ポジションをもちたくなる病
私は以前、FXのトレードを1日に少なくとも30回、多いときは60回以上もしていたことがあります。忙しいなか、せっかく時間をつくってトレードしているのだから、なるべくチャンスを見つけて、数多くエントリーしようと考えていたのです。
でも、そういう心理状態でのトレードは往々にして判断が甘くなり、自分に都合の良い解釈をしがちです。自分の読みにこだわって、相場のシグナルを見逃すことも少なくありません。結果的にいろいろなチャートを見ていながら、ダマシにあうことが多くなっていました。これが「ポジションをもちたい病」、通称「ポジポジ病」です。
「買い」であれ、「売り」であれ、とにかくポジションをもっていないと気持ちが落ち着かなくなる状態です。とくに、「もっと儲けたい」「負けを早く取り返したい」という気持ちが強い場合、決済してポジションがなくなると、すぐにいろいろな通貨ペアを物色して、明確なシグナルを確認することもなく、根拠のないエントリーをしがちになります。
ポジポジ病の症状とは
次のような症状に思い当たることがひとつでもあれば、ポジポジ病の可能性があります。
1. 決済するとすぐ他の通貨ペアをチェックする。
2. ポジションをもっていないとチャンスを逃しているような気がして気持ちが落ち着かない。
3. 1日に10回以上トレードする。
4. パソコンの前に5時間以上はりついていることがある。
5. 衝動的にエントリーしていることがある。
ひとつでもチェックがついた人は、悪化しないよう対策を考えておきましょう。
ポジポジ病が悪化するのは負けた後
ポジポジ病が悪化しやすいのは負けた後です。誰しも自分がもっていた大切なお金を失うのは嫌なものです。しかも、自分が「正しい」と判断して行ったトレードの結果、負けてしまい、発生した損失ならばなおさらのことです。「なるべく早く、発生したマイナス分を取り返し、せめて元の状態まで戻して安心したい」。このように考えることは、ごくごく当たり前のことだと思います。でも、そんなときこそちょっと待って下さい！
・今あるルールの存在や意味を無視して、失ったお金を取り戻して楽になることだけを考えていませんか？
・マイナスを埋めるためだけにトレードしようとしていませんか？
・これから行おうとしているトレードはエントリー、損切り、利確ポイントなどを含めたしっかりしたシナリオを立ててありますか？
・これからエントリーしようとしているポイントは大切な資金を危険にさらしても、それに見合う結果を得られるようなチャートのかたちをしていますか？
ポジポジ病を克服するためには
負けを取り戻そうと熱くなっているときに、その高ぶった気持ちを抑え、冷静になれる言葉を自分で見つけて、それを目につくところに貼っておくのはひとつの効果的な方法だと思います。それから、すこし冷静になれたら、次はトレード記録をじっくりと見直してみましょう。
「このトレードをしていなかったら、こんなにお金を失うことはなかったのに……」とか、「このトレードがなければ、目標の利益を達成できていたのに……」とか、「これとこのトレードがなかったらトータルプラスにもっていけたのになぁ」などと、なかったことにしたいトレードが見つかることでしょう。
過剰トレードが足を引っ張っているということに気づくのではないかと思うのです。そこからさらに、「勝ちを増やすよりも、感情的なトレードや、シナリオのないトレードを排除していくことのほうが簡単じゃん！」という思考に変えることができれば、だんだんとポジポジ病に悩まされることはなくなります。そして、「トレード回数が多いことと利益が多いことはまったく比例しない」ということが腑に落ちたときが、ポジポジ病を克服できたときだと思うのです。
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ポジポジ病克服に役立つ名言
あなたのゴールは上手にトレードすることであり、頻繁にトレードすることではないということを決して忘れてはいけません
『投資苑』アレキサンダー・エルダー著
「待てないから迷路に踏み込む」
「相場の達人ともなれば、わかりやすい道に出るまでは、ひたすら待つ。時間との闘いになるわけだが、相場のなんたるかを悟れば、待つことにリスクはない」
『先物の世界 相場戒律』鏑木 繁著
「負ける人ほどトレード回数が多いものです。引き金を引かない勇気をもちましょう」
『相場で負けた時に読む本実践編』 山口祐介著
出典：月刊「FX攻略.com」2014年3月号掲載
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| スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
|---|---|
| 約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
| スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
| 取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
| 取引ツール | 提供されるPC･スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
| シストレ･自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
| サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
| 教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
| キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |
