今回は、前回(FRBの二大業務[その2]公開市場操作について)の続きで、非伝統的金融政策について扱っていきます。
金融緩和戦争の中から生まれた非伝統的金融政策
前回までで紹介した短期名目金利操作や公開市場操作は、伝統的金融政策といわれるものです。その名の通り、伝統的に昔からとられてきた政策です。
ですが、特に名目金利操作においては、“金利が正”であることを前提条件としておいていました。
そりゃ、普通の状態だとお金を借りるには金利がつくべきであり、別にこの前提は特に問題のなかったものと思われます。
ですが、世界は今どんどん歪になっており、米国等いくつかの国を除いて、世界中で金融緩和戦争に陥っています。金利はゼロが当たり前、ヨーロッパ、日本などはマイナスにまで突入しました。
こうなってしまっては今までの金融政策では効果がありません。というか前提条件が変わってしまっているので、新たな仕組みを作る必要があります。
そこで登場したのが“非伝統的金融政策”です。ちなみに、金利は上げる方向に関しては何ら伝統的な政策で問題ないので、この“非伝統的”なものは基本的に“緩和方向”。つまり、その国の通貨を減価する方向の政策だと考えて頂いて構いません。
昨今ではほぼ非伝統的なものがメインとなってしまったので、ここの部分を理解しなければもうマーケットニュースについていくことができません。少し難しい部分もありますが、しっかりと頑張っていきましょう。
伝統的金融政策における「三本の矢」
非伝統的金融政策には、大きく分けて3つのものがあります。
全て、最近では良く聞く話だと思います。
これ以外にも、最近日銀が取り入れた長期金利ターゲット設定(イールドカーブ設定)などもありますが、ちょっとごちゃごちゃしてしまいますので、それは日本のことを取り上げる回に譲り、ここではこの3つを端的に説明していきます。
インフレ目標の設定
インフレ目標は、まさに日銀がやっているのでみなさん聞き覚えがあると思いますが、簡単に言うと具体的なインフレ率の目標を設定するということです。
こんなもん何の効果があんねんという話なのですが、肝は中央銀行が“信頼されているかどうか”です。
信頼されていれば、市場関係者がそれくらいのインフレ率に収まるのだろうと解釈してくれ、様々な金融資産の安定につながります。
そもそもインフレがいいのか、デフレがいいのかというところはかなり議論の余地があるところでこのコラムの本質ではないので割愛させていただいて、ポイントは為替にとってどんな影響があるかです。
それは、現在の“物価水準”と、インフレターゲットの“水準”の違いに肝があります。
そもそも、インフレにしていくというのは、物価を上げるということで、これはものすごく簡単な言い方をすると、お金の価値を下げるということです。
今まで100円だったものが200円になるということは、物の価値が変わらない限り、そのお金の価値が1/2になったということです。
ですので、インフレにしていくというのは、お金の価値を下げる必要があり、それは金融緩和的な処置とつながります。
デフレであれば、その逆が言えるというわけです。
つまり、覚えておくべきことは、
- 今の物価水準よりインフレ方向にターゲットを設定する場合、通貨安になる“可能性”
- 今の物価水準よりデフレ方向にターゲットを設定する場合、通貨高になる“可能性”
があると覚えておいて頂ければと思います。
かなり長くなってしまいましたので、残りの2つは次回のコラムに譲りたいと思います。
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