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週刊FXシナリオ|ドル円は年初来安値を更新、一時108.04へ(9/8 7:51)[阪谷直人]

ドル円は年初来安値を更新、一時108.04へ(9/8 7:51)

昨日ドル円は年初来安値を更新、一時108.04へ下げました。
背景は、米10年債利回りの低下です。

引けは2.045%と前日比0.06%の利回り低下ですが、一時2.034%と昨年11月10日以来の水準へ低下。理由は、ハリケーン・ハービーとハリケーン・イルマの景気への悪影響の懸念が拡大している事です。

ハリケーン・ハービーの被災地、南部テキサス州では被災の申請者が急増しています。失業保険申請件数も今後増加してくるものと想定されます。

昨日は、ECBがユーロ高へのけん制発言をし、ユーロ圏のインフレ率見通しを下方修正した事で、ドイツ10年債利回りは0.03%近く低下、こちらは6月下旬以来の水準へ低下、米国債利回りに下押し圧力をかけました。

結果ドル円は、年初来安値の4月17日安値の108.12を、108.04まで安値更新をしました。

因みに、米国株はまちまちの動きで小動きでした。

NYダウは、前日比22ドル超安の21784、
NASDAQ指数は、同4ポイント超高の6397
でした。

ここで昨日のニュースで注目すべきは2つあり、

(1)米議会上院が、ハリケーン・ハービーの災害被害に対する総額152億5000万ドルの救済金、および連邦債務上限を12月8日まで引き上げる措置を承認した事です。

下院は前日6日、約80億ドルの被害救済金を承認済で、上院の法案は下院に戻され、今週内に修正法案が採決にかけられる見通しで、承認された場合にはトランプ大統領が署名をして成立となります。

そうなれば「9月の3つのリスク」の1つがクリアされます。

(2)トランプ大統領の「北朝鮮の核開発問題に対応するにあたり、(出来れば)軍事行動は回避したい」との発言です。

ただ「これまでの外交努力は北朝鮮側の責任で失敗に終わった」との見解も述べている事から、見通しは依然不透明ではあります。   

「軍事行動は当然選択肢の1つとなる」
「ただ、不可避でないものはない」
「軍事的な路線は(出来れば)とりたくない」
「米国が北朝鮮に対し軍事力を行使した場合、北朝鮮にとり非常に悲しむべき事態となる」

見方によれば、米軍事力の行使と言う圧力をかけているともとれ、北朝鮮の建国記念日9月9日を明日に控え、要警戒です。

ECB理事会後、1.2059へユーロ急伸(9/8 5:15)

ECBは今回の理事会で、

(1)主要政策金利を予想通り据え置き
(2)政策ガイダンスも変更せず
(3)為替相場のボラティリティーは金融政策運営を巡る「不透明性の要因」と認識

しました。 

ECB理事会後、1.2059へユーロ急伸しました。

ECBは今回の金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を据え置き、フォワードガイダンスを維持しました。しかし、その後に行われた記者会見でドラギ総裁は、

(1)10月に大半の量的緩和(QE)に関する決定を下す、次回10月会合でのQE縮小計画発表を示唆。

(2)ECBは2017年のGDP見通しを2.2%と、2007年来の最高水準に上方修正。6月時点の1.9%から上方修正。

市場はこの成長見通しの上方修正を好感した格好でユーロドルは、1.1932から1.2059まで上昇し、8月29日につけた2014年12月来の高値1.2070に接近しました。

因みに昨夜はユーロ圏4-6月期GDP確報値も発表され、前年比が+2.3%と、市場予想や改定値の+2.2%より強かったこともユーロの買いを支えました。

ユーロ圏では経済成長が堅調でも、労働市場にスラック(緩み)が存在し、賃金上昇が見られない中、インフレ率はECBの目標を下回っていて、ECBが資産買い入れ縮小の是非を決定するにあたり頭が痛い問題となっています。

