為替相場全体の7〜8割は、ある一定の値幅内で上がったり下がったりを繰り返すレンジ相場といわれています。トレンド相場とは違い、レンジ相場は明確な方向感がなく値動きが小さいことから、攻略に苦戦するトレーダーの方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、不動修太郎さんにレンジ相場の攻略法をレクチャーしてもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2018年4月号の記事を転載・再編集したものです
為替でトレンドが続く理由とは?
大きく上昇または下落する相場をトレンド相場と呼び、方向性がない相場をレンジ相場と呼びます。為替相場ではトレンドが半年以上も続くケースがありますが、さらに長いレンジ相場は珍しくありません。ですから、FXで安定して勝つためにはレンジ相場で利益を上げる攻略法が大切です。
皆さまがよくご存じの通り、ある国の景気が良くなり、インフレ率が上がってきたら、行き過ぎたインフレを防ぐためにその国の政策金利を上げます。つまり為替はその通貨が使われている国の金融政策によって動きます。
株価は会社の業績と人気によって動きますが、金融政策は国という大きい単位の経済を動かすために1年以上、場合によっては数年の間は同じ政策が続く場合があります。このような理由で為替に円高などのトレンドが出ると長く続くことがあるのです。
トレンド相場攻略の心得
ここで長期のドル円のチャート①を見てください。2015年末からの半年は円高に動き、その後は日本の金融緩和の影響で2016年末まで円安へ向いました。このようなトレンドが出ている相場では、相場の動きに沿った取引をしましょう。
相場のトレンドはチャートで底値を結んだ下値支持線(赤い直線)と天井を結ぶ上値抵抗線(緑の直線)の傾きを見ればつかめます。それらの直線が右肩上がりなら上昇相場(円安)で、逆に右肩下がりの時期は下降相場(円高)です。
チャート①の上に赤い矢印で示した下降(円高)トレンドが出ている時期には、相場の動きに従ってドル売りを続けましょう。このような長期チャートで見ると、容易にトレンドが出ていると分かりますね。
ところが、トレンド相場でもチャート①のローソク足を見ると分かるように、短期的に細かく上げ下げを繰り返します。短期のチャートしか見ていないと細かい値動きに注目してしまい、長期のトレンドに気が付きにくいです。そのため、相場のトレンドに逆らった売買をしてしまい、損失を出してしまう人がいます。
そうならないように短期的なトレードだけしかしない方でも必ず1週間に一度は、1年以上の長期チャートで大きなトレンドを確認してください。トレンドが出ている相場は、短期間に大きく動くので、その流れに乗れば大きな利益が得られるチャンスです。
レンジ相場の攻略法
レンジ相場は、テレビ番組では経済の専門家に「方向感なく」「行ったり来たりの相場」と称されます。解説者にとっては、レンジ相場は為替に動きがないのでコメントしにくいですが、為替投資家としての攻略法を考えてみましょう。
ここで、もう一度チャート①をご覧ください。チャートの右側の2017年は支持線と抵抗線がやや右肩下がりなのでわずかに円高傾向ですが、ずっとレンジ相場といえます。このように為替では、レンジ相場が長く続くケースがありますので、ここで利益を上げればFXで安定して勝ち続けることができます。
さて、レンジ相場を模式的に描いたのが図①です。レンジ相場は抵抗線、支持線の間での値動きとなります。例えばこの図の下値支持線に近いA点でドル買いポジションを持ち、それを上値抵抗線近くのB点で売ると短時間に利益が得られます。
実際には、底のA点で買い、天井のB点で売って利益を確定し、そのB点直後で売りポジションを持ち、それを次の底のC点で利確するという、ドテン売買で売買回数を増やす戦略が良いでしょう。レンジ相場では、常に抵抗線、支持線の位置を意識して売買すれば、利益が得られます。
値幅の小さいレンジ相場では、トレンド相場のように短期間で大きな儲けは狙えません。レンジ相場では小刻みにコツコツと売買を繰り返して、着実に利益を積み上げる戦略をとりましょう。
多くの為替投資家が抵抗線、支持線を意識しており、図①の破線のように為替が抵抗線を上回るとレンジ相場が終わり、上昇トレンドに入ったと判断します。その結果として買いポジションを持つ人が急に増え、為替が急上昇することが多いです。
このように値動きが抵抗線、指示線を突き抜けたら、レンジ相場が終わり新しいトレンドが出たと考え、そのときのトレンドに沿った売買を心がけてください。
FXで利益を上げ続けるために必要なこと
以上のように長期のチャートを見て抵抗線と支持線を意識し、相場にトレンドが出ているのか、レンジ相場なのかに注意して売買しましょう。
FXで勝ち続けるためには、今の相場がレンジ相場か、あるいはトレンドが出ているのかを知り、トレンドの有り無しに応じて売買の戦略を柔軟に変えましょう。
※この記事は、FX攻略.com2018年4月号の記事を転載・再編集したものです
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