利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
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皆さんこんにちは。前回は「ダブルトップ/ボトムの本質」を解説しました。トレンド転換がどのように起こり、投資家の心理が変化するかを学びました。本来ならばここでダブルトップ/ボトムの応用編に進みたいところですが、そのためには理解しておかなければならない項目があります。それは、今までに解説してこなかった事柄ですので、そこに焦点を当てたいと思います。
今回取り上げるのは「サイクル」という考え方です。この考え方を理解することで、さまざまな分析で活躍する応用編への理解度が一気に高まります。
サイクルって何?
チャートを見ていると、価格が波打ちながら上がったり下がったりしていることに気づくと思います。その価格推移を見ると、一定の時間間隔をもって高値や安値が繰り返されています。そのパターンや周期のことを、サイクルといいます。
チャート上で安値(谷)をつけてから、上昇して高値(山)をつけ、再び価格が下降して安値(谷)をつける…といった一連の推移です。チャート分析を行う上で、一定の間隔で繰り返し起こり測定可能なパターンがあれば、その習性を抽出して将来を予測するツールとして活用できます。
サイクルの定義
サイクルは、「振幅」「周期」「位相」という三つで定義されます。難しく感じるかもしれませんが、非常に簡単なのでご安心ください。では、図①で一つ一つ見ていきましょう。
まず、振幅とは安値から高値までの価格幅のことをいいます。この安値から高値までの価格幅を常に測ることで、サイクルの価格変動幅が分かります。
次に、周期とは最初の安値から次の安値までの期間です。期間を測定することによって、このサイクルの期間がどの程度かが分かります。
最後に、位相とはサイクルの高値と安値の位置で定義され、これによってそのサイクルが強気なのか、弱気なのかが分かるようになります。
強気と弱気のパターンを理解する
サイクルには、強気と弱気のパターンがあることを説明しました。ここをさらに深堀りしていきます。
チャート①を見てください。安値から高値を経て、次の安値に行くまでが一連のサイクルです。最初の安値と次の安値の位置を確認することで、サイクルが強気のパターンなのか、弱気のパターンなのかを判断します。強気の場合は、最初の安値よりも、次の安値が高くなります。弱気の場合はその反対で、最初の安値よりも、次の安値が安くなります。
一般的な強気のサイクルは高値がサイクルの中心よりも右寄りとなり、弱気のサイクルは高値がサイクルの中心よりも左寄りとなります。
そして、サイクルは連続しやすい傾向にあることも覚えておきましょう。強気のパターンの後には強気のパターンになりやすく、弱気のパターンの後には弱気のパターンになりやすいということです。
これを理解しておくことで、強気のパターンの後に弱気のパターンが来れば、サイクルに変化が起きていると分かるようになります。
サイクルの振幅、周期、位相を理解しよう
サイクルの振幅・周期・位相の三つを理解すると、そのサイクルの特性が分かり、この次に来るサイクルがどういったものなのかを予測できるようになります。なぜなら、価格幅(振幅)の大きさが分かると、相場の強弱が分かるからです。安値から高値の振幅が大きい相場と、振幅が小さい相場の違いを判断できます。
また、周期は安値から安値の間の期間を見ていますので、周期が長い相場と短い相場の違いが見分けられます。そして、位相の違いで強気のパターンのサイクルなのか、弱気のパターンのサイクルなのかが分かります。
ということは、振幅が大きく周期が長い強気のパターンのサイクルであれば、次のサイクルも同様のパターンが来るかもしれないと予測することができます(チャート①参照)。また、振幅が小さく周期が短い弱気のパターンのサイクルの後は次のサイクルも同様の可能性があると予測できるのです。
このように、サイクルを理解すると未来を予測できるので、トレードの準備をしっかりと行えるようになります。トレードにおいて、この準備をするということがとても大事なのです。
※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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