雨夜恒一郎

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    2014年10月20日
    米国株の調整一巡で「米ドル/円」も買い場到来か[雨夜恒一郎]
    先週水曜日は、NYダウが一時460ドル安の暴落を演じ、1万6000ドル割れとなったことを受けて、「米ドル/円」も105.23円と9月8日以来の安値まで売り込まれた。 中国や欧州の景気失速懸念が強まるなか、米国9月の小売売上高が今年1月以来のマイナスとなるなど、頼みの米国景気にも減速懸念が浮上したことが背景だ。 FRBの早期の利上げ観測はほぼ一掃され、金利先物市場は利上げ開始が再来年に先送りされることを織り込み始めた。 一部では、今月のFOMCで予定されているQE終了の先送りや、「QE4」まで唱える向きも出始めた。米国10年債利回りは大幅に低下し、一時は2%を割り込んだ。 利上げ観測の後退はドルにとってはもちろん売り材料だが、株式市場にとってはサポート要因となる。債券利回りが大きく低下することで、株式の相対的な投資妙味が高まるという面もある。 金利低下に支えられ、NYダウは先週金曜日には1万6400ドル台まで反発し、一週間の下げ幅の大半を取り戻した。米国企業の業績はもともと悪くなく、景気も緩やかな回復が続く見通しであることから、割高感さえ解消されれば株式市場は上昇軌道に戻るはずだ。 NY…
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    2014年10月13日
    110円突破に失敗し、目先は調整深まる[雨夜恒一郎]
    先週の当コラムでは、米国雇用統計の改善で金利上昇と株高が同時進行する「いいとこ取り相場」が再開し、「米ドル/円」は110円を再び上抜けると予想した。 しかし、実際の「米ドル/円」相場は107円台半ばまで大幅に下落し、まったくの予想外の動きとなってしまった。雇用統計の上振れにもかかわらず、米国10年債利回りは2.2%台まで低下し、米国株も大幅に下落した。一体なぜこうなってしまったのか? 雇用統計のヘッドラインといえる非農業部門雇用者数と失業率は確かに予想以上に改善したが、詳細を見てみると、労働参加率が62.7%と1970年代以降最低を更新し、長期失業者の割合がなお3割を上回っているなど、質的な弱さが残っていることがわかる。 雇用が増えているものの、その多くが低賃金のパートタイマーであり、平均賃金はほとんど伸びていない。つまり金利市場は、雇用は表面上の数字ほど強くはなく、賃金インフレの懸念もないため、FRBは利上げを急ぐ必要がない、と受け取ったのだ。 この雇用統計の結果をもってしても金利が上がらないとなると、米国の金融正常化→金利上昇→ドル高というシナリオも危うくなって…
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    2014年10月6日
    米国雇用統計改善で「いいとこ取り相場」再び?[雨夜恒一郎]
    先週金曜日に発表された米9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+24.8万人と予想の+21.5万人を上回り、さえなかった前回8月分も+14.2万人から+18万人へ大幅上方修正された。また失業率は5.9%と、リーマンショック直前の2008年7月以来6年2か月ぶりに6%台を下回った。 この結果を受けて、「米ドル/円」は109.90円と再び110円の大台に接近、「ユーロ/米ドル」は1.2501ドルと2年1か月ぶりの安値を示現した。 米国の労働市場が失速を回避し、安定的増加ペースに戻ったことで、今月28・29日に開催されるFOMCでは早期利上げを含む出口戦略をめぐる議論が活発となりそうだ。「相当期間実質ゼロ金利政策を維持する」というフォワードガイダンスは、何らかの変更が加えられる可能性が高い。 米国の金融政策の正常化期待を背景に、当面はドル全面高の展開となりそうだ。ドルの広範な強さを示すドルインデックスは86.70ポイント付近まで上昇し、2010年6月以来の高値をつけている。ドルの価値の裏返しである金相場は1200ドル台を割り込み、ドルの信認が回復しつつあることを示している。 一方、…
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    2014年9月29日
