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FX力を鍛える有名人コラム

米感謝祭ウィークで様子見も突発的な値動きには警戒を[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

米感謝祭休暇を控え全般的に取引が手控えられるなか、IMM通貨先物で13枚以上ある大量の円売りポジションを調整する動きがみられてドル円は下値を切り下げる展開となっております。週末にかけて明日が米感謝祭で明後日は米短縮取引と、アメリカは4連休になりますのでリクイディティは低下します。薄商いの中、突発的な値動きもありますのでトレードする際は十分ご注意ください。

週末にかけてバイアスは弱気

ドル円のロングポジション解消のほか、ロシア疑惑の再燃や、米税制改革法案の年内可決が懐疑的となったことで売りが誘発されやすいモメンタムではあります。好調な米経済がドルの下値を支えてはおりますが、リスクオンになかなか反応しないのも今の相場の特徴なので米感謝祭ウィークの休み明けまでは基本的には戻り売り姿勢で臨みたいと思います。

下値のサポートは200日移動平均(黄線)線の差し掛かる111.73円や、10月16日安値の111.65円(白線)をターゲットとします。このあたりを明確に下抜けるとさらに売りが加速する可能性はあります。一方上値は113円がレジスタンスレベルとなりますがここを上抜けないのであれば戦略としてはレンジ下限に向けて売りポジションを回転させていく方針です。

混迷するドイツ政局

ドイツのメルケル首相が進めてきた連立協議決裂との報道があり、ドイツ政治の先行き不透明感からユーロが下落しています。5月に仏マクロン大統領が選挙に勝利してから聞こえなくなった欧州の政治不安がいきなり再燃してきました。

今後メルケル首相が少数与党政権を樹立するのか再選挙に打って出るのかはわかりませんが、欧州で最も強い経済基盤を持つドイツの政局なのでインパクトは大きいと考えられます。どのような結果になってもメルケル首相の求心力が低下する懸念もあります。短期的にはユーロ強気スタンスを一旦撤回して状況を見守りたいと思います。しかし、中長期的に見れば堅調なドイツ経済やこれから利上げに向かうユーロに対して積極的に売っていく気にもなれません。大きく押してくるところがあれば中期ポジションとして買ってもいいかと思っています。

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