ですが市場は、「インフレ見通しが低下していることについて、ユーロ高が背景にある」とのトラギ総裁のユーロ高けん制発言でのユーロ売りよりも、成長見通しの上方修正のユーロ買いで反応しました。

ドラギ氏は理事会後の記者会見で、

「ユーロ高に懸念を抱く理事会メンバーが増えている」
「今後の金融政策討議で議題の1つになる公算が大きい」
「前回の理事会では、ユーロ高に懸念を示したメンバーは一部だったが、今回の会合ではあらためて大半のメンバーが表明した」
「ユーロ高が輸出動向に影響を及ぼす可能性」

とまで述べている事から、今後のユーロの動向は上値が重たくなってくるはずと想定します。

その証左に今回の高値は1.2059と、8月29日につけた2014年12月来の高値1.2070に接近したものの、高値更新には至りませんでした。

まずは「連邦債務上限の引き上げ」にほぼ成功!(9/7 6:51)

一時的とはいえ、トランプ大統領は連邦債務上限の引き上げなどの案に目途を付け、取敢えず足元での米国の債務不履行(デフォルト )を回避する事が出来そうです。「9月の3つのリスク」の1つに解決の目途を示した事でリスク・オフが和らいでいます。 

ですが、正確にはまだ成功はしていなく、どういう状況下と言えば、

(1) トランプ大統領が先ず昨日6日、ハービー救済措置と連邦債務上限を3カ月引き上げる法案を抱き合わせにする民主党の議会指導部が提示した案を支持する考えを示しました。

(2) これを受けて、米下院は昨日6日、ハリケーン・ハービーの被害の救済・復興支援に向けた80億ドル規模の支援措置第1弾を承認しました。

(3) これで上院の採決で承認されれば、今週内にも大統領が署名することになり、そうなって初めて法案が成立する事になり、「連邦債務上限の引き上げ」に成功! となります。

(4) 共和党のマコネル上院院内総務は、民主党案に賛成したトランプ大統領の決定に支持を表明している事から、ほぼ間違いなく法案は承認されるでしょう。法案が承認されれば、債務上限は12月15日まで引き上げられ、米国の債務不履行(デフォルト)や政府機関の閉鎖は回避されることになります。

この動きを好感して、米国株は上昇、NYダウは前日比54ドル超上昇、NASDAQ指数も同17ポイント超の上昇。米10年債利回りも、前日比0.04%上昇し2.10%台へ上昇しました。ただ12月に再び同じことが起きる可能性はあるので、要注意ではありますが。

因みに、今朝3時に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米経済が7月から8月半ばにかけ、控えめから緩やかなペースで拡大する一方、インフレ加速の兆候は引き続き穏やかな程度にとどまったとの認識が示されましたが、相場への影響はありませんでした。FRBの緩やかな利上げ計画や、9月のバランスシート縮小発表の可能性を織り込む市場の見方には変わりありません。

 そしてトランプ大統領はNY時間の終盤に、「2週間以内に税制改革について素晴らしい詳細を発表する」との発言をしたとの一部報道も有り、今後の展開に期待が持てます。

米朝関係の次は何?(9/6 9:57)

昨日東京時間の午後、「北朝鮮がICBMを移動開始、9月9日の建国記念日の前に発射の可能性も」と韓国紙が伝えたのをきっかけに、地政学的リスクを懸念した円買いが強まりました。 

これに対しトランプ米大統領は記者団に北朝鮮攻撃の可能性を問われ、「そのうち分かる」と攻撃を匂わせた事で、4・5日連日での日経平均の大幅下げとなり、米朝軍事衝突の危険性が高まったと危惧する市場・投資家の狼狽売りが続いています。

これまで北との対話路線を掲げて来た韓国の文在寅大統領でさえ、「可能な限り最も強い反応を」と呼びかけ、「北朝鮮を完全に孤立化させる新たな国連安保理制裁を」と述べています。

