FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年1月7日号
先週のドル円相場
先週のドル円相場は、株安を背景としたリスク回避型の円買いが徐々に強まり、110円台を完全に割り込む展開。年明け1月3日の早朝には、米アップルが10-12月期の売上高見通しを下方修正したことをきっかけに円買い・ドル売りが殺到し、数分間の間に一気に104円台半ばまで急落した。その後は下げ過ぎ感から買いが入り、翌1月4日には米国12月の雇用統計が市場予想を上回ったことから、108円台半ばまで回復した。
原因はフラッシュクラッシュか
1月3日の暴落は、極端な薄商いのなかで、一定の条件や特定のキーワードに反応して自動的に取引を行うアルゴリズムが一斉に大量の円買いを発注したことで、異常な水準での取引が成立してしまった、いわゆる「フラッシュクラッシュ」と考えられる。正月休みのため本邦輸入企業や機関投資家らの買いオーダーがほとんど入っておらず、ストップロスの売りオーダーだけが一方的に発動されてしまった。また切りがいい水準である105円ちょうどには、ノックアウトオプションやバイナリーオプションのトリガーがびっしりと並んでおり、さながら地雷の役割を果たしたようだ。
ドル売り円買いの圧力
こういう異常な値動きは、市場が正常に機能している状態であればまず起こりえず、市場の内部要因によるテクニカルな現象といえる。しかし今回のドル円暴落が間違った動きだったかといえば、筆者はそうは思わない。ドル売り円買いの圧力は昨年終盤から徐々に高まってきており、ドル円はいつ急落してもおかしくない状態だったからだ。
その圧力の一つは、米国株式市場の変調だ。とりわけ、昨年の株価上昇局面を牽引してきたGAFAと呼ばれるハイテク四強(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の株価は、軒並み高値から3~4割下落している。スマホを中心とした技術革新が一巡し、市場の飽和感も強まっている。GAFAの情報独占に対する批判も日に日に高まっている。ハイテク主導の株高局面が終焉したとまでは言えないが、曲がり角を迎えたことは確かだろう。
株価が調整局面を迎えれば、投資マネーはおのずと株から債券にシフトし、金利は低下する。昨年は年間ベースで米国株はマイナスとなったが、株価が連続的に下落している局面では、FRBも利上げしづらくなる。下図1は金利先物が織り込む今年12月のFF金利の分布だが、今や年内利上げなし(2.25-2.50%)が69.5%でメインシナリオとなっていることがわかる。利上げ1回(2.50-2.25%)は1か月前には38.2%で最有力と見られていたが、今では5%しかない。それどころか、市場は「利下げ」もありうると考え始めており、すでに利下げ2~3回の可能性すら織り込まれ始めた。株式市場が下落を続ければ、市場主導による「利下げ催促」も一段と強まるだろう。短期間にこれほど市場の金利観が大きく揺らげば、ドルが売られるのも無理はない。
図1 先物市場が織り込む12月のFF金利 出所:CME
そしてもう一つ懸念材料を挙げるとすれば、ポジションの偏りだ。図2はシカゴIMM通貨先物市場におけるドル円の取り組みの推移だが、12月18日時点で円売り越しが約10.3万枚とピークに近いポジションを保有していたことがわかる。円売りポジションが積み上がり始めたのは6月ごろからであるから、平均買いコストは112円近辺であろう。その後ドル円は瞬間とはいえ104円台まで下落したわけだから、シカゴ筋も今回のクラッシュで相当な打撃を受けたはずだ。米国政府機関の閉鎖の影響で最新の建玉は発表されていないが、この円売りポジションが解消されない限りドル円の回復は望めまい。また彼らがポジションを円売りから円買いにひっくり返す可能性もあり、その場合はドル円の下落圧力も増幅されよう。
図2 IMM通貨先物の取り組みと円相場 出所:CFTC、QUICK
100円割れもあり得るドル円相場
筆者は株式市場や金利動向が落ち着くまで少なくとも2~3か月かかり、その間ドル円は下値模索が続くと予想している。昨年のドル円相場は記録的なレンジ相場だったが、今年はその反動で大きなボラティリティが発生する可能性があり、その場合は100円割れがあってもおかしくない。昨年のレンジ志向を捨て、大きなうねりに備えるべき局面かもしれない。
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