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米ドル/円に上昇余地?!ドルインデックスとの乖離に注目[雨夜恒一郎]

先週の米ドル/円相場は、米国雇用統計の下振れをさほど引きずらず、米国の利上げ期待を背景に堅調に推移。前回高値の104.32円を突破し、一時104.64円と7月29日以来の高値を示現した。その後中国景気指標に一喜一憂する場面はあったものの、104円台を維持して週の取引を終えた。

米国利上げについては、「11月予告、12月実施」の見方が既定シナリオとして定着してきた。FOMCのキーパーソンの一人であるダドリーNY連銀総裁は14日、「経済が想定通りに推移すれば、比較的早期の利上げを見込む。年内に利上げすると思う」と発言した。FF金利先物が織り込む12月利上げの確率は今や7割に達している。

また先々の金利先高観も徐々に強まっている。市場の金利観の変化を見るには、FF金利先物の価格推移を見るのが手っ取り早い。図1はFF金利先物2017年3月限月の日足チャートだが、先月末から商いを伴って価格が下落(金利が上昇)していることが分かる。3月までに2回以上の利上げが行われる可能性もすでに15%程度織り込まれている。


図1 FF金利先物2017年3月限月 出所:CME

米国の金利先高観が強まる局面では必然的にドルが買われやすくなる。実際ドルインデックス(主要6通貨に対するドルの貿易加重平均)は今年3月以来の高値へ上昇しており、少なくとも利上げが予想される12月まではこの傾向が続く公算が大きい。

しかし図2に示した通り、現在の米ドル/円の水準104円は今年3月の水準(110~114円)に遠く及ばず、ドルインデックスに比べて著しくアンダーパフォームしている。その原因の最たるものは、市場のリスク回避心理であることに疑いの余地はない。米国大統領選、Brexit、中国景気減速懸念、ドイツ銀行という「ABCDリスク」に包囲され、不確実性を嫌った資金が安全通貨の円に向かいやすい地合だったのである。


図2 米ドル/円(右目盛)とドルインデックス(左目盛り・赤線) 出所:NetDania

しかしそうした地合にも今や変化が訪れている。共和党のトランプ候補は数々の醜聞で自滅しつつあり、民主党クリントン候補との支持率の差は7ポイントに拡大した。Brexitはポンド相場に打撃を与えているものの、グローバル経済にとってのリスクというより英国とEUの局地的問題として矮小化されつつある。中国経済は減速しているものの、好悪材料混在であり、一時ほどの悲観ムードはない。ドイツ銀行の経営不安については前回述べた通りで、リーマンショックの再現となるおそれはなさそうだ。過去のショックに懲りてテールリスクに必要以上に過敏になっている、いわば「羹(あつもの)に懲りて膾を吹いている」のが今の円相場ではないか。

市場がこの非合理性に目を向ければ、円が割高とみなされる可能性もある。もしドルインデックスとの乖離が縮小する展開となれば、米ドル/円の上昇余地は意外に広がることになるだろう。今週は目線を一段引き上げ、ドルの買い場を探すスタンスで臨みたい。

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