マティス米国防長官は「米国やグアムを含む米国領土、あるいは米国の同盟国へのいかなる脅威にも大規模な軍事措置で対応する」「我々は北朝鮮の壊滅を目指すわけではないが、そのための手段はたくさんある」と警告。

ヘイリー米国連大使は安保理の緊急会合で「米国は紛争は望んでいないが、米国の忍耐には限りがある」「この問題を外交を通して解決するには最も厳しい制裁措置の導入しかない」と主張。

これを受けて現在国連では15カ国で構成する安保理は、今週内に制裁措置の草案を作成するとされています。

トランプ政権は予てより北朝鮮に対して、超えてはならぬ一線「レッド・ライン」として核実験を示唆してきただけに、今回の核実験の強行は、米軍の軍事介入、特に局地的な軍事攻撃をする可能性が高まったと見る向きが強まっています。 市場・投資家はまさにそのように判断をしているので、リスク・オフの展開となっています。

 昨日もNYダウは前日比230ドル超安の21753、NASDAQ指数も同59ポイント超安の大幅下落、米10年債利回りも、前日比0.10%低下で、2.16%から2.06%へと約10か月ぶりの低水準を付けました。

3日に北朝鮮が核実験を行ったので、週明けは誰も1日の8月米雇用統計とか、非常に強かった米ISM指数の話をしていません。「政治」「経済」「地政学リスク」の3すくみと予てから申し上げましたが、今の市場は「地政学リスク」一色です。でもそれは、一時に1つの事にしか対応できないマーケットの特徴なので仕方ありません。

ただ、だからこそこの米朝関係の危機感の高まりがいずれ収まった際の、市場・投資家が目を向けるであろう次の材料をしっかりとフォローしておくべきです。

今の「地政学リスク」ではドル売りですが、その次の材料ではドルは売りなのか、買いなのか、市場・投資家が何をどちらに織り込んでゆくであろうかを、想定しておくべきです。

足元では米朝関係の緊張が高まり、それを警戒した市場・投資家はリスク・オフの中にあり、そしてこの問題は、前日申し上げたように、

(1)米大統領が、トランプ大統領から他の人物に変わるか

(2)北朝鮮の指導者が、金正恩氏から他の人に変わるか

どちらかが起こるまで、解決しないと想定されます。という事は、市場・参加者はいずれ「地政学リスク」以外の材料を織り込みにかかるはずです。 

(1)先ずは「政治」そして「9月の3つのリスク」でしょう。

昨日5日から、米議会は再開しました。そして先ずは債務上限の引き上げ問題を審議するでしょう。

実はこれに関しては朗報が有り、南部テキサス州を襲ったハリケーン・ハービーによる甚大な被害、その被災者支援の初期費用としてトランプ政権が要請した緊急予算78億5000万ドルは速やかに承認される必要があるからです。足元では新たな大型ハリケーン・イルマが発生し米南部へ接近していて、新たな被害が懸念されています。

下院は6日にも採決をする予定で、これに続いてすんなりと債務上限法案も通り、政府機関の閉鎖は避けられる見通しです。これはドル買い、少なくとも下値を堅くするでしょう。

(2)次は「経済」そして米金融政策でしょう。

上記(1)の如くハリケーンの被害は更に増しているので、米利上げのペースがより穏やかになるとの見方が強まり、これはドルの上値を重たくするでしょう。  ハリケーン・ハービーの被害で、年内の米景気不透明感が強まり、第3四半期の成長に影響が及ぶ可能性が高いと予想されるからです。そして新たな大型ハリケーン・イルマが米経済に新たな打撃となる可能性も織り込まれつつあります。

また、ブレイナードFRB理事は昨日、「米国のインフレ率は目標を大幅に下回っているため、FRBは物価が上向いていると確信を持てるまで利上げに慎重になる必要がある」と述べました。

