の日銀短観や木曜日のECB理事会など重要イベントが目白押しだが、何といっても注目は金曜日の米国雇用統計だ。9月の非農業部門雇用者数(NFP)は+21.5万人と好悪の分岐である+20万人台を超えてくる見通しだ。前回8月は+14.2万人とさえない数字だったが、その反動で上振れする可能性もある。 いつもいっていることだが、相場には流れがあり、行きたい方向はあらかじめ決まっている。現在ドル円相場が上(ドル高・円安方向)にいきたがっているのは誰の目にも明らかであろう。 したがって市場はその方向性に沿って材料を解釈することになる。すなわち、強い数字が出れば素直にドル買い、弱い数字が出ても下がったところを押し目買い、という反応となるだろう。強い数字を先取りする形で、雇用統計発表前に110円を突き抜けてしまう可能性も小さくない。 その「いきたい方向」(=大局観)を規定するのは、いうまでもな…
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    2014年9月22日
    米国株高と金利上昇が同時進行!「米ドル/円」110円突破も時間の問題?[雨夜恒一郎]
    先週行われたFOMCでは、現行のゼロ金利政策を資産購入の終了後も「相当な期間」維持することが適切、とのキーワードを残したことから、米国株式市場は安堵感から急上昇。NYダウ、S&P500とも史上最高値を更新し、日経平均も1月以来8か月ぶりに1万6千円台を回復した。 一方、「経済状況と見通しが許す場合に利上げ。保有資産は徐々に予測可能に減らし、MBSは売却せず」とする「出口戦略」が初めて示され、FOMCメンバーの金利見通しも引き上げられたことから、金利市場では早期利上げ観測が高まり、債券利回りはカーブ全体で上昇した。 本来なら株高と金利上昇は相容れないものだが、株式市場は「FRBは利上げを急がない」、金利市場は「金融政策は早晩正常化に向かう」と、それぞれ都合よく解釈し、「いいとこ取り」をしている。株高はいうまでもなく円安のエネルギーの源泉であるし、米国金利上昇はドル高のモメンタムを強める。両者が折り合いをつけて共存している現在の局面は、「米ドル/円」がもっとも上昇しやすい状況であるといえる。 さらに先週は、スコットランドの独立をめぐる住民投票で反対派が予想以上の大差で勝利し、英国の…
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    2014年9月15日
    FOMCに向けて強気スタンス継続[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は大幅続伸し、107円台半ばと6年前のリーマンショック当時の水準を回復した。米国の早期利上げ観測が強まり、ドル金利が上昇していることが背景だ。 今週は米国経済指標の発表が目白押しだが、最大の注目イベントはもちろん16-17日に開催されるFOMCだ。政策金利は据え置き(ゼロ-0.25%)が確実で、資産買い入れ規模は従来通り100億ドル縮小する見通しだが、市場では声明がタカ派的な内容になるとの見方が浮上している。 具体的には、現在のフォワードガイダンス「資産買い入れ終了後も現行の金利水準を相当な期間維持することが適切」を変更する可能性が取り沙汰されている。 たとえば、「相当な期間」(for a considerable time)を「当面」(for some time)に置き換えるだけで、利上げ開始がこれまでの予想より早まるとの印象を市場に与えることができる。今回はイエレン議長の会見がセットされており、同時にメンバーの経済・金利予想も発表されるが、これらが明るい内容となれば、市場はやはり早期利上げに向けたサインと受け取るだろう。 もちろん、FOMCのコンセンサスが利…