トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
FOMCは年内の利下げペースが焦点か
FOMC待ちのマーケットです。この数日、銀行間の資金需給が不足したため、短期金利が急騰しており、CMEのFedWatchで本日FOMCのターゲットレートを確認すると利下げ確率が約50%(据え置き50%)と五分五分まで確率が低下しています。しかし、短期金利の急騰はあくまで短期的な動きであるためFRBがコンセンサスにしている0.25%の利下げに変わりはないと考えています。むしろ今回の焦点はドットチャートやパウエルFRB議長の記者会見から年内の利下げペースを探ることです。年内の利下げペースでは利下げ継続とすればドルは下落する一方、利下げ終了を匂わせる内容であればドル高の展開が予想されます。
さて、FRBの利下げペースですが、NYダウが史上最高値圏にあり、あしもとのFOMCメンバーの発言を聞いていても年内の利下げ継続を正当化するには疑問が残ります。トランプ大統領は大幅利下げや、ドル高に対して圧力をかけてくるとは思いますが、FRBの独立性を示してもらいたいところです。
日銀はマイナス金利の深堀を実行できるのか
FOMCの翌日は日銀金融政策決定会合も控えています。黒田日銀総裁がマイナス金利の深堀を示唆したことで、マーケットでは追加緩和への期待感が高まっています。マイナス金利深堀があれば円安となる一方、期待感が高まっているだけに現状維持となれば円高要因となりそうです。ECB、FOMCが緩和姿勢を示すなか、日銀だけ現状維持では円高が避けられそうにありませんので、日銀がやれることは限られてはいるものの、無理やりにでも緩和策を示してくるのではないかと考えています。
FOMC、日銀金融政策決定会合とビックイベントが続くだけにポジションサイズは抑えますが、ドル円はやや強気スタンスで臨みます。週末に向けてのレンジは上値が200日移動平均線の差し掛かる109.40円付近で下値は9月16日の安値107.50円付近を想定しています。
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