低インフレが存続している限り、米利上げをすべきでないとの見方は他の委員にもある事で、ドル売り材料となる可能性があります。

(3)そして今後注目すべきは「貿易」です。

市場・投資家の目線は、「地政学リスク」に関しては、両者にらみあいのまま、長期にわたって平行線を続けるでしょう、と言うものです。ただ、両者のにらみ合いの時間が長引くだけで、決して軍事衝突には発展しないと、見切っています。

この「地政学リスク」から「貿易」へと材料は移るものと想定します。

TPP、そしてNAFTAと各国との個別交渉はまだ始まったばかりで、ポイントはトランプ大統領のいう「保護主義」の具現の仕方です。

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いつまで続くか、北朝鮮リスク?(9/5 8:30)

9月3日の北朝鮮の核実験を背景のリスク・オフ、円買い・ドル売りは継続中です。

緊張感が高まる米朝関係に関して、

(1)北朝鮮は核とミサイルの開発を継続し、その成果をアピールし続け、米国を挑発し続けるでしょう。

(2)米国からすれば、その北朝鮮・金正恩氏の暴走を止めるには、戦争以外の方法では、現行の制裁手段をより強化、具体的には「石油の禁輸」しか残っていない状況です。

何故、「石油」がポイントなのかと言えば、北朝鮮は石油の輸入国だからです。

石油が無ければ、

(1)北朝鮮の軍隊は展開できません。これは致命的です。

(2)加えて、一般の北朝鮮の国民生活が困窮してくるので国民による暴動を含め、北朝鮮の政治が不安定化してしまう可能性が高まり、北朝鮮の暴発を招くという危険性が高くなります。

なので、隣国としての北朝鮮の不安定化を望まない中国、ロシアからすれば「石油禁輸」は避けたいカードなのです。

先日、マティス米国防長官が「全ての方法はテーブルの上にある」との発言をしましたが、この言葉の意味は、「必要があれば、米国はいつでも軍事行動を起こすぞ!」との脅迫です。

そしてこれは誰に対してのメッセージかと言えば、勿論対北朝鮮ですが、同時に「石油禁輸」に躊躇する中国、ロシアに対して、足元の米朝関係は、そこまで緊迫した戦争行為前夜の状況にあるのだという圧力をかけているのだと思います。

緊迫化する米朝関係の解決する、考えられる方法は「対話」「武力行使」「圧力強化」の3つでしょう。

(1)先ず「対話」ですが、「核・ミサイル開発を中止・放棄しろ」との米国の思惑に対して、「核保有国として対等な国として米国に認めさせたい」北朝鮮の思惑、この正反対の思惑の間で、前向きな「対話」など無理でしょう。

(2)ならば「武力行使」、米国が先のシリア空爆の様な限定空爆を行うかと言えば、しないでしょう。今の北朝鮮の軍事力、ICBMも生物兵器も持っているのです、報復攻撃を受ける事は必至で、第二次朝鮮戦争を起こす事はしないと想定するからです。米国のみならず、同盟国である韓国、日本も、甚大な被害者が発生するからです。

(3)残る方法は「圧力強化」で、それは「石油の禁輸」を意味します。ですが北朝鮮の暴発を招くとの理由で中国・ロシアは反対です。今後は、国連での決議を含めて、米国が中国・ロシアを説得して「石油禁輸」を実施できるかに注目です。恐らく100%の禁輸の前に、部分的な禁輸から始まると想定します。

その「圧力強化」を進めながら、いつまでこの北朝鮮リスクがつづくのでしょうか?

