3月18・19日に行われたFOMC後の会見でイエレンFRB議長は、QE(量的緩和)終了は今秋になるとの見方を改めて示したうえで、「かなりの期間低金利維持」はおそらく半年程度を意味すると述べた。
毎回のFOMCで100億ドルずつQEを縮小していけば、今年10月に終了するため、市場はそこから半年後の来年春には最初の利上げがあると受け止めた。
米国長短金利は一時急上昇し、「米ドル/円」も101円から102円台後半へリバウンドした。しかし、イエレン議長の会見内容をよく読むと、来春利上げ開始の期待は早計であることがわかる。
議長は会見の冒頭で、長期失業者が失業者全体に占める割合が依然高く、労働参加率も低下していることを強く懸念している。
この会合でFOMCは緩和解除の基準となる失業率の基準値6.5%を撤廃し、今後はより広範囲の情報を考慮することを決めたが、それは雇用市場の回復が確認される前に失業率が基準値に達し、FOMCが望まない形で利上げ期待が高まるのを防ぐことに狙いがある。
そして、イエレン議長は「現在の軌道において、利上げ開始が適切となるのは来秋と見込んでいる」とも述べている。
来秋となると、QE終了から1年先となり、前述の「半年程度」とはニュアンスが異なる。
文脈から考えると、「おそらく半年程度」というのは「少なくとも半年程度であり、状況次第ではもっと長くなる」ということをいいたかったのだろう。「口が滑った」というより、舌足らずだった可能性が高い。
実際、イエレン発言で湧き上がった早期利上げ観測を打ち消すため、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁やエバンス・シカゴ連銀総裁らハト派の重鎮からは、利上げは来年後半以降になるとの「火消し発言」が相次いでいる。
FRBは、後々問題を引き起こしかねないQEはなるべく早く終了したいが、インフレが落ち着いている限りにおいては、利上げはできるだけ先送りしたいと考えているはずだ。
金利先物市場は来年4月の利上げ開始を一部織り込み始めているが、その期待は行き過ぎている可能性が高い。
さて、今週金曜日にはいよいよ米国3月の雇用統計が発表される。
NFP(非農業部門雇用者数)の伸びは+19万人(前回+17.5万人)まで回復すると予想されており、いよいよ米国景気が平常に戻ると期待する向きもあるだろう。
だが、過去3カ月分が寒波の影響で下振れし、今後はその反動が上乗せされると考えると、景気の実態を正確に反映しているかどうかは疑わしい。
つまり、今回のNFPが強い結果となったとしても、FOMCの政策判断に大きな影響を与えるとは考えにくく、米国金利やドルの上昇余地は限定されるであろう。
逆に、もし結果が予想を下回れば、利上げ期待が一気に冷やされ、思わぬドル安を招く可能性も考えられる。
今回のようにコンセンサスが高いときはそれだけ期待が先行していることを意味する。高いハードルにつまずいて転倒しないように気を付けるべきであろう。
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