勝率50%、損益率1以上
相場を読み解くために、さまざまなテクニカルが存在します。インディケータを使ったもの、チャートパターン、ろうそく足パターン等がそれに該当しますが、これらはある条件が揃ったときに、エントリーやイクジットのサインとして利用されます。
これら単体では、相場環境により信頼性の薄いものとなってしまいますが複数を組み合わせることによって、騙しを減らし勝率を上げることができるようになります。
ただし、あまりに多くのインディケータやパターンによるサインを参考にし過ぎると、逆にフィルターが多すぎて、エントリーのチャンスが激減してしまいます。
負けたくないと思う気持ちが多くのフィルターを参考にすることに繋がるのですが、エントリーのチャンスがないのでは本末転倒です。
そこで重要になるのが、自分が目標とする勝率です。 勝率が50%でも、1回のトレードにおける損切りの設定幅に対して利益の設定幅を損切り幅以上(損益率1以上)にすることができれば、トータルで負けることはありません。
まずは、ストップ設定とリミット設定の割合を1(ストップ)対1以上(リミット)になるようにしたうえで、勝率50%を目標にすることをお勧めします。
実際に、バルサラの破産確率でも、勝率50%で損益率を2まで引き上げることができれば、破産確率は1%を切るという結果が出ています。まずは、勝率50%、損益率1以上、そして、最終的には2を目指しましょう。
RSIのダイバージェンスを参考に
また、インディケータのサインを参考にする場合、サインの発生を事前に予測することができるようになると、トレードでチャンスを見逃すことがなくなります。
私がインディケータのサインでよく参考にしているのが、RSIのダイバージェンス(逆行現象)ですが、このダイバージェンスは、慣れてくれば事前に予測することが可能です。
以前、レンジオーダーをご紹介したときに、レンジ上限や下限でこのダイバージェンスが発生すると、レンジ上限と下限で反落、反発しやすいとご紹介しました。
今回は、このダイバージェンスを事前に予測するコツをお教えしようと思います。
ダイバージェンスの特徴とは
まずは、ダイバージェンスのおさらいですが、ダイバージェンスとは、図①のように、上昇時に実レート(チャート)では高値が切り上がっているにも関わらず、RSIの高値は切り下げている(下落時には実レートの安値が切り下がって、RSIの安値が切り上がる)現象のことです。
この現象の発生は、上昇や下落の勢いが低下していることを示しており、上昇時であれば反落、下落時には反発しやすいサインとなります。
そして、上昇時につくダイバージェンスはRSIの値が70以上、下落時につくダイバージェンスはRSIが30以下を1回つけていることが、ダイバージェンスの条件となりますが、この条件がダイバージェンスを事前に予測するために重要な役割を果たします。
実際のチャートによる予測例
それではチャートを見てください。
上のチャートは、ダイバージェンスがつく前までの値動きを示したものですが、下落をしてきた時点で、RSIがすでに30を割り込んでいます。
本来、RSIは30を割り込むと売られ過ぎだといわれており、左側のチャートのようにRSIが30を割り込んだ時点で、すでに売られ過ぎの状態になっていることを示しています。
そして、右側のチャートでは、いったんの調整で上に向かった後、次の下落でダイバージェンスがついています。
ということは、RSIが30(または70)をつけた時点でいったんの調整に入り、その後続落(または続伸)すると、ダイバージェンスがつく可能性が非常に高いということになります。
よって、RSIの値が30(または70)をいったんつけた時点で、その次の動き次第でダイバージェンスがつくかもしれないと予測ができるのです。
勢いの強いトレンド相場では、ダイバージェンスが2回以上つくこともあるので、この予測だけで判断するのは危険ですが、レンジ相場ではRSIのダイバージェンスが2回つくことはほとんどありません。
レンジ相場において、レンジの上限と下限でダイバージェンスがつけば、その後はほぼ間違いなく反落または反発となります。
レンジ上限や下限付近でRSIの値が30または70をつけたら、次の動きでダイバージェンスがつくことを予測して、事前に指値の注文をレンジの上限や下限に入れておくことが可能になるのです。
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レンジ相場では有利なテクニック
このダイバージェンスの予測は、もちろんトレンド相場でも使えるテクニックですが、レンジ相場であれば、かなり有効なテクニックといえます。
今後、チャートを見る際に、RSIの値を気にしながら、ダイバージェンスの事前予測ができるように練習してみてください。(月刊FX攻略.com 2013年2月号掲載)
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