米朝のどちらとも折れる事はあり得ず、話し合いで譲歩してくる事も考えづいので、思惑が平行線のまま、米朝の意見の対立はずっと続くでしょう。

なので、

(1)米大統領がトランプ氏から他の人へ変わるか
(2)北朝鮮の指導者が金正恩氏から変わるか

このどちらかが起こるまでずっと続くと想定します。

ユーロドルの動向に要注意!(9/4 8:45)

先週末9月1日、「ECBは12月までにテーパリング計画を完全には準備出来ない可能性がある」というECB関係筋発言の報道があり、ユーロドルは1.1979から1.1849へ急反落。

市場では、今後も、ユーロ上昇局面では、この様なユーロ高けん制の為の報道が報じられると想定すべきとの見方が強まっています。

そんな中、今週7日のECB理事会を市場・投資家は織り込んでいきます。

ECBによるテーパリングの準備が整うのは12月になる可能性があるとの関係筋の話を受け、9月ECB理事会でのテーパリング観測の後退を背景にユーロ売りが継続するのかの見極める局面です。

一方で1日、ノボトニー・オーストリア中銀総裁は「我々はユーロ高を誇張して表現すべきでない」「ユーロの動きは歴史的なレンジの範囲内にある」と述べていて、決して一方的なユーロ売りにはならないとも思われますので。

明日4日はレイバー・デーの休日なので、米国市場は休場です。

明後日5日から審議が再開する米議会の動向に注目です、税制改革法案や、債務上限引き上げ法案やの「9月の政治の3つのリスク」が本格化する訳です。

ただ今週の市場については、ドルの動向と言うよりもユーロドルの動向に要注意です。

既にECBのテーパリングが12月にまで後ろ倒しになるとか、ユーロ高けん制発言が織り込まれつつあり、7日のECB理事会の後のドラギ総裁の記者会見で、これらの点に関して肯定する内容となるのか、もう一段踏み込んだ内容となるのか、市場・投資家は注目しています。

更に、24日のドイツ総選挙に関しての政治的な不透明感もユーロの上値を抑えそうです。

9月4日からのドル円相場見通し(9/4 8:40)

ドル円は先週は、29日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した事で、地政学リスク回避の円買い圧力が強まり、108.27まで下落。しかし、トランプ政権の対応が冷静だった事、30日発表の米第2四半期米GDP改定値が3%と予想を大きく上回ったことで米追加利上げ観測が強まり110.67まで反発しました。

ドル円は9月4日からの週はどうなるかーー。「政治」「経済」「地政学リスク」の3すくみの大荒れ9月にいよいよ突入です。

先ずは「地政学リスク」で始まりました。

3日東京時間12:30過ぎ、北朝鮮が6回目の核実験を行い、金正恩氏の暴走、挑発行動が止まりません。米朝関係の緊張が高まる中、トランプ大統領は冷静な対応をすると想定され、北朝鮮から見て90%を占める中国、そしてロシアとの、より一段と厳しい制裁が予想されます。

ただ、市場への影響は限定的と想定され、下げても先の安値8月29日安値108.27までも下がらず、落ち着けば逆にショートカバーで高値追いなのではと想定します。

注意すべきは「政治」「9月の3つのリスク」です。

(1)9月29日が期限の米連邦債務上限問題、米国債がデフォルトの可能性
(2)9月30日が期限の米2018年度歳出法案、米国政府が閉鎖の可能性
(3)この2018年度歳出法案の前に、税制改革法案を通す必要があり

これらの急務を、夏季休暇明け9月4日米レイバーデ−翌日の5日から審議入りとなる米議会の動向に注目です。

ドル円が下値模索するとしたら、この理由で、米国株が大きめの下値調整となる時です。逆に言えば、米国株が堅調で米国金利が上昇、もしくは2.10%(10年債利回り)を割り込まずに推移するのであれば、ドル円も底抜けは無いと想定します。

もう1つのポイントは、8月25日のジャクソンホールでのドラギ総裁講演で、期待されていたテーパリング計画が示唆されなかったものの、ユーロ高けん制発言もなく、引き続きテーパリング観測を受けたユーロ買いが継続するのか見極める局面です。

ECB当局者が先週ユーロ高への警戒感を示した事で、10月以降の理事会へ先送りされる可能性、24日のドイツ総選挙への政治的な不透明感から、ユーロドルは上値重たくなりそうです。その意味で7日のECB理事会に注目です。

北朝鮮が核実験!(9/4 7:55)

