豪準備銀行の利下げ観測が浮上！豪ドルはどこまで下がる？
先週は、資源国通貨が全面安の展開となった。原油相場が一時43ドル台と2009年以来の水準へ下落したうえ、金利見通しも大きく変化したからだ。豪ドルは、豪準備銀行が近く利下げに踏み切るとの観測が浮上し、対ドルで0.7720ドル付近と2009年7月以来の安値を更新。NZドルも、NZ準備銀行が従来の利上げ予想を撤回し、「次の動きはデータ次第で上下どちらにも可能性あり」との声明を発表したことから、0.7215ドル付近と2011年3月以来の安値をつけた。またカナダドルも、カナダ統計局が2014年の雇用統計を大幅に下方修正したことや、11月の月次GDPが予想外のマイナス成長となったことから、1ドル＝1.2795カナダドルと2009年3月以来の安値を更新した。
資源国通貨全体への逆風が続く
原油相場にはまだ底入れの兆候は見られない。欧州や中国の景気減速を背景とした需要減少と、OPECの減産見送りを受けた供給過剰による需給悪化に歯止めがかからない。ほかの商品相場も低迷しており、資源国通貨全体に対する逆風は続く見通しだ。
今週の注目材料は豪準備銀行理事会
今週は火曜日の豪準備銀行理事会が注目材料だ。政策金利は2.50％に据え置きがコンセンサスだが、一部では利下げ観測も浮上している。先週発表された豪第4四半期消費者物価指数は、トリム平均で前期比+0.7％と予想の+0.5％を上回ったものの、同前年比では+2.2％と前回の+2.4％（+2.5％から下方修正）から低下し、豪準備銀行のインフレターゲット2〜3％の下限に接近した。先々週カナダ中銀が予想外の利下げを実施したことも、豪準備銀行が予防的緩和に踏み切るとの思惑を呼んでいる。「著名な豪準備銀行ウォッチャーが2月の理事会での利下げを予想した」との情報もあるようだ。
「豪ドル／円」は長期的な上昇トレンドが終了か？
米国が金融政策の正常化を推し進めるなか、豪州が利下げに踏み切れば、金融政策のバイアスが逆方向となり、豪ドル安・ドル高が一段と加速する可能性が高い。「豪ドル／米ドルの長期チャートを見ると、2001年の安値0.4814ドルから2011年の高値1.1080ドルまでの半値押しにあたる0.7947ドルをすでに割り込んでおり、次の目標値は61.8％押しの0.7207ドルとなる。スティーブンス豪準備銀行総裁は昨年、「豪ドルは対ドルで0.75ドルに近づくべき」と発言したが、それが実現する日も遠くないだろう。豪ドル円も昨年10月の安値91.80円付近を割り込んでおり、長期的な上昇トレンドが終了した可能性が高くなった。対ドル・対円とも一段の下落リスクに備えておく必要があろう。
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