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政策相場到来で円売りか?消費増税先送りや大型補正に期待[雨夜恒一郎]

先週の米ドル/円相場は、米国雇用統計が弱かった割にドルが下がらなかったことから、ショートカバーが優勢となり、麻生財務相の「一方的に偏った状況続くと介入する」との発言もサポートとなって109円台を回復。110円を前に抵抗感も強かったが、一時は109.56円まで上昇し、4月28日以来の水準を回復した。

日銀の追加緩和見送りを受けた「日銀ショック」もひとまず下火となり、投機筋は円ロングの手仕舞いに動いている。6月FOMCでの利上げ見送りもおおむね織り込み済みとなり、積極的なドル売りも手控えられている。

またゴールデンウィーク中の円相場を直撃した「米財務省の為替報告書」問題も、その後続報はなく議論はさほど盛り上がらなかった。過度の円買い・ドル売りポジションが巻き戻され、中立ゾーンの109円付近に収束したのは必然的と言える。同水準はここ1か月のレンジのほぼ中間地点であり、居心地もよい。

対ドルはしばらく中立スタンスか

では米ドル/円は今週ここから方向性が出るだろうか。米国の景気指標は堅調なものもあるが、現時点では市場は6月の利上げ確率を1割未満しか織り込んでいない。米国債利回りも低迷しており、金利を材料としたドル買い主導で110円を突破していくシナリオは描きにくいのが実情だ。

一方FRBは依然今年2回の利上げが適切と主張しており、利上げ期待はまだ消滅したわけではない。欧州通貨や資源国通貨が足元軟調となっていることもあり、下値を積極的に売り込んでいけるほどドルも弱くない。ドルに関しては中立スタンスで臨むしかなさそうだ。

今週から来週末にかけて要警戒

では日本側の材料はどうか。今週後半(20・21日)の仙台G7財務相・中銀総裁会議、来週末の伊勢志摩サミットをにらんで、何らかの政治的な動きが飛び込んでくる可能性があり要注意だ。G7では為替は主要議題にはならない見通しだが、世界経済の減速傾向を背景に、日本は金融緩和だけでなくあらゆる施策を講じるべきとの圧力が強まるだろう。

おりしも今週水曜日には日本の1~3月期GDP速報値が発表される。予想中心は前期比+0.1%だが、10~12月期(前期比-0.3%)に続いて2四半期連続マイナス成長となるとの観測もくすぶっている。さえない結果となれば、当然大型景気対策への期待が高まる。

日本経済新聞は週末に「安倍首相は2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再び延期する方針を固めた」と報じた。今のところ他紙やNHKは沈黙しており、真偽のほどは定かではないが、「10兆円規模の大型補正予算」「増税先送り」といった期待が高まれば、株高・円安の好循環が再開する可能性も出てくるだろう。

そうなれば、日銀も6月の会合で可能な限りの手段を総動員してくるはずだ。一旦立ち消えになった「ヘリコプターマネー」の議論も再燃してくるかもしれない。

政策相場に期待を込めて、今週はドルの下値を丁寧に買っていくスタンスで臨みたい。

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