誰でも簡単に使えるチャート分析ツールを搭載したオンラインサービスのトレーディングビュー。その実用的な使い方を佐々木徹さんに紹介いただいている当企画。今回は演算チャート機能について解説してもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2016年11月号の記事を転載・再編集したものです
※トレーディングビューは、頻繁に仕様やデザインが更新されるため、ここで紹介する内容とは異なる場合もございます。あらかじめご了承ください。
【TradingView(トレーディングビュー)を始めよう】
・第1回 3つのココがすごい!
・第2回 「比較」機能の使い方
・第3回 ラインの引き方とアラートのつけ方
【関連記事】
・TradingView TIPS|第1回 トレーディングビューとはそもそもどんなツールなの?[佐々木徹]
1−1=3以上になる演算チャート
FXをはじめとするマーケットで目にすることが多いのは、その瞬間に取引されている「スポット価格」がほとんどです。一方でプロのトレーダーは、演算で異なる銘柄同士を比較して、スポットとは別の動きを追うことがあります。
そこで当記事では、トレーディングビューの演算チャート機能を使うことで、スポット価格だけでは見えないチャートを生成する方法について紹介してみたいと思います。
原油のスプレッドを表示してみる
個人で取引する方の対象も多様になり、最近では原油やゴールドへの取り組みも始める方が増えてきていると聞きます。
原油価格の中で、よく耳にする銘柄にWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)、ブレント(北海油田)があります。それでは、早速それらのスポット銘柄を単独で表示してみましょう(画像1)。
はい、似たチャートが二つ並び、今から間違い探しでも始まりそうですね。それでは、さっそく演算機能に登場してもらいます。トレーディングビューの銘柄欄に以下の数式を入力してみましょう。
USOIL−UKOIL
この数式は、「WTIスポット価格からブレントのスポット価格を引いた差を表示しろ」というコマンドになります。すると画像2のように、各ローソクのOHLC(寄付・高値・安値・終値)の差を全て計算してチャートに表示してくれます。
右軸を見ると、−2.10などと表示されており、確かにブレントとWTIとの値差が表示されていることが分かります。何文字かをパチパチ入力するだけで表示されるので、とても簡単ですね。
何となくサラッと書いていますが、実はこれだけで原油の取引チャンスを作り出すことさえできる機能です。画像3のチャートには、0レベルをハイライトしていますが、そのポイントで常に反落をしていることが分かります。
これだけ明確な反応が出ている様子をみると、見逃すわけにはいかないと思う方が増えても不自然ではないかもしれませんね。
チャートを上下反転させてみる
この演算機能はちょっとした目先を変えてみることにも活用できます。その代表例がこちら……上下反転です。買いは得意なのに売りは苦手という方もいらっしゃるでしょう。もしその理由が「慣れ」なのであれば、チャートを上下反転させてやれば解決するかもしれません。
例えば「米ドル/円」の30分足チャートを普通に表示したのが画像4です。
これを反転させるコマンドは、「1/」を銘柄の前に入力することです。いわゆる逆数というものなのですが、面倒なことはさておき反転させてみましょう。使ったコマンドはこちら。
1/USDJPY*100
すると画像5のようなチャートが現れます。余談ですが、通貨先物を取引している方にとっては、こちらのJPYが前に来る方が馴染み深いかもしれません。
どうでしょう? 仮に「売り」が得意な人は、下側のチャートを見た方が頭打ちになっていることから売り玉を立てる方に有利さを感じるかもしれません。一方で「買い」が得意な人であれば、上のチャートがダブルボトムに近い形を見せていることに興味を持つかもしれません。
私たちは人と会うときに、似た兄弟でもちょっとした違いで見分けることができる能力を生まれながらにして持っています。ところが、顔写真を反転した上で、目を左右反対にしたりしても、意外と違いに気づかなかったりします。また天橋立を訪問した方なら、股の間から逆さに景色をのぞき、海が空から降ってきているような感覚に新鮮さを覚えた方もいるかもしれません。
同じようにチャートも上下反転させることで新しく見えるチャンスがあるなら、試さない手はないかもしれませんね。
※この記事は、FX攻略.com2016年11月号の記事を転載・再編集したものです
※トレーディングビューは、頻繁に仕様やデザインが更新されるため、ここで紹介する内容とは異なる場合もございます。あらかじめご了承ください。
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取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
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