    トレンドに逆らうな!ドル買いと円売りの歯車が噛み合う強気局面へ[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は一時109.53円と6年ぶりの高値を示現。米国の金融政策正常化期待を背景としたドル買いと、株高を受けたリスク選好型の円売りががっちりと噛み合い、いよいよ上昇に弾みがついてきた。 今週は水曜日の日銀短観や木曜日のECB理事会など重要イベントが目白押しだが、何といっても注目は金曜日の米国雇用統計だ。9月の非農業部門雇用者数(NFP)は+21.5万人と好悪の分岐である+20万人台を超えてくる見通しだ。前回8月は+14.2万人とさえない数字だったが、その反動で上振れする可能性もある。 いつもいっていることだが、相場には流れがあり、行きたい方向はあらかじめ決まっている。現在ドル円相場が上(ドル高・円安方向)にいきたがっているのは誰の目にも明らかであろう。 したがって市場はその方向性に沿って材料を解釈することになる。すなわち、強い数字が出れば素直にドル買い、弱い数字が出ても下がったところを押し目買い、という反応となるだろう。強い数字を先取りする形で、雇用統計発表前に110円を突き抜けてしまう可能性も小さくない。 その「いきたい方向」(=大局観)を規定するのは、いうまでもな…
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    2014年9月22日
    米国株高と金利上昇が同時進行!「米ドル/円」110円突破も時間の問題?[雨夜恒一郎]
    先週行われたFOMCでは、現行のゼロ金利政策を資産購入の終了後も「相当な期間」維持することが適切、とのキーワードを残したことから、米国株式市場は安堵感から急上昇。NYダウ、S&P500とも史上最高値を更新し、日経平均も1月以来8か月ぶりに1万6千円台を回復した。 一方、「経済状況と見通しが許す場合に利上げ。保有資産は徐々に予測可能に減らし、MBSは売却せず」とする「出口戦略」が初めて示され、FOMCメンバーの金利見通しも引き上げられたことから、金利市場では早期利上げ観測が高まり、債券利回りはカーブ全体で上昇した。 本来なら株高と金利上昇は相容れないものだが、株式市場は「FRBは利上げを急がない」、金利市場は「金融政策は早晩正常化に向かう」と、それぞれ都合よく解釈し、「いいとこ取り」をしている。株高はいうまでもなく円安のエネルギーの源泉であるし、米国金利上昇はドル高のモメンタムを強める。両者が折り合いをつけて共存している現在の局面は、「米ドル/円」がもっとも上昇しやすい状況であるといえる。 さらに先週は、スコットランドの独立をめぐる住民投票で反対派が予想以上の大差で勝利し、英国の…
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    2014年9月15日
    FOMCに向けて強気スタンス継続[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は大幅続伸し、107円台半ばと6年前のリーマンショック当時の水準を回復した。米国の早期利上げ観測が強まり、ドル金利が上昇していることが背景だ。 今週は米国経済指標の発表が目白押しだが、最大の注目イベントはもちろん16-17日に開催されるFOMCだ。政策金利は据え置き(ゼロ-0.25%)が確実で、資産買い入れ規模は従来通り100億ドル縮小する見通しだが、市場では声明がタカ派的な内容になるとの見方が浮上している。 具体的には、現在のフォワードガイダンス「資産買い入れ終了後も現行の金利水準を相当な期間維持することが適切」を変更する可能性が取り沙汰されている。 たとえば、「相当な期間」(for a considerable time)を「当面」(for some time)に置き換えるだけで、利上げ開始がこれまでの予想より早まるとの印象を市場に与えることができる。今回はイエレン議長の会見がセットされており、同時にメンバーの経済・金利予想も発表されるが、これらが明るい内容となれば、市場はやはり早期利上げに向けたサインと受け取るだろう。 もちろん、FOMCのコンセンサスが利…
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    2014年9月8日
    米国雇用統計は下振れ!「米ドル/円」はピークアウトの可能性も?![雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は、米国の早期利上げ観測を背景に上値を試す展開となり、年初の高値105.44円を突破。ストップロスを巻き込みながら一時105.71円と2008年10月以来ほぼ6年ぶりの高値をつけた。 しかし、注目の米国8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+14.2万人と予想の+23.0万人を大幅に下回ったことから、失望のドル売りが殺到し、一時104.69円まで反落した。 前日に発表されたADP雇用調査は+20.4万人と堅調な雇用増を示し、他の8月分の景気指標もおおむね良好であった。整合性を考えると、今回のNFPの下振れの背後には何らかの特殊要因があった可能性が高い。 単月の指標、それも振れの大きいNFPが悪かったからといって、直ちに雇用市場の腰折れを懸念する必要はないだろう。 ただ、NFPの+14.2万人という水準は8か月ぶりの低水準であり、雇用市場の回復はまだ不十分と主張するイエレンFRB議長をはじめとするFOMCハト派メンバーに、早期の利上げを拒絶する理由を与えたことも確かだ。 また、イエレン議長が重視する雇用の質に関しても、労働参加率は62.8%と1974年以…
