では、今回は米国独自の中で、雇用・労働関連の経済指標解説の第一弾、経済指標のFXマーケットにおける現在の王様、雇用統計について話していきたいと思います。
雇用統計とは?
雇用統計はさすがにほとんどの読者の皆様も十重ご承知のことと思われますが、今一度おさらいを。
雇用統計とは、米労働統計局(BLS)が毎月発表している経済指標で、事業調査(CES:Current Employment Statistics)と家計調査(CPS:Current Population Survey)で構成される労働統計です。
基本的に、毎月第1金曜日に発表されます。NFP(Non Farm Payroll)とも訳されますが、全て雇用統計のことです。
事業調査では、毎月14.3万社の企業及び政府関連機関に対して調査を行っています。
市場で注目されている非農業部門雇用者数は農業部門以外でフルタイム・パートタイムの労働につき、BLSが定める雇用統計調査期間内に労働の対価(賃金)が支払われた人数を指しています。ただ、個人事業主、家族従事者、ボランティア、軍人などいくつかの項目は除外されています。
市場の注目は、基本的にはヘッドラインの非農業部門雇用者数と失業率です。
しかし最近、何度かこのコラムでもお話ししている通り、FOMCの動向によっては、賃金上昇、労働参加率なども重要視される傾向にあります。
ですので、基本的には雇用者数と失業率に注目しておけばよいのですが、FOMCにおいて言及のある限り、その他の数字にも注目する必要があるということは、頭に入れておいてください。
雇用統計との向き合い方
さて、ではこの雇用統計とどのように向き合っていけばよいのでしょうか。
基本的な考え方は今までと同じく、コンセンサスより良ければドル高材料、コンセンサスより悪ければドル安材料でよいでしょう。
ただ他の経済指標と大きく違う点は、経済指標の王様と呼ばれるだけあり、基本的に発表前後におけるボラティリティが異常に大きくなる点です。
さらに、当然マシントレードをしてコンマ何秒の世界を争っている連中が多数いることから、ポジティブだ!と思ってドル買いポジションを取ろうと思っても基本的には間に合うことはないと思います。
この雇用統計という指標は、今後の相場の方向性を、そこでがらりと変えてしまうことができるほど力のある指標です。ですので、実をいうと最も扱いにくい指標でもあります。
雇用統計をFXに活かす方法とは?
実践的には、この指標の使い道というのはかなりあると思われます。
超短期的な動きをアルゴでとりにいくという道もありますし、ブレイクにどこまでものっていくブレイクポイントとして使うという道もあります。はたまたボラティリティを取っていくという道もあるでしょう。
ただ、普通にこの雇用統計をみて、その後にポジションを取るというトレードは、実はなかなか難しいところがあります。
第一に、エントリーするころには大きく動いてしまっていて、考えられるリスクリワードがすでに悪くなっている可能性があります。
第二に、注目者が多すぎることから、セルザファクトとなるとも限らず、逆にオーバーリアクションになるとも限らず、その後の需給の傾きを読むというのは相当に難しいです。私はできません。
ですので、すでに雇用統計前に短期ポジションを持っているなら、リスク回避に外すか、少しギャンブルに回してみるか、といったところでしょう。ボラティリティが大きくなるのでギャンブルする場合は、リスクを抑えるのと、ストップを広くすることを忘れずに。
長期ポジションをもっているのであれば、雇用統計の結果と自分のシナリオを照らし合わせて、マシ玉をするか、切っていくかの判断をしていけばよいと思います。
まだポジションを作っていない場合は、テクニカルベースでいくのかファンダメンタルベースでいくのかは各人次第ですが、あまりお祭りハイにならずに、慎重にポジションテイクをしていきましょう。
雇用統計は、王様ですが、利益をもたらしてくれるという意味での王様ではありません。あくまで注目度、ボラティリティにおける王様です。
変にこだわって無茶なトレードだけはしないように、気を付けて頂きたいと思います。
では、次回はこれまた重要な、失業保険申請件数に関してお話ししていきたいと思います。
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