MT4インジケーター開発の第一人者であるHTさんへのインタビュー記事です。圧倒的速度でインジケーターを開発し続ける理由から、FX初心者にお勧めする無料インジケーターまで語っていただきました。この記事を読んだら、まずはHT FXにアクセスしてみてください。
最初のうちからMT4に注目
編集部 無料とは思えないハイクオリティのMT4インジケーターを多数配布されているHTさんですが、どのような経緯があって現在の活動になったのでしょうか?
HT まずは株です。お小遣い稼ぎができないかと思って始めました。6~7年前なので、2013年くらいですね。株の勉強をしていくうちに、FXというものがあることを知りました。
MT4の存在には、早いうちから気付いていました。面白そうなので、どうにかして有効活用できないかと考え、早い段階からプログラムの勉強も始めました。
編集部 トレードを始めてそれほど時間がたっていない段階で、MT4のプログラムを学び始めたのですね。
HT そうですね。最初のうちはもちろん勝てないので、普通の方法では組み合わせられないインジケーターを同時に表示したら、もしかして儲かるんじゃないかという発想です。でも、そう簡単にうまくいくはずもなく、またEAでうまいこと儲けられないかと、いろいろ試行錯誤もしていました。
編集部 プログラミング自体のご経験はあったのですか?
HT ほとんどなかったです。機械系のエンジニアをやっていまして、図面を書いて産業用の機械を作る仕事をしていました。その機械を動かすためのプログラム作成は、取引先に発注して作ってもらうわけですが、その内容の確認はしていました。
編集部 バリバリのプログラマーではなかったのですね。話は変わりまして、最初に作ったインジケーターを教えていただけますか。
HT はっきり覚えていないのですが、ある程度値動きが大きくなったらサインが出るものだったはずです。
編集部 やはり開発するにあたり、何らかのアイデアがあり、それを形にするという流れになるわけでしょうか?
HT そうですね。
編集部 そういったインジケーターを、ご自身のトレードに取り入れていったと。
HT そうなんですけど、1年くらいは結果が出なかったです。
編集部 現在のサイトは、いつごろから運営されているのですか?
HT 2014年からです。FXを本格的に始めて、半年か1年くらいたってからですね。今こうして見返すと、ブログを始めてすぐの2014年2月に、最初のプログラムを公開しています。
編集部 トップページ左カラム下の方の「全記事の一覧表示」で、時系列順に公開された記事が並んでいますね。
HT 2014年2月2日の「トレンド判定:マルチMA」が最初の公開です。
編集部 おおっ、これが歴史の第一歩なのですね。このインジケーター、何度もバージョンアップをしていますね。HTさんのブログは、どのタイミングで人気が爆発したのですか?
HT 爆発した感じはしないですね。インジケーターを作るほど、じわじわとアクセスが伸びていった印象です。
今も月2本ペースで新作インジを公開
編集部 これまでたくさんの開発をされてきた中で、これは自信作だというものをいくつかピックアップしていただけますでしょうか?
HT 「HT_Grid」ですかね。
編集部 こちらはどういったインジケーターでしょうか?
HT チャートの下段に、そのときメインになっている市場を色分け表示しつつ、設定した価格ごとにグリッドを引きます。チャートを見やすくするためのツールで、私も自分のトレード画面で表示していますよ。
編集部 こちらは確かに見やすいですね。他に人気のものはありますか?
HT 「HT_Higher_Candle」も、多くの方に使っていただいています。チャート上に上位時間軸のローソク足を表示できます。また、月足チャートに年足を表示できたりもします。
編集部 マルチタイムフレーム的な分析や、超長期的な流れを見る際に活躍しそうですね。
HT それ以外では、「HT_Line_Sync」も人気です。異なる時間足同士で、ラインなどのオブジェクトを同期させて表示できます。
編集部 ところでブログを拝見していますと、既にMT5バージョンのインジケーターも開発されているんですね。
HT はい。ただ、MT4と比べるとあまり反響はないです。
編集部 インジケーター開発には、どれくらい時間がかかりますか?
HT 簡単なものなら、小一時間でできます。
編集部 早い!
HT 相当複雑なものなら、2日くらいかかることもあります。
編集部 それでも2日でできてしまうんですね。インジケーターを作る際には、あらかじめ完成イメージが浮かんでいて、それを形にするという流れでしょうか?
HT そうですね。思いついたアイデアを現実化するというか。
編集部 どれくらいのペースで開発されているのでしょうか?
