今回はファンダメンタルズという広い世界の「体系」の話をしていきたいと思います。
価格が決まる要素とは
基本的に、マーケットの値動きというのは、全て「資金の流出入」で決まります。
どういうことかというと、例えどんなニュースが出ようが、米ドル/円が上がるには、ロングする資金流入とショートの資金流出で、ロングが勝つからこそ上がるわけです。
厳密には少し違いますが、成行きでも買いたいという人が成行きでも売りたいという人より多いと値段は上がりますし、その逆もしかりです。
結局のところ、需給関係が価格を決めています。
ここで、考えていただきたいのは、例えばよくニュースで出ている「雇用統計が好感されて、米ドル/円が上昇した」というのは、大事な文言を端折っているのです。
正しくは、「雇用統計が好感されて、買い需要が売り需要に勝ったため、米ドル/円が上昇した」です。少しの違いですが、これは実は大きな違いです。
前者では、雇用統計が良ければ米ドル/円は上昇する、というのは、あたかも宇宙の法則のように扱われています。
後者では、結局それが、需給要因に変化を与えた前提の一つであることが分かります。
ファンダメンタルズ分析を、前者のように、「宇宙の法則」のようなものを暗記する作業だと考えてしまうと、必ずその反対の動きについていけず、失敗してしまいます。
ファンダメンタルズ分析とは、後者のように、「需給要因の前提に対する変化」を論理的に分析していくものなのです。
需給とは資金の流出入です。そして、資金の流出入に関しては、「非投機的資金取引」と「投機的資金取引」に分かれます。
何やら難しい言葉が出てきましたが、前者は貿易や政府の介入など、反対売買が想定されていない資金流出入のことです。
そして後者は、我々のようなトレーダーの、反対売買が前提となっている取引のことを指します。
ここで、問題になるのは、日々の資金流出入の中で、大切なのは、ほぼ「投機的資金取引」由来のものである点です。
唯一、金融緩和や為替介入といったものは大きな影響力を持ちますが、それ以外の非投機的取引は、現代においてほとんど影響力を持ちません。
勿論、これは現代においての話であり、いずれ変化する可能性があることは、頭に入れておいてください。
投機的資金取引は何に影響を受けているのか
では、この投機的資金取引は、一体何で動いていくのでしょうか。
これには諸説ありますが、私が考えている枠組みとしては、シンプルに、
「金利水準」と「為替レートそのもの」に最も大きく影響を受けると考えています。
高金利通貨には資金が流入し、低金利通貨には資金が流出していく傾向があります。
実はここの因果関係というのは思っている以上に複雑で、藤巻健史氏の著書「実践・金融マーケット集中講義」に詳しいですが、まぁ基本的に金利水準の重要性に関してはマーケット参加者はアグリーしていただけるかと思います。
そして、為替レートそのものというのは、ジョージソロス氏の唱えるマーケットの再帰性の考えを私なりに解釈しているものであり、この再帰性こそが、テクニカル分析・チャート分析を、ある意味自己実現的に有用たらしめている理由かと考えています。
少し話が難しくなりましたが、要はファンダメンタルズを追うことで一番重要なのは、「金利水準」に対するマーケットの考え方を予想していくということなのです。
今回のまとめ
まとめますと、
- 為替レートを決めるのは資金の流出入
- 資金の流出入には、非投機的資金取引と、投機的資金取引がある
- 日々最も大きく影響を与えるのが、投機的資金取引
- 投機的資金取引に影響を与えるのが、金利水準と為替レートそのもの
- なので、ファンダメンタルズを見る際は、金利水準へと落とし込んでいくことが重要
ということになります。
では、次回から、金利水準を見ていく上で重要なファンダメンタルズ用語を、ゆっくりと紹介していきたいと思います。
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