淳一FXのスキャルピング教室|第7回 FXでなぜメンタルが重要なのか③

淳一のスキャルピング教室|第7回 FXでなぜメンタルが重要なのか③[淳一FX]

 第6回では、FXで最も重要だと言われる「メンタル」について、トレードに影響する意味や自分自身の問題点をピックアップし改善する方法などつづってまいりました。今回も引き続きメンタルについて別の視点から考えてまいりたいと思います。

プラスやマイナスを繰り返すのが第2段階

 この段階ではメンタルを気にかけ、冷静なトレードを心掛けてはいるものの1度の大きな損失で積み重ねた利益をなくしてしまう「コツコツドカン」が続いていたり、「ロットを上げると利益幅や勝率が下がる」「利益を欲張って失敗する」「良いときも多いのに調子が安定しない」など悪いことばかりではありません。とはいえ「資金は減りもしないが増えもしない」という、多くのトレーダーがぶつかる高い壁となり「最もつらく長い時期」になるかもしれません。これらの原因は手法もある程度関係しますが、やはり精神面が強く影響し「抑制面での抜け穴」や「相場から受ける心理的影響(自信喪失等)」「焦りからくるプレッシャー」などが主な問題(起因)として挙げられます。

 第1段階同様、常に冷静な判断ができていれば、たとえドローダウンが続いても「合わない相場」だとロットを調整したり、様子見をし無駄な損失を限定したり回避することができます。しかし、私たち人間には自身を守るがために「経験や知識から危険を察知すると興奮・緊張する」という本能が備わっており、想定外の値動きや連敗を完全に避けることができない相場ではこの本能こそが冷静な心理状態を保つことを阻害しているのです。生活の中では必要な危険を回避するための本能ですがトレードでは厄介な問題で、それは自分自身との戦いとなります。

 また、相場は生き物であって同じ手法を使い続けるとやがて難しくなるのが自然であり、私たちは日頃から微調整を続けていかなければいけませんが、いくら注意していても相場の変化時などは必然的にドローダウンになりやすいものです。ですがその度に喪失感や不安感に押しつぶされてしまうと、それこそが起因となり更に余計な損失を抱えることにつながってしまいます。

 この段階は、ある程度完成したトレード技術を持ち、精神面でも一定の安定は保っているもののわずかなきっかけで不安定となり、迷子になっている状態と言えます。

改善のためのヒント

①「コツコツドカン」

 これは利小損大トレードが主な原因だとよく言われますが、私はそうは思いません。スキャル、特にプライスアクショントレードでは利益より損失が大きくなってしまうのはよくあることで、多くのスキャルパーはそれらを勝率でカバーできていれば問題としていないからです。問題なのは平均的な利益より大きな損失であったとしてもそれが想定の範囲内なのか、そうでないのかということで「切るべき所で切れなかった」「エントリー時に想定していた価格を超えてナンピンをした」というように「ルール違反」をしてしまった事例です。

 ささいなきっかけが予定外の大きな損失につながるコツコツドカンの主な原因は、相場から受けるストレスの蓄積や利益を積み重ねている中での心の緩みです。当然ながら防ぐためには基本ルールを厳守することに尽きますが、視点を掘り下げそのような状況に陥らないための予備ルールを設けましょう。例えば「ストレスを感じたり思惑と一定以上ズレが生じた相場に気づいたりしたら1日休んで分析をやり直す」「連勝や連敗でロットを一定期間半減、または休憩」「ルールを破ったら1週間休む」など基本的なルールを破らないためのルールを設けましょう。

②「ロットを上げると利益幅や勝率が下がる」

 こちらも実際に多くの方が悩んでいます。これは単純に「金額」に対する精神的な負荷が原因であり、現状の適正ロットがオーバーしている可能性があります。よくある事例としてロットを増やす過程を「2倍ずつ」と考える方が多いのですが、10万通貨の次は20万通貨ではなく11万~12万通貨程度にして心理的な負担を極力抑えることが大切であり、その後、資金やメンタルが追いつけば更に少しずつ増やしていくといった方法が最適です。たとえ資金を2倍にすることに成功したとしても取引枚数を同じ2倍に引き上げてしまえば直接的な破綻率は同じ状態となり、更にメンタル的な負荷や約定の悪化(枚数が増えればスリッページが大きくなったり約定率が下がったりします)を考えればリスク自体は上がってしまうのです。遠回りに感じるかもしれませんが、ロットは少しずつ上げていく方が資金を増やし続ける近道となるのです。

③「メンタルの安定」

 そもそも人間は長時間の作業や、予期せぬ事態が起こってしまったときに冷静な精神状態を保てるようにはできていません! トレード中は特にほんのわずかなきっかけで壊れることがあります。それがむしろ必然であり、まずはこの本能を理解し受け入れましょう。闇雲に本能に逆らうのではなく、メンタルが崩れる予兆を感じたら休むことが大切です。その予兆を感じ取るための具体的なサインを見つけ、対策を施すことをお勧めします。

 

 次回は「FXでなぜメンタルが重要なのか④(仮)」と題しまして、引き続きFXに立ちはだかるメンタルの壁を徹底解剖! 今回の続きを「第3段階」よりご紹介させていただきます。

※この記事は、FX攻略.com2019年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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淳一FX(じゅんいちえふえっくす)

FXスキャルピングトレーダー・FXメンタルアドバイザー・FXコーチング・ファイナンシャルプランナー・保険代理店・経営コンサルタントなど、多方面で活躍。プライスアクションを中心としたスキャルピングにて、毎月1000pipsを目標にトレーディング。

Twitter:https://twitter.com/junichi_fx

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