2017年11月26日

FXにおけるテクニカル分析と独りよがり[鹿内武蔵]

盛り上がっているのは自分だけではないのか?

最近FXのトレードをしていて、新たな発見がありました。そのときはたしか、ポンド円の1時間足チャートを見ていたと思います。

「よしよし、ボリンジャーバンドのマイナス2σにタッチしてから反転、なおかつRSIが30%を下回ってから、もう一度30%より上に来たから、このあたりで買いを入れてみようか」こんなことを考えていました。

よくある、テクニカル分析を活用した、買いサインというヤツですね。でも僕はそのとき、ふとこんなことも思ったんです。

「市場に参加している人たちが、ボリンジャーバンドやRSIを見ていなかったらどうしよう」と。

自分一人で絶好の買いチャンスだと盛り上がっていても、他の人たちが全然そう思っていなければ、それはチャンスでも何でもない、むしろ独りよがりではないかと。

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設定が変われば別のテクニカル


ローソク足のすぐ下が14期間のRSI、その下が2期間のRSI。

ボリンジャーバンドもRSIも、どちらもFXでメジャーなテクニカルです。なのですが、パラメーターの数字が変われば、別のテクニカル分析に変貌します。例えばボリンジャーバンドのミドルラインの期間を200にすれば、上下のバンドが大きく広がって、画面外に表示されることも多いでしょう。RSIの期間を2にすれば、上下にガクガクせわしくなく揺れ動くはずです。つまり、パラメーター次第で、もはや別のテクニカル分析になってしまうのです。

とはいえ、まだボリンジャーバンドやRSIは、セオリー通りの設定で使われることが多いテクニカル分析。ボリンジャーバンドのミドルラインは20や21、25、上下の偏差は1~3σというのが多いのではないでしょうか。RSIは14、21あたりをよく見ます。

それに対し、良くいえば非常に自由な使い方をされているのが移動平均線です。よく聞く期間も、5、20、21、55、75、100、200とさまざまな種類があり、まさに人それぞれ状態。当然ながら5と200では、全く別のテクニカルといっても良いでしょう。

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トレードの理由付けのための存在?

こうして見ていると、テクニカル分析が教えてくれることって、とても限定的な気がしてきます。設定したパラメーターに基づいて、上昇や下降、あるいは横ばいの傾向を教えてくれますが、それ以上でもそれ以下のものでもないのではないか…最近そう感じているわけです。

もっといえば、トレードをするための理由付けをしてくれるツールなのかな、と。ファンダメンタルズ分析に基づいた相場観があり、それにテクニカル分析による合図が加われば、トレードの精度はアップするでしょう。これは良い理由付けですね。

反対に、ポジポジ病の人のトレードしたい欲望をこれでもかと刺激してしまうこともあるわけで、これは悪い理由付けですね。

ただし、パラメーターに左右されないテクニカル分析もあります。一目均衡表はその代表例で、設定数値は固有です。MT4などで、転換線や基準線といった各線のパラメーターを変えることもできますが、それは一目均衡表本来の使い方ではありません。

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鹿内武蔵(しかうちむさし)

株式会社tcl代表取締役。2008年のFX攻略.com創刊時から編集部に在籍、本誌と公式サイトの運営に携わる。取材や記事執筆の他、トレーダーとしてFXの運用も日々行っている。好きなテクニカルは平均足、好きな手法はブレイクアウト。

公式サイト:株式会社tcl