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マーケットのメインテーマは米大統領選へ[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

イベントラッシュ

東京市場のドル円はショートポジションが溜まっていたこともあり、仲値にかけてストップロスを巻き込み一時108.16円まで上昇しました。もっとも108円台では実需の売りが優勢で107円台へ跳ね返しており、108円台での上値の重さが感じられます。今夜からは米イベントラッシュでADP全国雇用者数、ISM製造業景況指数、FOMC議事録公表と続き、明日は雇用統計の発表が予定されています。コロナ相場のなか、経済指標からトレンドを作っていくのは難しいですが、重要指標が並んでいるだけに突発的な動きには注意です。

マーケットのメインテーマは米大統領選へ

ここからマーケットのメインテーマは徐々に米大統領選に移っていくわけですが、トランプ大統領の再選はかなり厳しくなっています。トランプ大統領とバイデン民主党大統領候補の支持率はバイデン氏優勢の傾向が強まっておりCNNの世論調査では14ポイントの差が付けられています。株価はまだ崩れてこないですが、マーケットフレンドリーなトランプ大統領が負けるのであればマーケットは最大限にリスクを警戒しに行くでしょう。もちろん、選挙はやってみなければわかりませんが、今が不透明なことは確かなので局地的なリスクオフに対応が必要になると考えています。

ポンドはダウンサイドに警戒を

ドル円は難しい値動きが続いています。リスク許容度の変化に対するドルの動きが従来のものと違うので、値動きがしっくりくるまではポジションはスクエアです。一方でポンドは動きが出やすい状況となっています。英国は移行期間延長をしなかったため、2020年末までにEUを離脱するわけですが、これまでの離脱交渉に進展がなく、依然として先行きは不透明です。今週から集中協議をスタートさせており、ジョンソン英首相はこの集中協議での合意に意欲を示していますが、EUが譲歩しなければ、年内成立は難しいとの声が聞こえてきます。ここからは集中協議のヘッドラインに振らされる展開が続くわけですが、FTA(自由貿易協定)なしでの離脱インパクトが大きいだけにダウンサイドに意識をすべきと考えています。

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