FXはゼロサムゲームであり、利益を得る人がいる反面、損失を被る人もいることで成り立っています。では、成功するトレーダーと失敗するトレーダーの違いは、どこにあるのでしょうか? 専業トレーダーの田向宏行さんからこれまでに出会ってきた、成功する人・失敗する人の特徴を教えてもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです
11歳のトレーダーが示す成功への道とは
私はFX10年目ですが、その間にはいろんな人からFXをやりたい、儲けたい、という相談を受けました。今回は、私から見たFXで成功しやすい人と失敗しやすい人の特徴を挙げつつ、成功への道を考えてみます。
まず、何をもって「成功」というかですが、少なくとも相場で生き残り、コンスタントにFXで収益を得られるようになれば成功といって良いのではないでしょうか。そう考えると、最も短期間で成功したのは、本誌や拙著でご紹介した小学校5年生、11歳の少年です。彼は1年もたたないうちに親からもらうお小遣いの100倍程度を稼いでいます。中学生となった今は部活が忙しく、大きなイベントでしか取引していないようですが、そうしたブランクがあっても一度身に付けたトレード技術でしっかり稼ぐことができています。彼はいつでも為替市場で収益を狙える技術を短期間で一つ身に付けたわけです。
この少年が示してくれたのは、FXで成功するための二つのポイントです。一つは本誌で何度も書いていますが、「FXは技術だ」ということ。特にテクニカルを使うトレーディングは技術と言い切ることができそうです。技術であれば、一定の練習を積むと誰にでもある程度は身に付けることが可能です。特に普遍性の高いテクニカルを使う技術を持てば、いつでも為替市場で収益を狙うことができます。
ファンダメンタルズは社会事象なので同じ状況はありませんが、テクニカルでは同じチャート・パターンが何度も発生します。ですから、テクニカルは取引技術を磨くことで誰でもコンスタントに収益を得ることができるようになります。これは11歳の少年が実証してくれました。
もう一つは、「素直である」ということです。実はこれが一番重要です。小学生には余計な知識はありません。ゲームのようにテクニカルのパターンを認識して、教わった通りに取引するだけです。ところが、FXで失敗する人はこれができません。私の周りで相場から消えたほとんどの人がそうでした。大人はニュースを読み、他人の相場観が雑念として入り込み、「素直」に同じテクニカルに従い続けることができません。
また、自分の欲望や恐怖心から疑心暗鬼にもなります。FXで100%勝つことはありません。負ける取引が当然あるわけで、そのときは決められた通りの損切りをすることになります。しかし、これができません。損を許容できないので、テクニカルのせいにします。このテクニカルはダメだ、変えようと。
そして相場に少し慣れると、テクニカルを使っているにもかかわらず、自分が金融の素人であることも忘れてファンダメンタルズを考え始めます。こうなると、もはやテクニカルや技術習得ではありません。テクニカルといいながら、毎回自分流でやっていることになります。結果、素人が自分流で勝つか負けるかは「運」次第となり、いずれ資金が底を尽きます。
脳内にFX回路を作れるかどうか
誰でも自分の名前を書くことはできるでしょう。漢字も書き順も十分に知っていますし、これまで数えきれないほど書いています。つまり高い経験値があるわけです。しかし利き手でない手でやってみると、いつもと同じような字は書けないはずです。これは知識として熟知していても、利き手でない手で書く技術を身に付けていない、ということ。つまり脳の中にこうした技術の回路がない、ということです。
FXでも同じで、チャートを見て後から相場を分析することと、実際にトレードする技術は別物です。どういう形になったらエントリーするかというタイミングや取引技術を習得するには、練習して失敗の中から学び、脳内にFX回路を作る時間が必要となります。したがって、成功するには素直に同じことを繰り返し練習しなければなりません。
失敗する人に共通すること
FXで失敗して相場から退場する主な理由は、戦略のない取引と過大なレバレッジです。逆に考えると、この二つを排除すればFXで生き残ることができます。この戦略のない取引を回避するのがテクニカルで、素直に同じテクニカルを使い続けて経験値を上げれば、自分の取引技術を一つ身に付けることができます。
外から見ていると簡単そうなことでも、実際にその技術を習得するには案外時間がかかります。この練習に時間を費やすことができない人が、相場から何も得ることができず退場していくのです。素直に繰り返すことができない人、我慢できない人、誘惑に弱い人、そして過大なレバレッジを取る人は、FXで失敗しやすい人なのだと思います。
※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです
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