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エリオット波動&200日移動平均線、一目均衡表、MACD etc|外為オンライン 佐藤正和の+α実戦FXチャート術

為替レートの上下動を「波」と捉えるエリオット波動は、相場展望や未来の値動き予測に使える優れた理論です。FXの値動きの多くは「推進5波、調整3波」の8波で構成されることを覚えておけば、次にどんな波動が来るかをあらかじめ予想できます。難解で曖昧な部分もあるので、他のトレンド系指標の補強・検証ツールとして使いましょう。

※この記事は、FX攻略.com2017年1月号の記事を転載・再編集したものです

【外為オンライン 佐藤正和の+α実戦FXチャート術】
平均足、各種移動平均線
ローソク足と酒田罫線
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移動平均線+RSI etc. トレンド系&オシレーター系の組み合わせ
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チャートパターン&移動平均線、MACD、フィボナッチ・リトレースメント
トレンドライン&過去の高値・安値
GMMA(複合型移動平均線)&ストキャスティクス、平均足、MACD

エリオット波動の「推進5波、調整3波」の仕組みと波動完成の条件とは?

エリオット波動は為替レートの未来予測に使える相場分析法です。未来の値幅や値動きを予測できる指標としては、

●フィボナッチ・リトレースメントなど0.618や0.382といった黄金比率を使った値幅分析
●チャートパターン完成後の目標レート算出法。例えばダブルトップ完成後は最高値からネックライン(中間安値)の値幅分、さらにネックラインから下落することが多いetc
●一目均衡表の未来に張り出した雲を目安にした値動き予測

などが有効ですが、エリオット波動も「推進5波、調整3波」の考え方を使って、さまざまな未来予測ができます。

エリオット波動を編み出したのは、20世紀初頭の米国人アナリスト、ラルフ・ネルソン・エリオット(1871年〜1947年)で、1960年代になって再評価され、投資家の注目の的になりました。

エリオット波動論を一言で表すと、「相場にはサイクルがあり、値動きには一定のリズムがある」ということになります。

エリオットは、過去のNYダウ平均を緻密に分析することで、値動きの中に「上昇→下降→上昇」というジグザグの波が一定の規則性を持って何度も出現することを発見しました。これが「推進5波、調整3波」という、エリオット波動の根幹をなす上下動のパターンです。トレンドを加速させる波動は「推進波」、その後、トレンドが失速もしくは転換し調整に転じたときに出現する波動は「調整波」と呼ばれます。

つまり、上昇相場は「上げ→下げ→上げ→下げ→上げ」という五つの波から成り立ち、その後には「下げ→上げ→下げ」という三つの波による下降調整相場が続くことが多いのです(図1)。

エリオットが発見した、この「推進5波、調整3波」の流れを頭に入れておけば、「今は推進5波の2波目の下落局面なので次に3波目の上昇モードに入る」とか、「推進5波が終わってトレンド転換が濃厚なので今後は調整3波のサイクルに沿って売買すべきだ」といった未来予想が可能になります。

エリオット波動論は特にトレンド転換の予測に強く、1929年の世界大恐慌や1987年のブラックマンデーの大暴落を見事に的中させ、投資家から注目を浴びるきっかけになりました。

為替レートの波動はいわば“入れ子細工”のような構造になっているので、「推進5波、調整3波」の一つの波の中に小さな3波や5波が発生するケースもあります。そのため、長期的な為替展望から短期売買まで幅広く使える点も長所といえるでしょう。 

図2は「米ドル/円」チャートにおける上昇トレンドの推進5波をカウントしたものですが、エリオットが発見した「推進5波」には次のような条件があります。

●2波は1波の起点(安値や高値)を越えない
●3波が最も大きな値幅、値動きになることが多い。これを「エクステンション(波の延長)」と呼び、大波の中に三つや五つの小波が発生するケースも頻出する
●1波、3波、5波のどれか一つが大きな波動になる
●4波と1波は重ならない
●3波、4波はそれまでの値動きのチャネルをブレイクする
●2波と4波の形状は異なる

エリオット波動を測定するためには、その上下動がこうした条件に適合しているかを確認する必要があります。

確認できても必ずしも「推進5波」にぴったり当てはまらないケースも多いのがエリオット波動の短所です。短所を防ぐ意味では、エリオット波動はあくまで相場の大局観をつかんだり、未来展望を行うツールと考え、より分かりやすい他のトレンド系指標の売買シグナルを検証するために使うのが良いでしょう。

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超長期的な「米ドル/円」波動から見た今後の相場展望と目標レートとは?

図3は「米ドル/円」のここ20年間の超長期月足チャートです。

エリオット波動は相場だけでなく、1000年単位の歴史にも適用できるサイクル分析なので、為替相場の長期展望に使うと非常に威力を発揮します。

図3の歴史的な値動きを見ると、「米ドル/円」は1998年8月に147円台の戻り高値をつけた後、約14年間の下降トレンドに突入しています。その上下動は、エリオット波動の推進5波にぴったりと符合しており、

●「1波=1999年11月安値1ドル100円台」→「2波=2002年2月高値134円台」→「3波=2005年1月安値101円台」→「4波=2007年6月高値124円台」→「5波=2011年10月安値75円台」

という「推進(下降)5波」が完成した後、「調整(上昇)3波」に転じています。長期的に見た場合、2012年10月以降に鮮明になった「米ドル/円」の上昇トレンドは、実は14年間に及ぶ長期下降トレンドの「調整波」と捉えるのが妥当といえるのです。