9月3日(日)東京時間の12時半過ぎ、北朝鮮が6度目の核実験を行いました。その後15時過ぎ、北朝鮮は「水爆実験を行い、成功した」と発表。

北朝鮮金正恩委員長の暴走が止まりません。
米国に対する挑発行動が加速しています。

北朝鮮が目標としてきた(1)核保有と(2)核弾頭の小型化 の、2つをほぼ完成させたと見られます。

ここで留意すべきは、先の8月10日のグアム発言(北朝鮮がグアムに4発のミサイルを発射する計画有り)に対して、トランプ大統領の強い抗議をし、北朝鮮は速攻で反応しこのグアム計画を中止としました。

つまり、金正恩氏は踏んではいけない地雷をわかっていると見るべきです。

なので今後もトランプ大統領の言うレッドラインを超えないように、でも執拗に挑発行動を続けると想定します。具体的には、29日のミサイル発射の様な日本には負荷がかかるものの米国には直接害を与えない行動です。

これに対してトランプ大統領へは、このあたりの北朝鮮金正恩氏の限界を読み切っていると想定されるので、現行の制裁を強化するくらいしか行動しないでしょう。

(1)軍事的、経済的、金融的な制裁を一層強化し、
(2)米国のみならず、日本、韓国、そして中国、ロシアに加えて、恐らくドイツ等の欧州各国を加えようとする

のではないでしょうか。

米国、特にトランプ大統領の興味は「地政学リスク」以上に「政治」に腐心していると思われます。レイバーデー明け、5日からの米議会での税制改革法案、米連邦債務上限問題、2018年度米歳出法案、つまり「9月の3つの政治のリスク」が優先順位1位のはずです。 

恐らく、北朝鮮金正恩氏の限界を読み切っているとの認識は、中国、ロシアとも同じでしょうから、以前の本稿で述べた様に、想定される今後のシナリオは…、

(1)北朝鮮が国際的制裁に屈して核開発を放棄

→ まず無いでしょう。

(2)北朝鮮からの軍事攻撃

→ これも無いと想定します。

金正恩氏は米国と話をしたいのであって、戦争をしたいのでは無いからです。金正恩氏自身が述べている様に、米国が北朝鮮を制裁・圧迫するので、その米国に妥協させるためのいわば自己防衛的な、抑止的な軍拡だからです。

つまり、北朝鮮にとっての核兵器とは、米国を話し合いのテーブルに着かせる為に外交上に必要な脅しのカードなのです。このカードは持っている事に意味があり、決して使用してはいけないのです。米ソ冷戦時の相互抑止の為の核軍拡と同じです。

(3)米国からの先制軍事攻撃

→ これも無いと想定します。

米国防総省は米領グアムのアンダーセン空軍基地に配備されているB1爆撃機を使用し、北朝鮮国内にある約24か所のミサイル基地や実験場、その他関連施設等を全て爆撃し破壊する、というのですが、既にSLBM(潜水艦発射ミサイル)を搭載した北朝鮮潜水艦等が外洋に解き放たれている現状では、1回の第一波攻撃で北朝鮮の軍事力を壊滅するのは無理だからです。

(4)現状のままの長期膠着状態の継続

→ このシナリオが一番可能性が高いと想定します。

なので市場、ドル円の動きで見た際には、リスク・オフとしてドル売り・円買いで、ドル円の下値を試してくる際にはその底値を見極めて買いで良いと想定します。市場がサプライズで一旦動揺した後、落ち着いてくれば再度ドル買いが優勢となると見るからです。

北朝鮮絡みの米朝関係悪化に関する「地政学リスク」はもうこれ以上、北朝鮮は打つカードを持っていません、だからと言って、北朝鮮から軍事攻撃を行うという事も無いはずです。金正恩氏は極めて冷静で、巧妙なので、その意味では、次の一手に注目です、正直なところ手詰まりなはずなので、戦術的にどう動いてくるのか興味深い局面です。

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