HT 最近はちょっとネタ切れ気味です。ブログの更新は週一でしているのですが、完全な新作となると月に2本くらいですかね。
編集部 それでも月2ペースはすごすぎます。なぜここまで無料のツールを公開し続けられているのでしょうか?
HT 最初はアフィリエイトで稼ぎたかったんですが、こちらはさっぱりでした。ただ、有料インジケーターを買っていただいています。作ってみたものの、これはお金を取るほどじゃないなというインジケーターもたくさんあるんです。そういったものも、使いたい方がいるならぜひという感じで、無料インジケーターとしてどんどん公開しているという感じですね。
編集部 全くプログラムの経験がなくても、勉強次第でインジケーターの開発は可能でしょうか?
HT 可能ですが、未経験なら時間はかかると思います。
編集部 プログラムを学ぶために、お勧めの勉強方法はありますか?
HT 私自身は、豊嶋久道先生の本で勉強をしました。MT4プログラミングの解説書で、だいたいの基礎は分かりました。
編集部 有名な方ですね。
HT あとは、世間に出回っている無料でソースコードが見られるインジケーターを手に入れて、どういう動きになるかを見ました。
とにかく生き残り少しずつ上達を
編集部 これからFXを始める方は、どのようにHTさんのインジケーターを活用していけば良いでしょうか?
HT 無料のものを上から順にどんどん試していただければと思います。基本的にはお勧め順になっていますので。
ピックアップするとすれば、「HT_Volatility_INFO」は面白いと思いますよ。ボラティリティが低い相場では、分かりやすく画面に進入禁止のマークが出ます。
編集部 では、ある程度FXの経験があるものの、まだ結果が出ていない方にお勧めのものはありますか?
HT 有料なのですが、「HT_Endurance_Line」はどうでしょうか。相場に動きが出たときに、マイナスポジションを持たされた人が、逃げたいと思いそうな水準にラインを引きます。スキャルピングやデイトレードで、押し目買いや戻り売りのシナリオを立てる際の参考になると思います。
編集部 他にもインジケーター活用のポイントがあれば教えていただけますか?
HT サイン系のツールで売買の合図が出たからといって、何でもかんでもエントリーはしない方が良いです。その時点のトレンドの流れや、チャートの形などを総合的に判断しつつ、サインを活用した方がうまくいきます。
編集部 それでは最後に、読者の皆さんにアドバイスをいただければ。
HT とにかく生き残ることです。最初から成功する人もいないわけではありませんが、だいたいの人は最初は負けます。だからこそ、続けながら少しずつうまくなってください。生き残れないと、長く続けていればたどり着いたかもしれない勝ち組への道が、閉ざされてしまいますからね。
初心者にもお勧めの無料インジケーター4選
HT_Grid
縦軸に価格を、横軸に市場をそれぞれ分かりやすく表示
MT4の価格表示は縮尺が変われば表示価格も変わってしまいますが、このインジケーターを入れることで100pipsごとといった固定された幅でグリッドが引かれます。またチャート下段は、オセアニア、東京、ロンドン、NY前半、NY後半のようにメイン市場ごとに色分けされます。
HT_Higher_Candle
年足も表示できるマルチタイムフレーム分析
現在表示している時間軸より上位のローソク足をチャートに表示するインジケーターで、マルチタイム分析のお供として最適。また、MT4では表示できない6か月足、1年足も表示できます。上のチャートは、月足チャートに年足チャートを重ねたもの。
HT_Line_Sync
異なる時間足のチャート間でラインや図形を共有できる
あるチャートに引いた水平線、トレンドライン、図形、フィボナッチなどを、同じ通貨ペアの別の時間軸にも表示するインジケーターです。1時間足で引いた垂直線が、5分足ではどこにあるのかと探すこともなくなります。過去のチャートを振り返る際に重宝します。
HT_Volatility_INFO
このインジケーターを使い低ボラ相場のうっかり取引防止
相場のボラティリティが一定水準以下の場合、巨大な進入禁止マークが表示され、動かない相場でトレードをすることがなくなります。ボラティリティの判断は、ATR(Average True Range) と Volumeというインジケーターを基準にします。
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カスタムインジケーター導入方法
- インジケーターのファイルをパソコンにダウンロードする
- MT4を起動し、[ファイル]→[データフォルダを開く]→[MQL4]→[Indicators]をクリック
- Indicatorsフォルダの中に、インジケーターのファイルを移動させる
- MT4を一度終了してからもう一度起動する
- [表示]→[ナビゲーター]から新たに追加したインジケーターを選び、表示したいチャート上にドラッグ(左クリックで引っ張ってきて放す)
※この記事は、FX攻略.com2019年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |