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ドル高エンジン再開!?ドル円は次のステージへ行けるのか[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。 

ドル円はようやく110円の壁を捉えました。昨晩発表された米4月の小売売上高の前月分が+0.6%から+0.8%に上方修正されたほか、同時に発表されたNY連銀製造業景況指数も20.1と事前予想を大きく上回ったことが要因です。これを受けて米長期金利が一時3.09%まで上昇しており、ドル円もつれて110.40近辺まで上昇する展開となっています。

年4回の米利上げ確率が50%を超す展開に

今年のドル円はここまで政治主導で動いてきました。大きなテーマとして米中貿易摩擦を背景として短期勢を中心に下値を攻めてきたわけです。しかし、ここにきて米中貿易摩擦に楽観論が広がっていることから、マーケットは好調なアメリカのファンダメンタルに回帰しています。FRBのFedwatchをみても年内の利上げ確率はコンセンサスだった3回を4回が上回っている状況です。日米金利差拡大を背景に底堅い展開がメインシナリオになると予想しています。

※2018年12月時点の利上げ回数

110円で値固めできるかが焦点

良好な米ファンダメンタルのほか、テクニカル面でも強固な抵抗として考えられていた200日移動平均線の差し掛かる110.15円レベルを上抜けたことで地合いは良好です。とはいえ4月から急ピッチに上昇しているため、調整の動きも出やすく、ここから強気一辺倒とも考えにくいです。110円台でしっかり値固めできれば、次のステージである111円、112円が視野に入ってきます。

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FOMC新メンバーは米利上げ路線を支持

昨日クラリダ次期FRB副議長とボウマン次期理事が新しくFOMCメンバーになるべく指名公聴会が行われました。公聴会で両氏は現体制の利上げ路線を支持すると表明したほかクラリダ次期FRB副議長は2008年の金融危機はFRBの低金利政策の解除が遅れたのではないかと指摘され「金融政策がその一因となった」と認めています。新しいFOMCメンバーを追加したうえで政策ポリシーをみてみると明確にハト派なのはブレイナード理事のみです。全体的には中立かややタカ派よりの布陣となることもドルポジティブの要因とみています。

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