元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方|第9回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析②[浅野敏郎]

浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。前回に引き続き、三波動の考え方を軸とした分析方法で直近と今後のドル円相場を読み解いていただきます。また、それを基にした売買プランも提示してもらいます。

※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望
第8回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析①

もみ合いではあるが上昇示唆の兆候あり

トランプラリー以降のドル円は、値幅が大きいレンジ相場を作りながら、反落気味にもみ合う中、9月上旬には108.13前後のもみ合い下値を107.32前後へと更新し、下落バイアスが強まった矢先に強い反発に遭うなど、先月号では増々方向感をつかみにくい相場になったことをお伝えしました。

目先の下落を否定するには、まず7月上旬につけた114.50前後の直近高値⑥を越えることだと、先月号を締めくくりましたが、以降のドル円相場はここまで、日経平均株価が歴史的高騰を続ける中、小幅な値動きに留まっています。したがって相場の水準は先月号から大きくは変わっていないものの、直近高値を試す細かい兆候がいくつか見えてきましたので、日足チャートで確認してみましょう(チャート①)。

トランプラリーの上昇を指すI−J以降の相場は、その半値水準を示すI−Jmidより上で推移できており、下値更新直後に大きく反発した値動きは、上昇相場にとっては有利な兆候であることは既に述べました。

一方で、高値Jから反落して本格的にもみ合い始めた4月以降の相場は、アベノミクスでつけた高値Hとその後の下落でつけた昨年の安値Iとの半値水準を示すH−Imidより下でほとんどを推移しており、もみ合いながらも下落基調を維持している相場は、H−Iの下落の影響が考えられました。しかしこの1か月の間に、H−Imidの水準より上を試す推移が見られたことで、直近の上昇相場となるI−Jや、大幅に上昇したアベノミクス相場の影響を試し始めた可能性があると思われます。

加えて、J以降の反落相場に引けるいくつかの下落レジスタンス・ラインのうち、代表的なJ−⑥ラインを越えて終わる値動きが見られたことは上昇相場への期待を掛けられる兆候になります。

一目均衡表が押しや戻りとして機能していないことが、相場を混沌とさせているもみ合い相場を物語っているとしましたが、こちらにもいくつか上昇を示唆する兆候が見え始めています。

まず10月半ばの押しは日足遅行スパンで見ると、先行スパンでサポートされたこと。そして安値⑦以降の基準線は一度も下げることなく、先行スパンの上に出て以降も上げ続け、相場が逆行する動きも遅行スパンがサポートされ上昇を継続したことで、三役好転がより強調される結果となっています。

週足ではまだ転換線が好転できていない状況ですが、相場の位置はおおむね日足と同じであり、高値⑥を越えれば既に好転しているはずの転換線は基準線と共に自発上昇できる形が整ってきたように見えます。先月10月に押し目を作った下落も、遅行スパンを見ると当時の転換線でサポートされた格好になっており、個人的には底値確認としては頼りなく感じるものの、相場自体は細かい下値確認をこなしているように思います。

⑦以降の反発をいろいろな角度で確認してみた結果、結局は⑥を越えなければ値動き自体、方向を示しきれないことを証明するばかりですが、少なくとも地固めはできてきた印象が強まってきましたね。

大きな動きには乗らず押し目を拾うのが賢明

さて売買プランですが、J−⑦midである113.00前後からH−Imidの112.40前後にかけてのサポート水準が今回の一番大きなベースになります。H−Imid以上でドル買いエントリーとし、ストップは⑦以降で押し目を作った111.70以下に想定できればベストでしょう。

下値を試す動きがないまま上昇する場合、⑥を越えた時点で相場を追いかけたい意識はありますが、115円台中盤はかなり上値が重い可能性が高く、一気に高値Jを試すような動きに至るイメージが湧きません。1円程度の値幅を目標に短期で追随を試す価値はありそうですが、今のところは地道に押し目を拾うプランが良さそうです。

というのも、やはり株式市場の一方的な上昇がリスクになりつつある中、ドル円が連動できていないのは、円安相場ではないことを意味します。ドル高相場を想定した場合、ユーロやポンドなど多くの他通貨は下落相場となり、結局はクロス円の売り材料になりやすいです。また、株式市場で一時的なリスクオフの動きが発生した場合は円高相場に直結しやすく、H−Imidの水準すら今のところ鉄板とはいえません。

本格的なドル円相場の上昇をもくろむには高値Jの上抜けが必須ですから、そうなると⑥を上に抜けた後も、展開としては水準を一段上げたもみ合いを想定した方が順当でしょう。もし今後、トランプラリーの急騰を促したような急落があれば、I−Jmidを限界として、⑦割れでストップというプランに変更しようと考えています。

※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望
第8回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析①

浅野敏郎の写真

浅野敏郎(あさの・としろう)

東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。

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