ただ、2012年以降の上昇トレンドを調整波として見る場合、図3の①の波動のように既に2015年6月の125円台の高値で調整3波が完成して、現在は新たなサイクルの第1波目なのか、それとも、図3の②の波動のように、15年6月高値までが調整A波で現在は調整B波なのか、の判断は難しいところです。

エリオット波動の場合、「判断が難しい=予測できない」と投げ出すのではなく、「こういう解釈ができる→その場合はこういう値動きで動く可能性が高い」と柔軟に考えることが大切です。つまり、

●直近の「米ドル/円」の下落が調整B波で今後、調整C波に転じて再び円安方向に戻るケース
●現在の下落が新たな下降推進5波の第1波目のケース

という2通りの未来を想定すべきなのです。

調整波の場合、「B波はA波の50〜61.8%の戻しで収まる」のが通常の波動といわれます。

図4は図3の反転上昇トレンドをクローズアップしたチャートですが、図4の上昇の起点となった2011月10月の史上最安値75円32銭と、終点となる2015年6月高値の125円85銭にフィボナッチリトレースメントを適用すると、50%ラインは100円台、61.8%ラインは94円台後半になります。

既に「米ドル/円」は今年に入って1ドル100円台を割り込んでいますから、現在、最も重要な下値の目標レートは、61.8%ラインが位置する1ドル94円62銭のラインになります。

つまり、「米ドル/円」が94円台を割り込んで下落した場合は、現在の下落は新たな下降推進波の第1波と考えるのが妥当。94円を割り込まず、今後38.2%ラインの106円半ば、23.6%ラインの113円後半まで戻すようなら現在の下落は調整B波、と考えることができるのです。

今後の「米ドル/円」相場では「売りの目標レートは94円台」「買いの目標レートは106円台」を意識して取引するのが妥当ということになります。

他のトレンド系指標と組み合わせて、一番稼げるトレンド転換や3波目を狙う

図5は昨年12月18日に124円台の高値をつけて以降の「米ドル/円」日足チャートに、長期トレンドを占うのに最適な120日・200日移動平均線と一目均衡表の雲を描画したものです。

一見して分かるように、今年の「米ドル/円」は120日移動平均線や一目の雲が上値を抑える強力な抵抗帯になっており、完全な下降トレンドで推移しています。

ただ、9月後半に入ってからは雲の上限を突破し、120日移動平均線越えを試す、少し違った展開になっています。これまでの「米ドル/円」の上下動に番号を振ると(保ち合い相場も一つの波にカウント)、計14の上下動が起こっています。

それとは別に、「戻り高値が直近の高値を越えない限り、下降波が継続」というルールを基にエリオット波動の「推進5波」を適用すると、図のように下降5波が既に完成し、現状は調整A波が継続中と考えることもできますし、下降5波が継続中と見なすこともできます。

下降トレンドの場合、調整波には「最大でその前の推進4波でつけた高値近辺まで戻す可能性がある」というルールがあります。

このルールに基づくと、「米ドル/円」の直近の上値メドは推進4波の戻り高値が位置する106〜107円台になります。

ただ、図5を見ると、その辺りで右肩下がりの200日移動平均線とぶつかることになるので、106円台を突破するのは至難のワザのように見えます。

反対に、現在の「米ドル/円」はいまだ下降5波の第5波が継続中だと考えると、「米ドル/円」が反転下落し、雲入りした時点で売り取引して、直近安値の100円前後まで下落する値動きを狙う取引が有効でしょう。

ちなみに、エリオット波動では、「下げ→上げ」という2波が来たあとの3波目の「下げ」を狙うのが最も有効です。なぜなら、3波目が推進波の場合、「エクステンション」が起こってかなり大きな値幅を稼ぐことができる可能性が高いからです。

図5でも、推進5波の中で3波と思われる下げが「エクステンション」しており、3波目を狙って売りで勝負すれば非常に大きな値幅を稼ぐことができました。

エリオット波動は入れ子細工のように細部にも宿るので、短期売買のタイミング探しにも有効です。

図6は8月下旬から9月上旬の「米ドル/円」の1時間足チャートに、25・75時間移動平均線とMACDを描画したものです。この時期は下降トレンドが続く中で「米ドル/円」が一時的に反発しており、戻り売りを狙いたい局面でした。

その際の決め手は、Aの地点の移動平均線のデッドクロスやBの地点のMACDの0ライン割れになります。さらに、上昇トレンドのサポートラインをいったん割り込んだ後、再びサポートライン近辺まで反発上昇したものの、サポートラインを越えることができず再下落に転じるパータン(図のCの地点)も非常によく出現します。

ここで、それまでの上昇局面の波動を数えてみると、図のように推進5波が完成してDに到達した後、下落に転じています。それ以後の値動きが調整3波であることを意識していれば、その後の為替レートの移動平均線割れやMACDの0ライン割れで安心して売り取引を行い、大きな値幅を稼ぐことができました。

あくまで結果論の面もありますが、他のトレンド系指標で売買判断した上で、「エリオット波動でも売りシグナルが出ているか」をチェックすると、より精度の高い取引が可能になります。

長期的な相場展望から短期売買まで、エリオット波動にはさまざまな活用法があります。ぜひ、「推進5波、調整3波」を視野に入れた実戦売買に挑戦してみましょう。

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※この記事は、FX攻略.com2017年1月号の記事を転載・再編集したものです

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