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    2014年9月1日
    米国早期利上げ観測は勇み足か?米国雇用統計見極め後にドル反落も[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」は、月曜日早朝のシドニー市場で104.40円付近と1月以来の高値をつけたものの、その後は伸び悩み、一時は103円台ミドルまで押し戻される場面もあった。 米国第2四半期GDP・改定値は速報値の+4.0%から+4.2%へ上方修正され、8月のシカゴ購買部協会景気指数は64.3と予想の56.5を上回るなど、景気指標は全般に堅調だったが、週初の高値を試すまでの動きにはつながらなかった。 今次のドル買いのトリガーとなったのは、もちろん22日に行われたジャクソンホール・シンポジウムにおけるイエレンFRB議長の講演だ。為替市場はイエレン議長の発言を早期利上げに向けたサインと受け取ったのだ。 一方、米国10年債利回りは2.3%台と年初来最低レベルで低迷しており、イエレン講演にもほとんど反応を示さなかった。FF金利先物も、来年7月限で0.3%台、9月限で0.4%台を指しており、利上げ開始時期の前倒しを全く織り込んでいない。金利市場はFRBの金融緩和姿勢には当面変化なしと読んでいる・・・つまり為替市場と金利市場のどちらかが間違っていることになる。 ではもう一度、イエレンFRB議長の講演の…
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    2014年8月25日
    イエレン議長のニュアンスに変化?早期利上げ観測背景にドル強気局面へ[雨夜恒一郎]
    長らく膠着が続いていた「米ドル/円」相場がついに動き始めた。先週は、米住宅着工件数が予想を上回ったことをきっかけにドル買いが強まり、FOMC議事録が労働市場の予想以上の回復に言及していたことを受けて一気に104円手前まで上昇。 さらに金曜日には、注目のジャクソンホール・シンポジウムでは、イエレンFRB議長が早期の利上げの可能性を示したと受け止められ、一時104.19円と今年1月以来7か月ぶりの高値をつけた。 FOMC議事録では、「労働市場の状況は長期的に正常とされる水準に著しく近づいた」とポジティブな見方が示され、これまでの評価(著しいスラックがある)について「近いうちに変えねばならないかもしれない」との見解も記された。FOMC内で利上げを求める空気が強まっていることを示している。 イエレン議長は、「労働市場の改善が早ければ利上げが早まるし、遅ければ遅れる」と是々非々の姿勢を示したに過ぎないが、それでも「FRBが労働市場に存在するスラック(たるみ)の度合いを見誤った恐れがあり、早期に利上げする必要がある可能性」を認めたことは注目に値する。 議長は、パートタイマーの割合が高いことや、賃金…
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    2014年8月18日
    米労働市場のスラックはほぼ解消?ジャクソンホールでのイエレン講演に注目[雨夜恒一郎]
    先週火曜日、「イエレン・ダッシュボード」の後半部分にあたる、米6月の求人労働異動調査(Job Openings and Labor Turnover Summary=JOLTS)が発表された。イエレン・ダッシュボードとは、イエレンFRB議長が金融政策判断で重視している雇用関連指標のことで、最新の数値は下表の通りである。 出所:米労働統計局 〜は7月雇用統計、〜は6月求人労働異動調査(JOLTS) 端的にいえば、「質的」にはともかく、「量的」にはすでにスラック(たるみ)がほとんどなくなっている。たとえば、の非農業部門雇用者数はリセッション前の平均をはるかに上回っているし、の求人率もリセッション前の水準を回復した。 求人件数は467.1万件と前月の457.7万件から増加し、2001年2月以来13年ぶりの高水準だった。求人1件あたりの求職者数は2.02人と2008年4月以来の低水準(つまり、求人を出しても応募が少ない状態)となり、採用件数は2008年2月以来の高水準だ。一方のレイオフ・解雇率はリセッション前の水準を下回り、会社都合の人員整理が減っていることを示している。 確かに、の全失業者に…