先週金曜日に発表された12月分の米国雇用統計は良好な結果だった。失業率は3か月連続5.0%とリーマンショック以降の最低を維持。非農業部門雇用者数は29.2万人増加し、予想の20万人を大幅に上回ったうえ、10・11月分も合計5万人上方修正された。この結果を受けて直後はドル買いが強まり、一時118.83円まで上昇。3月利上げ観測が高まり、ドルは再び上昇モメンタムを取り戻す…かに見えた。
しかしドル買いはすぐに息切れとなり、米国債利回りや米国株が下落に転じると、117.22円まで下落し、結局昨年8月以来の安値を更新してしまった。FF金利先物が織り込む3月の利上げ確率も41.2%と前日からほとんど変わらなかった。
これだけ好結果にもかかわらず米国金利・米国株・ドルがトリプル安となったということは、市場全体のムードが悪すぎたと考えるほかない。すなわち、景気期待・利上げ期待による前向きの動きより、中国をめぐる懸念や地政学リスクを背景としたリスク回避の動きの方がまさったということだ。強気材料が出たにもかかわらず上昇しきれなかったドルの地合は相当悪いと言わざるを得ない。
先月の当コラムでも述べたが、FRBが利上げに踏み切ったことで、足かけ3年にわたる金融政策正常化のプロセスに区切りがついた。米国の利上げを材料としたドル買い局面はひとまず一段落したと考えるのが自然だろう。今後ドルが再度上昇していくには、市場の予想以上のペースで利上げが進んでいく必要があるが、果たしてどうか。イエレンFRB議長は先月のFOMC会見で、「インフレが目標を下回り続ければ利下げを休止する」とも述べている。インフレが目標の2%に達する兆候は見られず、海外発のリスクが予想に反して深刻化している現在、FRBは次の利上げに二の足を踏むはずだ。
週足チャートを見ると、2012年のアベノミクス相場スタート以来の上昇トレンドラインが崩壊するとともに、125円台をピークとするヘッドアンドショルダーの大天井が形成されつつある。丸4年続いたドル高・円安トレンドはいよいよ正念場に差し掛かったのではないか。今週も人民元相場、株式市場の動向、北朝鮮や中東の地政学リスクに目を配りつつ、ドル円に対しては売りスタンスを継続したい。
ドル円週足は上昇トレンドライン崩壊、ヘッドアンドショルダー形成 出所:NetDania
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